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第19章 パーティーは、まだ終わらない
407★リストを貰ったようです
しおりを挟むだから、オスカー達は、必死で彼女達の片付け先(婚姻相手)を考えて、相手にもきちんと打診していたのだ。
自分やマクルーファ、ギデオンやレギオンのように、エリカの産んだ子供を狙う者達と、聖女ならそれで良いと思う者達をちゃんと選別していた。
所詮は、ドラゴニアンに獣人やエルフが混じった種族なのだ。
気に入った者というか、最愛の者以外はどうでも良いという性質が、がっつりとでていた。
こうして、美少女達は、婚姻相手として相応しい男達の一覧をそれぞれ手渡された。
その中には、注意人物として、アンジェロ皇子達が描かれていた。
オスカーとマクルーファ達監修の花婿リストは、アルファードやキャロラインの関係上、聖女候補の少女達が婚姻するに相応しく無い立場の者は、排除ではなく、キケンという意味の黒と黄色の斜めの縞模様の枠で描かれていたのである。
オスカー達が選んだ男達は、高位貴族の当主または跡取りで、各騎士団の団長や副団長が基本だった。
所詮はドラゴニアンを含む獣人系なので、男は暴力じゃなくって力(=能力、体力、魔力)があってこそ一人前の男という常識を持っている。
脳筋と言うほどは酷く無いが、そういう傾向はガッツリと入っている彼らだった。
そうアルファードのシンパから選んでいたりする。
聖女達の能力(=浄化、治癒魔法に特化、魔力量は膨大で遺伝しやすい、魔力格差に関係無く孕める体質)は、他国にとっても魅力的なのでさらわれるキケンは常に付きまとう。
それ故の守護騎士達であり、また、高位貴族で地位のある夫が必要という聖女側の事情もある。
代々の聖女達が、皇帝や皇太子、皇族や高位貴族と婚姻したのは、愛情と保護という2つの意味があったのだ。
今までは、聖女達の人数が多くても3人だったが、今回は7人だったので、国内貴族達は我こそはと異様なまでに盛り上がっている。
それでいてギラギラしていないのは、聖女達の人数が多いコトと、歴代最強と謳われた寵愛の聖女を超えると謳われはじめた、幻獣の聖女エリカがいる為だった。
エリカとアルファードとの間に生まれた娘と婚姻したいと思う者達も多数いたりする。
その為に、盛り上がっているがぎらぎらしていないという妙な状況になっている。
皇族や高位貴族、《魔力量》の多い者達は、基本的に寿命が長い。
そして、女性達は、男性達に比べて子供を産む為に、寿命が多少というか、それなりに短くなる。
これは、魔物討伐をしないと一人前とみなされない男性達と違い、命のキケンを感じない為に、《魔力量》を増やす訓練をしない、体力増進の努力をしない女性達の能力や体力、魔力量が少ない為に生じる。
その為に、《魔力量格差》が生じて、優秀な男性達が売れ残っていたのだ。
そんな彼らは、聖女候補の美少女達といずれは産まれるエリカとアルファード達の娘を狙う。
彼らの長い寿命にとって、百年や二百年の年齢差なぞ関係無かった。
これはアルファード達にも当てはまる事情だったりする。
聖女候補の少女達は、アルファード達の保護と引き換えに、自分達の伴侶を選ぶ権利をある意味で譲っていたのだ。
もっとも、そのコトに気が付くのは、エリカぐらいだろう。
どちらにしろ、この帝国で生まれ育っていない彼女達にとって、夫を選ぶ指針はエリカの示してくれた、高位貴族である言うコトだけだった。
また、それなりにラノベや悪役令嬢ものを読んでいたので、自由に恋愛できるとは思ってもいなかった。
このパーティーでの皇女達の言い争いを見て、高位貴族に嫁ぐ方が楽に生きられると思ったのだ。
誰かの取り巻きになるなんて、真っ平御免と思った彼女達である。
そう取り巻きになった人間のセイで、何も悪いコトをしていないのに処分されるという不条理を蒙(こうむ)るくらいなら、自分で派閥を率いた方がよっぽとマシだと彼女達は思ったのだ。
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