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第6章 野営地にて………
057★戦い(調理&夕食)すんで、夜の帳が下りた頃・後編
「えっ…?…?……」
〔アルとオスカーさんの関係って
本当に兄弟みたいね
でも、エリカにとってのオスカーさんて
パパのポジションかな?
お兄ちゃんは、アルかな?
で、マクルーファさんは、パパの部下?
ギデオンさんとレギオンさんは………
う~ん、お兄ちゃんの友達かな?〕
そんなことを考えている間に、エリカの長い髪の洗髪はあっさりと終わったらしい。
「エリカ、髪、すすぎ終わったぞ…
リンスだけにするのか?
+トリートメントをするのか?
どうするんだ?」
当然のように聞かれたエリカは、迷うことなく答える。
「リンスだけでイイの………
シャンプーとセットのリンス…
えっと…これを…使って欲しいの」
「これでイイのか?」
そう言って、リンスを受け取る。
アルファードは、エリカと会話しながら、髪を洗ってすすいで、リンスを頭皮と髪にもみこんですすぐという作業を淡々とこなしていた。
そして、《結界》を張った小空間で、温風を対流させてエリカの髪をさらりと乾かしてみせた。
その間、エリカは座ってハンカチに刺繍をしていた。
なぜ、エリカが刺繍をしていたかというと…ラノベの異世界《召還》での定番のお礼の品だったからである。
もっとも、エリカは、手で針を持って刺繍をしていたわけではない。
刺繍糸に硬化魔法を掛けて、糸のまま布に刺していたのだ。
更に、デザインをイメージしただけで、刺繍していたので………。
その速度は、普通の刺繍に長けた令嬢の10倍は加速されていた。
勿論、そのデザインは、アルファード個人の紋章で、ツタでぐるりと囲まれた中に盾が有り、その中に魔法使いの杖と騎士の剣を持つ飛竜が描かれていた。
白い手巾の中に、緑のツタ、盾の色は紫、飛竜の色は銀、杖は白金の杖に飾は真紅、剣は柄も鞘も銀色、それに、銀色の飛竜が描かれていた。
なお、飛竜の瞳は紫紺色で角は金色だった。
盾の下に紫紺色のリボンが刺繍されアルファードのイニシャル。
A・F・D(アルファード・ファイエス・ドラゴニア)と入っていた。
魔法による刺繍なので、刺繍糸の色とデザインをイメージで刺すというモノだった。
それにエリカは、こっそりと、精神異常軽減・魔法攻撃軽減・物理攻撃軽減・毒物効果解消・治癒効果最大をリボンの中に小さく銀色の糸で刺していた。
アルファードの次は、オスカーの個人紋章を見せてもらって、ハンカチに刺繍しようと思っているエリカだった。
勿論、刺繍糸やハンカチは、エリカの荷物の中に有ったモノを使っていたので、その効果は抜群のモノだった。
髪の毛を乾かしてもらい、丁寧にすいてみつあみにしてもらった。
エリカの髪の毛からバラの香りがふんわりと漂っていた。
その髪をすくってアルファードは、そっと口付ける。
〔エリカの長い黒髪、綺麗だなぁ~……
艶々でサラサラ……ふふ、いい香りだ〕
「これでいいかエリカ?」
自分の長い黒髪に、アルファードがそっと口付けたことに気付かなかったエリカは、綺麗になった長髪を、タオルでクリクリっと頭の上に乗せて押さえる。
お湯に浸かる時に、濡らさない為である。
いくら魔法で乾かすことが出来るとわかっていても、濡らしたくないと思ったからである。
〔流石に、髪が長いと重いんだよねぇ
その上で、お湯に濡れて水分を含むと
何倍も重くなるんだよねぇ…はぁ~〕
「うん、ありがとう
それじゃ、お風呂に入るね」
洗髪の終わった黒髪を頭部に巻き上げ、嬉しそうに猫脚のお風呂へ、いそいそと行こうとするエリカに、アルファードは確認するように言う。
「エリカ、自分でも判っていると思うけど
今日…この世界に…聖女候補として
《召還》されたばかりで…………
長時間、面識も無ければ乗ったことも無い
俺のシルファードに乗って駆けた
そして、大きな攻撃魔法と広範囲の
無制限に近い治癒魔法を使った
って、こと自覚あるか?」
アルファードの問い掛けに、エリカは改めて自分が無謀極まりないことをしたということを自覚する。
「えっとお…確かに…
色々と有った日だってわかってるよ
でも、オスカーさんやアル
優しい騎士様達、神官様達
魔法使い様達に会えたから
けっこう楽しかったの………
だから…平気だよ
ご飯も、こっちにあっちの世界の調味料や
食材があるってわかったから………」
アルファードの言葉に、一生懸命言い募るエリカに対して、オスカーはにっこりとイイ笑顔で笑いながら言う。
「それは、良かったですね
でも疲労しているのは確かなコトなんですよ
浴槽の中に…寝落ちはしないで下さいね
あと、身体を冷やさないように浴槽に
お湯の温度を一定に保つ魔法を
かけておきましたが…………
いいですか、くれれぐれも
気を付けて下さいね
もし、寝落ちしたら、団長に目の保養を
させてしまいますからね」
心配されたエリカは、オスカーにそんな宣言をされてしまった。
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