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002★海都の日常?

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 生意気盛りの俺は、個人病院を開いていた親父を馬鹿にしていたから、飛び級をして医者になるって決めていた。

 そして、母(美香)の親友の下で(東南アジアの某国)で、飛び級して医大に通って、その国の医師資格をとったんだ。
 かかった経費(学費や滞在費など)は、全部、沙羅さんとミカエルさん夫婦が出してくれた。

 俺を死んだ子供の生まれ代わり(転生)だからって言ってね。
 2人は、俺に、何時も言うんだ。
 最近は、1日1回は、電話してくるたびに言う。
 
 「欲しいモノは無いか?
 何かやりたいコトは無いか?
 なんでも言って欲しい

 私達は、海都の望みを叶えたいんだ
 私達の1番目の子供なのに
 離れて暮らすしかない

 可愛い我が子の我が儘を聞きたいんだ」

 俺は、それにこう言うしかないんだ。

 「今は、欲しいモノが無いし
 特にやりたいコトも無いから

 何かやりたくなったら
 1番に相談するよ」

 なんて、言い返している。
 我が儘を言って欲しいって言われても、医者になりたいって盛大な我が儘を言ったから、後は思いつかないんだよなぁ。

 欲しいモノってコトで、新型のゲーム機が出るとニュースで流れると、すかさずそのゲーム機とゲームソフトが俺と妹達に贈ってくるんだ。
 新しいオンラインゲームも俺の名前で、登録して課金は無限設定してくれるんだよぉぉ。

 誕生日には、欲しい車やバイクは無いか?なんてきいてくる。
 母が入院と退院を繰り返している為に、年に数回お見舞いにやってくる沙羅さん夫婦。
 ウチでお茶して居る時に、テレビのニュースが流れた。

 「小型ジェット機を開発したホン○って
 凄いなぁ~どんな乗り心地なんだろう?

 俺もジェット機の免許取って
 ホン○のジェット機を操縦してみたいなぁ」

 なんて不用意な発言をしたら、嬉しそうにミカエルさんが笑って言うんだ。

 「ホン○のジェット機か
 わかった注文しよう

 小型ジェット機は、買い替えの
 予定があって良かったな、沙羅」

 「ええ、あなた
 まして、日本製なら安心ですわ

 海都も欲しいって言っているんですもの
 誰もが賛成しますわね」

 「ふふ、父達が、2機購入して
 海都用と会社用にしようと
 言うかもしれないな」

 「まぁ、それも良いですわね
 そうなれば、何時でも海都が
 飛んできてくれますもの」

 なんて会話をしてくれる。
 そう、母の友人は、いや、そのだんなさんの一族は、とんでもない大金持ちだった。
 そして、金銭感覚はワクだった……。

 庶民感覚の俺に、付いていけないことも多々ある。
 幼少期どころか、赤ん坊からの付き合いでも、あの金銭感覚は慣れない。
 所詮は、庶民だから、前世も今世も、俺は庶民だ。
 いや、父親が個人病院をもっている時点で、庶民からは少し離れているかもしれないが、それでも金銭感覚は普通のはずだ。

 じゃなくて、実際にホン○のジェット機が、売られるまでに時間がかかるから、その間に忘れてもらおうなんて思っている。
 現実逃避でしかないけどさ。
 こんなに甘やかされたら、駄目な人間になるからって、自然と自重自戒するようになったよ。

 ちなみに、医師免許を手に入れた時に、ヘリ、セスナ、クルーザー、車、バイクetc.の免許も取ったんだ。
 もちろん、日本でも取り直したさ。
 年齢制限何それ美味しいの?って感じで、無理矢理通した。

 厨二病で有名な中学2年生の時だったから、ミカエルさんに我が儘を言って話しを通してもらったんだ。
 今は、ちょっと否かなり反省しているよ、あん時、俺は我が儘なガキだったってさ。
 ミカエルさんが、どうやって俺の我が儘を通したのか、実は怖くて聞いていない。






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