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第6章 野営地にて………
038★どうやら、聖女にも色々と有るようです
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第6章 野営地にて………
退屈しのぎの噂話をしているそこへ、本人(エリカ)と何かと有名なアルファードが相乗り姿で現われた。
なので、野営地に居た騎士達は、ひっそりとそこかしこで盛り上がる。
魔法騎士団の上位者の群れの出現に、慌てて噂話しが聞こえないように、端に逃げ隠れしながら…………。
それでも、まだコソコソと会話していたりする。
自分達の会話が、耳の良いアルファード達に、しっかり聞こえているとは知らずに…………。
噂話しで、盛り上がる彼らは、中央騎士団も魔法騎士団も関係なかった。
何度も任務で一緒になって行動しているうえに、魔法学園(それは、貴族も平民も関係なく一定レベルの《魔力》を持つ者達が、強制的に通う場所、騎士課、魔法使い課など色々とあります)で、同期とか同じクラスだったとかいう理由から、横の繋がりもあるので………。
同じ話題(魔法騎士団長・副団長と聖女候補のエリカ)を話したいと思ったら、側にいる者に声をかければ話せる程度には、顔見知りばかりなので、その口は閉じられることはなかった。
なお、貴族でも《魔力》の量が足りないと、別の学校(士官学校など)に通います。
基本、貴族の男子は、騎士団または、魔法師団、神聖魔法師団および、辺境守護騎士団に所属して、魔物などと戦います。
その後に、文官(次男以下)になるまたは、領地経営(長男のみ)をする領主になるパターンが………。
閑話休題。
普段の魔物討伐の任務だったら、誰もが大なり小なりかならず負傷している上、疲労もたまっているので、ここまで気が抜けた状態で噂話しをしないのだが………。
エリカの治癒で、大怪我さえ綺麗に治癒されているし、治療用のテントに収容されていた負傷者達も新たに来た神官達によって治癒されていたので…。
本来なら、負傷者や行方不明者を探して歩くのだが、それも、エリカの連れて来た魔法使い達に探し出されて、既に回収されていた。
ようするに何もする必要がない=時間をもてあます=閑になったのだ。
そこへ、スキャンダルの匂いがするエリカとアルファードの相乗り姿。
盛り上がるしかない状況だったのだ。
なんと言ってもアルファードは、騎士達全員のトップに立つ男で、皇族だったから…………。
「なぁ~あれが、聖女様なのか?」
「違うだろ…聖女候補ってヤツだろ?」
「でも、応援に駆けつけてくれた
神官や魔法使い達は
はっきりと、慈愛の聖女様って
言っていたけど…………」
「慈愛の聖女様って言うと…アレだろう……」
「ああ…今、存在している公爵家と
侯爵家の全てが…………
かの慈愛の聖女様の血を引くっていう
あの話し………」
「…つうか…慈愛の聖女様の血を引かない
上位貴族は…今ひとつ《魔力》が足りない
っていうのは、有名な話しだよなぁ~」
「その他に、聖母な聖女様もそうだよなぁ~」
「後は、寵愛の聖女様だろ」
「うんうん…他に…アレだろ…
薔薇の館の性女様だろ…」
「王城内にある薔薇の館に降ろされる
聖女様を改めて作り出される性女様……
団長と相乗りしている彼女は…
どの聖女様になるんだろう?」
「今回は7人も《召還》されたって
言うからなぁ~………」
「でも、神官達は、かの姫君は
慈愛の聖女様だって言ってるけど?」
「あのさ…あの姫君は…
お前等の怪我を完全回復したんだぞ
もう、その時点で…聖女様だろう」
「うっうん確かにそうだよな」
「それにだぞ、あの聖女様は
神殿での聖女候補《召還》で
《魔力》を使い果たし倒れた者達を
あっさり癒してくれたんだぞ」
訳知りの者がそう言うと、同じ情報を共有している者が応じて話しだす。
「それも、異界から持ってきた
貴重な《力》の籠もった食料や
ワインに甘味を使ってくれたんだぞ
俺は…慈愛の聖女様だと思うな……」
そして、自分の見解を口にすれば、別の見解の者が………。
「俺は、聖母な聖女様だと」
「いやいや…あの団長が…
あんなに…べったり抱き締めているんだ
寵愛の聖女様だよ…きっと…あの姫君は…」
「だったら、残りの聖女候補の何人かは
薔薇の館の性女様になるのか?」
「今までだと、複数の聖女候補がいたら
性女が必ずいたよな?」
「うぅ~ん、それは、勘弁して欲しいなぁ~」
「俺も、勘弁して欲しいよなぁ~………
今回みたいに気が高ぶった時に
発散出来ないからなぁ~………」
「だよなぁ~薔薇の館に
性女様が入れられたら…………
俺達は全員魔法を掛けられて
自分が高ぶった身体を宥める為に
薔薇の館に行ったのか…………
魔法をかけられて、生贄として………
行く気にさせられたのか………
まるっきりわからなくなるんだろう…」
シルファードから、先にひょいっと降りたアルファードに、エリカは優しく抱き下ろされた。
その時も彼等の噂話は止まらなかった。
この世界に《召還》されたエリカの耳は、どうやら獣人並みになっていたらしく、その会話はまるっと聞こえてしまっていた。
そして、そのコトに、アルファードもオスカーも、まったく気が付いていなかった。
純粋な人族の聴覚は、獣人の10分の1ほども無いのだから…………。
だから、エリカは、聖女と呼ばれる者達にかなりの違いが有るコトと。
性女という名前の響きは一緒だけど、内容は娼婦でしか無いという存在がイルコトに気が付いてしまう。
〔性女って…いったい…なんなの?
聞いても…イイの?
