お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

文字の大きさ
278 / 446
第5章 一難去っても、また一難

277★ガリガリのボルゾイと遭遇したけど………

しおりを挟む


 和輝の質問に、竜姫の父親はちょっと悲しそな口調で言う。

 「ふふふふ……僕のお土産に、竜姫は何時も文句しか言わないんだ
  だから、生活費に余分に小遣いを入れたんだよぉ~………
  僕には、竜姫が理解できないんだよぉ~」

 そんな竜姫の父親に、和輝は素直に謝る。

 「すみません、余分なコト言って………
  それと、タクシー代もどきは、ありがたくいただきます」

 そういうちょっと微妙ながらも、無難な会話をしながら、和輝は抜け道を通って、予定時間に充分間に合うように成田空港に、あっさりと着いたのだった。

 よし、予定通り………より、早く着けたな

 「ありがとう、和輝くん」

 「いいえ、それより時間の方は、大丈夫ですか?」

 そんな他愛ないやり取りをしながら、和輝は駐車場へと滑り込ませ、空いている場所に停める。
 竜姫の父親は、腕時計で時間を確認して頷く。

 「うん、大丈夫だよ………余裕余裕………」

 そうイイながら、まずお気に入りのカメラセットを首にかけ、カバンに予備のカメラと非常食が入っているコトを確認して背負う。
 そして、詰められるだけ詰めた携帯非常食が入った手提げのカバンを手にした竜姫の父親に、和輝はクスッと笑って言う。

 「おじさん、空港ン中までは運んでやるよ」

 「いや、悪いねぇ~………」

 そう言いながら、竜姫の父親は和輝に手提げカバンを手渡した。

 「今、治安があまり良くないようだから、気をつけて下さいね」

 「う~ん大丈夫だよぉ~…何時もの案内人が付いてくれるから
  今回はねぇ~…もしかしたら、子供の写真撮れるかもなんだぁ
  産まれて間もなさそうなのが3匹見かけたっていう話しだし」

 と、嬉々として語る竜姫の父親に、和輝はちょっと苦笑いする。

 ほんと、おじさんってば好きだよなぁ~………
 いや、俺も大好きだけどさ……ユキヒョウの子供かぁ~………
 俺も直にナマで見て見たいなぁ~………夢だけどさ

 そんな会話をしながら、和輝は竜姫の父親と空港内へと向かった。
 そして、2人で空港内に入り、和輝は見送りの挨拶をして、竜姫の父親に手提げカバンを手渡し、搭乗手続きに向かう後ろ姿をに、ちょっとホッとして肩を竦める。

 「まっ………不死身の異名を持つおじさんだからなぁ
  どんな危険区域に行っても、五体満足で戻って来る男だし
  そんなキケンな目に合うコトは無いだろうけど………

  流石に、ああいうの(狂信者集団)が出た後だと
  ちょっと心配になるよな」

 搭乗手続きの受け付け場所へと向かう背中を見送った和輝は、さっさと桜の待つ蓬莱邸に戻ろうと、車を置いた駐車場へときびすを返した。

 そして、少し前に竜姫の父親と共に歩いた広い航空内を通り抜けて、駐車場に向かう和輝は、痩せこけて肋骨や腰骨が浮きまくった、もろに骨と皮というような貧相な犬に擦り寄られた。

 「…ふんふん……くぅぅぅ~ん……くぉぉ~ん…すりすり………」

 どう考えても、大きな洋犬が放れて、独りで歩いているのはおかしい場所で思いっきり懐かれた和輝は、それでもかなりズレたコトを考えていた。

 えっとぉ~…コレ…骨が浮きまくっているけど、ボルゾイ…だよな

 あれ……桜の話しじゃ…ボルゾイの匂いをさせていると
 大概の犬に嫌われるって言ってたのに………

 俺に懐いて来たのって、同じボルゾイの匂いだからかぁ?
 いや、まてまて、なぁ~んか引っかかるんだけど………

 この白黒茶のまだらなボルゾイ………ガリッガリだけどぉ~
 こう、なぁ~んか、妙に記憶に引っかかるんだよなぁ~………

 白黒茶のまだら模様のボルゾイ
 どっかで聞いたか? 見たかしたボルゾイなのかなぁ? う~ん?










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...