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第11章 訓練開始
157★一難(黒G)去ったら、もう一難(イナゴ)が来そうです
しおりを挟むなんとか黒Gを殲滅したエリカ達は、剣にまとわせていた魔法を解除して辺りの様子を確認していた。
突如、吹き荒れた風により、黒Gの痕跡は何も残っていなかった。
が、何故、今、この時に、あの黒Gの集団がこの場に現われたのか?
首を傾げながら、エリカがアルファードに質問する。
「アル、ここでは、あんなに巨大な黒Gが
集団で表れるって、普通にあることなの?
それとも、季節の風物詩なの?
じゃなかったら、数年から十数年単位で
集団発生するイナゴのアレと一緒なの?」
エリカの共通認識できる昆虫の固有名詞が入った質問に、アルファードは肩を竦めつつ答える。
「いや、普通は無いし、イナゴの集団発生は
我が国よりも、南の地域で発生するモノだ
我が国では、発生したと聞いたことが無い
いや、今までは…無いかな?」
アルファードの歯切れの悪い説明に、エリカは嫌そうな表情を浮かべる。
「もしかして、本来その資格の無い者が
相応しく無い者が、地位にいることで
定められた約定とかを侵害して
神々の加護が失われてきている…とか?」
エリカの問い掛けに、オスカーが苦笑しながら答える。
「ふむ、神々の加護ですか?
そういう、定められた約定があるとは
聞いたことがありませんが……
我が国に加護を与えてくださるのは
古き神々で、太陽の女神様ですね」
オスカーはエリカの言葉に、自分の知識の中にそういうモノに該当するモノが無いことを確認しつつ、こちらの世界の太陽の神様が女神であることを口にする。
それを聞いたエリカは、コテンと愛らしく小首を傾げて言う。
「へぇ~…こっちも太陽神が女神様なの
それって、ウチと一緒だね
天照大神様(あまてらすおおみかみさま)と
同じような名前で表現されているのかしら?」
エリカの世界の女神の話しに、オスカーはにっこりと笑う。
「アマテラスオオミカミ様ですか
こちらは、ラ・グローリアン様です
あまねく光りの栄光という意味ですね」
そうオスカーに説明され、エリカはなるほどという表情になってから、自分の世界の神様の説明を口にする。
「えっとね…天照大神っていうのは
あまって…天っていうか……
天界とか、空とかを意味していて
神々の住む世界も人間の住む世界も
すべて照らす偉大なる神っていう意味でね
大和の最高神でもあるの
月の神様は、月読尊様って男性神なの
海原の神は素戔嗚尊様なのよ
冥府の支配者は、女性神なの」
聖女候補として《召還》したエリカの世界の神様の説明を聞き、オスカーはさりげなく、こちらの世界の基礎知識を教えるべく言う。
「月の神は、双子の女神様です
蒼い月が姉神のラ・ルーリル様で
金の月が妹神のラ・リーラル様です
海も女神で、ラ・マーレル様です
冥府の支配者は男神で、ル・ドーズル様です」
オスカーの説明にエリカは、首を傾げる。
〔あら、珍しいわね
日本以外で、太陽神が女性なのは
でも海の神様が女性っていてうのも珍しいわ
国によって神話が違うから、後でこっちの
神話の詳しい話しの載っている本を
教えてもらおうかな? うふふ楽しみ〕
お互いの国の神の話をしてエリカとオスカー達は和やかな雰囲気になっていったが…………。
一難去らずにもう一難という悪循環が、静かにヒタヒタとエリカ達に近寄っていた。
そうして、黒G襲来で恐慌状態に陥ったエリカは、オスカー達との会話に興じていたのだが……。
空一面を覆うほど大量の黒G出現に、メンタルをいたぶられたエリカは、首筋に新たなチリチリとした痛みを感じた。
その瞬間に、エリカはハッとして空へと視線を向けるのだった。
すると、かなり遠くにだが、微かに黒い影が飛んでいるのが見えた。
エリカの視線が空に向かっていることに気が付いて、アルファードやオスカーも空へと視線を向ける。
そこで見たのは…………。
エリカとアルファードの会話に出て来ていた、イナゴの変異体らしかった。
大きな溜め息を吐き出したエリカは、アルファードにジト目で質問する。
「アル、さっき、この国では
イナゴの大量発生は無いって
言ってたよね?」
アルファードは、エリカの視線を感じ、苦笑しながら常識を答える。
「ああ、今まではな
確かイナゴの大量発生ってやつは
食べられる草が大量にある時と
極端に少ないときの2パターン
だったんだがなぁ……」
不可解そうにそう首を傾げて言うアルファードに、オスカーが口を挟む。
「今の状況は、そのどちらにも
当てはまりませんから…変ですね」
オスカーのセリフに、大量発生する時の条件を習っていたアルファードも不思議そうに首を傾げて言う。
「そうだよなぁ~ここんとこ不作とはいえ
凶作というか飢饉とかって言われるほど
酷い収穫高ではないからな
イナゴの大量発生の引き金になる程では
無いはずだよなぁ……」
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