でも、気になるから……聞くしか無いかぁ~…
ってコトは…オスカーさんかな?〕
退屈しのぎの噂話をしているそこへ、本人(エリカ)と何かと有名なアルファードが相乗り姿で現われた。
なので、野営地に居た騎士達は、ひっそりとそこかしこで盛り上がる。
魔法騎士団の上位者の群れの出現に、慌てて噂話しが聞こえないように、端に逃げ隠れしながら…………。
それでも、まだコソコソと会話していたりする。
自分達の会話が、耳の良いアルファード達に、しっかり聞こえているとは知らずに…………。
噂話しで、盛り上がる彼らは、中央騎士団も魔法騎士団も関係なかった。
何度も任務で一緒になって行動しているうえに、魔法学園(それは、貴族も平民も関係なく一定レベルの《魔力》を持つ者達が、強制的に通う場所、騎士課、魔法使い課など色々とあります)で、同期とか同じクラスだったとかいう理由から、横の繋がりもあるので………。
同じ話題(魔法騎士団長・副団長と聖女候補のエリカ)を話したいと思ったら、側にいる者に声をかければ話せる程度には、顔見知りばかりなので、その口は閉じられることはなかった。
なお、貴族でも《魔力》の量が足りないと、別の学校(士官学校など)に通います。
基本、貴族の男子は、騎士団または、魔法師団、神聖魔法師団および、辺境守護騎士団に所属して、魔物などと戦います。
その後に、文官(次男以下)になるまたは、領地経営(長男のみ)をする領主になるパターンが………。
閑話休題。
普段の魔物討伐の任務だったら、誰もが大なり小なりかならず負傷している上、疲労もたまっているので、ここまで気が抜けた状態で噂話しをしないのだが………。
エリカの治癒で、大怪我さえ綺麗に治癒されているし、治療用のテントに収容されていた負傷者達も新たに来た神官達によって治癒されていたので…。
本来なら、負傷者や行方不明者を探して歩くのだが、それも、エリカの連れて来た魔法使い達に探し出されて、既に回収されていた。
ようするに何もする必要がない=時間をもてあます=閑になったのだ。
そこへ、スキャンダルの匂いがするエリカとアルファードの相乗り姿。
盛り上がるしかない状況だったのだ。
なんと言ってもアルファードは、騎士達全員のトップに立つ男で、皇族だったから…………。
「なぁ~あれが、聖女様なのか?」
「違うだろ…聖女候補ってヤツだろ?」
「でも、応援に駆けつけてくれた
神官や魔法使い達は
はっきりと、慈愛の聖女様って
言っていたけど…………」
「慈愛の聖女様って言うと…アレだろう……」
「ああ…今、存在している公爵家と
侯爵家の全てが…………
かの慈愛の聖女様の血を引くっていう
あの話し………」
「…つうか…慈愛の聖女様の血を引かない
上位貴族は…今ひとつ《魔力》が足りない
っていうのは、有名な話しだよなぁ~」
「その他に、聖母な聖女様もそうだよなぁ~」
「後は、寵愛の聖女様だろ」
「うんうん…他に…アレだろ…
薔薇の館の性女様だろ…」
「王城内にある薔薇の館に降ろされる
聖女様を改めて作り出される性女様……
団長と相乗りしている彼女は…
どの聖女様になるんだろう?」
「今回は7人も《召還》されたって
言うからなぁ~………」
「でも、神官達は、かの姫君は
慈愛の聖女様だって言ってるけど?」
「あのさ…あの姫君は…
お前等の怪我を完全回復したんだぞ
もう、その時点で…聖女様だろう」
「うっうん確かにそうだよな」
「それにだぞ、あの聖女様は
神殿での聖女候補《召還》で
《魔力》を使い果たし倒れた者達を
あっさり癒してくれたんだぞ」
訳知りの者がそう言うと、同じ情報を共有している者が応じて話しだす。
「それも、異界から持ってきた
貴重な《力》の籠もった食料や
ワインに甘味を使ってくれたんだぞ
俺は…慈愛の聖女様だと思うな……」
そして、自分の見解を口にすれば、別の見解の者が………。
「俺は、聖母な聖女様だと」
「いやいや…あの団長が…
あんなに…べったり抱き締めているんだ
寵愛の聖女様だよ…きっと…あの姫君は…」
「だったら、残りの聖女候補の何人かは
薔薇の館の性女様になるのか?」
「今までだと、複数の聖女候補がいたら
性女が必ずいたよな?」
「うぅ~ん、それは、勘弁して欲しいなぁ~」
「俺も、勘弁して欲しいよなぁ~………
今回みたいに気が高ぶった時に
発散出来ないからなぁ~………」
「だよなぁ~薔薇の館に
性女様が入れられたら…………
俺達は全員魔法を掛けられて
自分が高ぶった身体を宥める為に
薔薇の館に行ったのか…………
魔法をかけられて、生贄として………
行く気にさせられたのか………
まるっきりわからなくなるんだろう…」
シルファードから、先にひょいっと降りたアルファードに、エリカは優しく抱き下ろされた。
その時も彼等の噂話は止まらなかった。
この世界に《召還》されたエリカの耳は、どうやら獣人並みになっていたらしく、その会話はまるっと聞こえてしまっていた。
そして、そのコトに、アルファードもオスカーも、まったく気が付いていなかった。
純粋な人族の聴覚は、獣人の10分の1ほども無いのだから…………。
だから、エリカは、聖女と呼ばれる者達にかなりの違いが有るコトと。
性女という名前の響きは一緒だけど、内容は娼婦でしか無いという存在がイルコトに気が付いてしまう。
〔性女って…いったい…なんなの?
聞いても…イイの?
でも、気になるから……聞くしか無いかぁ~…
ってコトは…オスカーさんかな?〕
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