私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

文字の大きさ
327 / 450
第16章 そして、パーティーが始まる

321★あちらこちらで、女同士の争いが勃発

しおりを挟む

 大好きで自慢の兄アルファードを馬鹿にされた西の側妃キャロラインの娘キャサリンがカチンと来たので、怒って言い返す。

 「みんな何を言っているの

  聖女候補のエスコートは
  騎士団の団長達が

  くじ引きでするコトになったって
  陛下が言ったコトを忘れたの………

  この程度のコトも
  覚えていないなんて
  馬鹿なの」

 その言葉に、馬鹿にしたように南の側室ブリジットの娘ブランジェが悪意を込めて言う。

 「まぁ~キャロライン様は
  大好きな義兄上を庇いますの………
  私は聞きましたわよ」

 思わせぶりな言葉に、キャサリンは、ムスっとした顔で聞き返す。

 「何かしら?」

 それに対して、人の悪い笑顔を浮かべて、ブランジェは言う。

 「アルファード義兄上は

  自分より小さければ
  何でもイイと言って

  あの聖女候補を自ら
  エスコートするコトにしたって………」

 「あらぁ~…それでは
  あの不細工が堕ちたら

  きっと、アルファード様が
  通いますのね」

 ブランジェの取り巻きが、口元を扇で隠して馬鹿にしたように言う。
 それに、怒り過ぎて、言葉が出ないキャサリンは黙ってしまう。

 「………」

 「何時までも
  子供のままで成長できない…

  出来そこないのバケモノ皇子の
  義兄上は、不細工な………」

 キャサリンが黙っていたので、更にアルファードの悪口を言うブランジェの言葉を途中でぶった切りキャサリンが、怒りを込めて言う。

 「五月蝿いわね
  貴女達の婚約者は

  魔法騎士団にも入れない
  ただの伯爵のくせに………

  魔法騎士団の団長であるお兄様に
  なんて不敬なコトを言うのよ

  身の程をわきまえなさい」

 その発言に、ブランジェは、怒りで頬を赤く染めて言い返す。

 「なんですって
  私の母は南の側室よ」

 ブランジェに、呆れたようにキャサリンが言う。
 怒りで言葉使いが、かなり皇女としてはいかかなものか、という状態になっているのは仕方が無いと言える。

 「ふざけるんじゃないわよ

  あんたの母親は、伯爵家の女で
  南の側妃なのよ

  西の側妃で侯爵家の姫の母の方が
  上なのよ」

 対するブランジェも理性が消えて、その辺の庶民並みな言葉で言い捨てる。

 「はぁ~第2夫人の娘でしょ」

 それに、怒りまくったキャサリンが言い返す。

 「なんですってぇ~………」

 2人の争いを、心底から馬鹿にしたように、サンディーヌが言う。

 「あらあら…
  はしたないものよのぉ~

  これだから
  下賤な側妃から生まれた皇女は
  ダメなのじゃ………」

 1番年下のサンディーヌの気取った言い方に、カチンとしたキャサリンが見下げるように言う。

 「なにを気取ってって
  バハアくさい言い方を
  しているのかしら

  貴女の兄は
  この場に入れない程

  騎士団で低い地位しか
  持っていないっていうのにねぇ~

  だから、居なくても良いって
  国外に出されたのにねぇ~………

  聖女候補と知り合う価値も
  無いってね」

 キャサリンの的確な嫌がらせに、サンディーヌも頬を赤く染めて怒る。
 このパーティー会場に、サンディーヌの兄であるアーカンディルが、居ないのは確かなコトだったから………。

 「なんじゃとぉ~我が兄上は
  皇位継承権第2位じゃ

  それに、姉上がロマーナ王国の
  王太子妃になる為に………」

 サンディーヌの発言を、また、途中で切ってキャサリンが、さも馬鹿にしたように言う。

 「あらまぁ~頭がお花畑ですコト
  歴史の時間はきっと眠っていたのね

  皇太子は、銀髪紫紺瞳で
  魔法騎士団の団長をしていないと
  いけないのよ

  そして、陛下は銀髪紫紺瞳よ」

 「お主こそ、あほうじゃのぉ~

  皇妃の息子が皇太子になるのじゃ…

  いずれあの他国者は
  母上の地位と交換される

  母上が皇妃となり
  兄上が皇太子になるのじゃ」










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます

かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~ 【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】 奨励賞受賞 ●聖女編● いきなり召喚された上に、ババァ発言。 挙句、偽聖女だと。 確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。 だったら好きに生きさせてもらいます。 脱社畜! ハッピースローライフ! ご都合主義万歳! ノリで生きて何が悪い! ●勇者編● え?勇者? うん?勇者? そもそも召喚って何か知ってますか? またやらかしたのかバカ王子ー! ●魔界編● いきおくれって分かってるわー! それよりも、クロを探しに魔界へ! 魔界という場所は……とてつもなかった そしてクロはクロだった。 魔界でも見事になしてみせようスローライフ! 邪魔するなら排除します! -------------- 恋愛はスローペース 物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

処理中です...