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第17章 パーティーは終焉に向かう
389★現実を理解しないリリアーナはポイッです
しおりを挟む「イヤじゃ…サラディールに行ったセイで………
陛下の寵愛が…キャロラインに移ったではないか………」
その言葉を、あっさりと否定する我が侭な廃皇妃リリアーナに、魔術師エルダールは、説得を止めて魔法を掛ける。
「仕様がありませんね、では、………」
突然、崩れ落ちる廃皇妃リリアーナを抱き止めると、魔術師エルダールは、サラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵に視線を向ける。
すると、サラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵は、すたすたと歩き皇帝アルフレッドの前に立つ。
そして、呼吸を整えて静かに話し掛ける。
「陛下、姫は、我等が責任を持って連れ帰ります
2度と陛下の御心を煩わせるコトは無い様に致します
それ故に、姫と共にこの帝国に移住した者達の
帰還をお許し下さい」
意外なほどに冷静な発言内容に、皇帝アルフレッドは苦笑する。
「構わん、帰還を許す
また、その財産を確認し
それに見合う宝石か《魔石》を与えよう
ただし、それは、我が皇太子アルファードの暗殺に
関わっていない者達のみだ
関わった者達は、身一つで強制送還する
また、そちらでの裁判を望む
当然、その結果の報告もな
勿論、その証を必ず提出するコトを命ずる」
「陛下の温情に感謝致します」
皇帝アルフレッドのあっさりとした許可に、サラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵は、騎士の礼をとり感謝した。
「ただし、サラディール王国の大使
ハンス・ノルト・ローデ伯爵よ
そなたの帰国は…全ての後始末が終わってからだ
サラディール王国の元王女が、犯した過ちを全て確認し…
祖国にて裁判を行うコトを、私は望む
なに殺せとは言わぬよ
皇太子暗殺を企てた者に対しての
サラディール王国での裁きとは
どの様なものかを知りたいだけだ
勿論、それに協力したサラディール王国からの
移住者達の裁判も、その結果もな
否やは言わせぬ…良いな」
サラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵が、ほっと息を抜いた瞬間に、皇帝アルフレッドは、漆黒のオーラを纏い、今までの怒りを秘めて冷たく嗤って言う。
その言葉に、うっという表情を浮かべたサラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵は、それでもぐっと耐えて目下の者としての言葉を口にし、再度騎士の礼をする。
「はっ…陛下の仰せのままに致します
では…帰国者の名簿と財産目録を作成いたしますので………
陛下…御前…失礼致します」
それに、皇帝アルフレッドは、人の悪い微笑みを浮かべて言う。
「良かろう」
サラディール王国の大使ハンス・ノルト・ローデ伯爵は、皇帝アルフレッドの許可を得てから、魔術師エルダールに視線を合わせて言う。
「エルダール、姫を頼みます」
「お任せ下さい。では、さらばでごさいます」
「ああ……いずれ…サラディールで会おう」
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