お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第5章 一難去っても、また一難

280★今欲しいプリンがソコに………お持ち帰りは出来る?

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 そんなコトを考えながら〈カオス〉を抱いて歩いていた和輝は、目の端に立ち並ぶ飲食店のディスプレイが飛び込んで来る。
 それも、今ちょうど1番欲しいなぁ~と思っているようなプリンが………。

 おっ…理想的なモンが…こんなところに…ちょっと値段は張るけど
 このプリン………食べさせてやりてぇ~………

 和輝のそんな思考を感知したのか、腕の中の〈カオス〉はそのディスプレイを見て、無意識ピースピースと小さく鼻を鳴らす。
 和輝という絶対安心の腕の中にいて、やっとこころから落ち着いたコトで、余裕が出来た〈カオス〉は視覚から刺激されて、お腹が空いているコトを自覚しての反応だったらしい。

 そんな〈カオス〉の様子に、和輝はちょっと唇を噛んで考える。

 これから1時間どころじゃなく車に乗るコトになるからなぁ………
 帰る前に、少しでもイイから体力になるモノ食べさせてやらないと
 
 この際、多少の添加物には目をつぶっちまうか………
 って、へぇ~無添加なのか………なら、良いかな

 本当に完全無添加かどうかは、流石に判らないけど
 とりあえず、お持ち帰りできるか聞いてみるか?

 もしお持ち帰りできるなら、駐車場で車の中で食べさせてやろう
 移動前に食い物を食べさせるのはちょっと問題はあるんだけど

 消化に良いプリンなら直ぐに胃液の温度で溶けるだろうし
 溶ければ、直ぐに栄養として吸収されちまうから平気だろうし

 〈カオス〉を抱えたまま、ちょっと立ち止まって、ディスプレイの前で首を傾げていると、店の中から、どうみてもアルバイトらしい可愛らしい女の子が出てきて、和輝に声を掛けた。

 「失礼ですが、ウチのディスプレイが、どうかしましたかぁ?」

 好感を感じる様な明るく柔らかい口調で問いかけられ、和輝は振り返る。

 「ああ………悪い……ちょっとディスプレイ見て考えてたんだ

  いや、なんでココに、こんな痩せこけているのか、まるっきり
  わからないんだけど、少し前に知り合いの犬を拾ったんだ

  ほら…見てくれよコイツ………こんな酷い状態だからよぉ………
  消化吸収のイイもんで、栄養補給が早急に必要だって思ってな

  そんで、ここのディスプレイされているプリンが目に入ったんだ
  コイツに食わせてやりてぇーなぁーと思ってさ

  お持ち帰りとか出来るんなら、買いたいなぁ~………って
  そしたら、駐車場に連れて行って直ぐに食わせてやりたいんだ

  こんな酷い状態のコイツを、駐車場の車ン中に置いたままで
  ショッピングモールで買い物するってーのも気が引けてよぉ

  なんかちょっとでも目を離したら、ヤバイ気がしてな
  このままキュッてあっさり逝っちまいそうで………

  そんで、あの辺りの持ち帰りは出来るのかな?」

 腕に抱きかかえられているガリガリの〈カオス〉と和輝を見て、女の子はにっこり笑って頷く。

 「はい、お持ち帰りもできますよぉ
  では、早急にお持ち帰り用を用意しますね

  黄金とろとろプリン………に、トッピングはどうしますかぁ?
  オプションに、この辺りとか、この辺りも付けられますよ」

 そう言って、女の子はディスブレイのふわっふわっスフレケーキと書かれたモノと、極上ミルクアイスを指差す。
 その女の子は、見るからに犬好きだと判る視線で、やせ細ってしまった〈カオス〉に憐憫と同情の籠った瞳をしていたので、和輝はちょっとだけ甘えさせてもらうコトにした。

 「それじゃ、ふわっふわスフレケーキと極上ミルクアイスも頼む
  黄金とろとろプリンは2つ頼めるか?」










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