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第5章 一難去っても、また一難
271★どうして、みんな桜の瞳のコトを気にしないのでしょう?
しおりを挟む真奈と優奈が〈サラ〉と〈レイ〉のお世話に向かったのを確認した和輝は、ソファーに座ってボォーっとしている桜に、試飲の為に口を開けたスポーツ飲料を差し出して言う。
「落ち着いたか、桜?
これな、俺達が水分補給用に選ぶ時に試飲したヤツ
冷やしておいたから、とりあえず飲んでみてくれ
スポーツ飲料も、相性ってモンがあるからな
こっちの5本は、1箱(6本)づつ買って来た
でもって、こっちの5本はとりあえず保留ってコトで
購入を見合わせたヤツだ
ご飯の準備が整うまでに、試飲しておいてくれないか
それで、どれが桜の口にあったか、後で教えてくれ
相性の良いモノを少し余分に買い置きして置きたいからな
いざって時ようのストックは大事だからな
んじゃ、俺はご飯作りに戻るな」
そう言って、和輝は冷蔵庫から口を開けたスポーツ飲料10本と、冷水を出して、桜の前に置いて、ご飯作りへと戻った。
桜は和輝に頷き、目の前に置かれたスポーツ飲料の内容と味を、1本1本確認しながら、小首を傾げていた。
和輝の妹達、真奈ちゃんと優奈ちゃん、それに友人達全員
桜の瞳の色が紅くなったのに、何も言わなかった
ただ、和輝の説明に納得しただけ………あっ…これ美味しいわ
でも、桜は弱虫だから、どうして?って聞けない…怖いから
それに、下手に聞くと、別の意味でやぶ蛇になりそうだから
聞く勇気が出ないわ
後で、和輝だけになった時に、聞くしか無いわね
でも《生気》の塊である《光珠》や結晶体のコトを
和輝と、その幼馴染みが知っていたのはラッキーだったわ
桜が《光珠》の結晶体を飲んでも、誰も不審に思わなかったもの
あの竜也という少年は、身体が弱かったから、幼少期に和輝から
《光珠》をもらって飲んでいたっていう話しだし………
いったい、それは何時の頃の話しなのかしら?
すごく興味深いのよねぇ~………
和輝は、ほんの子供の頃から、普通の人間からかけ離れていたのね
きっと、あの竜也や竜姫という少女も、桜の子供時代よりも
かなり過酷な状態にいたのは確かね
だから、桜のコトを変だと思わないのかもしれない
問題は、あっちの水鳥と啓太と呼ばれた2人よね
和輝の学校での友達だって話しだけど………
桜の変化に、あんまり反応して無かったのよね、何故なのかしら?
スポーツ飲料をコクッと飲み、眉を顰めて首を傾げる桜に気付き、そういう気配に敏感な水鳥が振り返って聞く。
「どうしたの? ソレ、もしかしなくても美味しくなかった?
それとも、僕達に何か聞きたいコトあるのかな?」
結構鋭い観察眼を持つ水鳥に、そう聞かれた桜は、本人が自覚している以上にボォーっとしていたので、何気なく聞いてしまう。
「うん………なんで、桜の瞳が紅くなったのに、和輝の周りの人は
誰も気にしないのかなって………コレ(紅くなる瞳)のセイで
あんなのが襲ってきたりするのに………」
桜の素朴な質問に、クスッと水鳥は笑って言う。
「それはね、僕の目の色も変わるからだよぉ
まっ、僕は和輝達みたいに簡単に変化するコトはないけどね
僕の名前の由来って、御祖母様が生まれたばかりの僕を見てね
それが、綺麗な瞳の色だったからなんだって………
ただ、翠とか緑じゃつまらないから、自由にって意味も込めて
水鳥って付けたって、聞いたんだ
ちょっとヒネタところのある御祖母様だったけどね
優しい人だったよ」
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