お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第7章 儀式という夢の後

360★困っていたら、高嶺さんが来たので頼んでみました

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 和輝の要望に、その理由を知って納得した高嶺は、即応する。

 「ああ…それは失礼しました……すぐに開けられるようにしますね
  ……その…すみません…我々も…その雑務が多くて気が回りませんで」

 高嶺の妙に腰の低い対応に、そのガタイがイイだけに、なんか微妙なモノを感じつつも、和輝はちょっと肩を竦めで首を振る。

 「しょうがねぇ~さぁ……あんな、穢れたモンに狙われたんだからさ
  お陰で、せっかくの神域に雑多な《気》が混じっちまってよぉ~……

  なんか…こう…勘に触って…気分的に鬱陶しいモンを感じるもんな
  流石に、こんだけ乱れちまうと、浄化作業も楽じゃねぇ~よなぁ~」

 和輝の言葉に、輝虎もうんうんと頷く。

 「そういうのも、才能と向き不向きがあるからな
  この神域の汚れを祓うのは大変だよな」

 口数があまり多くない輝虎の発言に、高嶺はどう対応して良いかと、しばし困惑するが、直ぐに自分のするべきコトを思い出す。

 「ええ…本当に………と、ちょっと待ってくださいね
  車庫の電源は、根元の方で落としていますので………

  本邸の警備室で待機している物に、電源を入れてもらいますから
  あと、ゲストハウスのコトも連絡し、人手を向かわせますね」

 そう言って、高嶺はスマホを出して、リーダーである清瀬に指示を仰ぎつつ、和輝の要望を伝えた。

 「こちら、高嶺………」

 和輝は、高嶺が本邸の警備室に連絡を入れた段階で、輝虎へと向き直る。

 「なぁ~…あん時、部屋ン中…すごいコトになっていなかったか?
  今更だけど、ものすごぉ~く色々なモノが散乱していたよな」

 輝虎は、和輝の言葉にコクッと頷いて、儀式前に部屋から出る時に見た光景を思い出して言う。

 「ああ、まだ部屋に入ってないから実際はわからないが、確かに
  儀式へと向かう前にリビングを振り返った時、凄いコトになっていたぞ

  そこいらじゅうに、アクセサリー類とかが散らばっていたな
  あと、布の山が色々とあったな…それから、化粧品類も………」

 その言葉に、和輝は自分の記憶違いで無いコトを確認し、苦笑いを浮かべる。
 当然、輝虎もにたような表情になる。

 これから、車に置き忘れた着替えを持って帰っても、すぐには休むコトが出来ないという事実の為に………。

 そんな2人の様子に気付く余裕のない高嶺は、スマホでリーダーである清瀬から指示を受ける。

 「………はい、了解しました………と、神咲さん、佐藤さん、あちらで
  電源を入れてもらいましたので、もう開きますよ」

 そう高嶺に声を掛けられた和輝と輝虎は素直にお礼を言う。

 「ああ、すみません…ありがとうございます、高嶺さん
  んじゃ、さっさと着替えを回収して、部屋に返って片付けだな」

 和輝の言葉に、輝虎も頷いて、高嶺にお礼を言う。

 「ありがとう、高嶺さん……それでは、みんなの着替えを取って来ます」

 2人は、そう言ってから、和輝の方が慣れた手つきで車庫の開閉スイッチを入れる。
 と、電源が復活した車庫の扉は、あっさりと反応して開いた。

 「それでは、私は、ここで待っておりますから………」

 高嶺の言葉に頷き、和輝と輝虎はスルリッと車庫の中へと入る。
 そして車庫の中の照明のスイッチを押し、明るくしてから、狂信者集団に襲われた時に乗っていた車へと向かう。

 色々な車種の車が並ぶ中を通って、みんなで乗って来た車ののドアをガチャッと開ける。

 「えぇ~とぉ………これが竜姫で、こっちの二つが優奈と真奈のだな
  それと、乙姫のがコレだろ……ほい、これはお前のだな、輝虎
  んで、これが竜也ので、俺のがコレ…回収しはぐりは無いな、よし」

 和輝が荷物を出した後、輝虎も上半身を突っ込み、車内を確認する。

 「ああ、それで全部みたいだな」

 輝虎の確認後、和輝は頷いて言う。
 
 「んじゃ、閉めるぜ」

 「ああ」

 パタンっとドアを閉め、和輝は輝虎と2人で、全員分の着替えという荷物を持って、高嶺が待つ車庫の外へととっとと出る。
 勿論、車庫内を照らした照明もちゃんとスイッチを切ってから、車庫の外とへと出たコトは言うまでもない。

 「ありましたたか?」

 ありきたりな高嶺の言葉に、和輝はにっこりしながら答える。

 「ああ、あったぜ…その手数かけて悪かったな…サンキューな高嶺さん」

 和輝の明るい対応に、高嶺もにっこり笑って応じる。

 「良かったですね……ああ、ゲストハウスの荷物の件ですが
  私は、まだ、ここでやらなければならないコトがありますので

  他の者にですが、取りに行くようにと手配しましたので
  ほどなく、そちらにうかがうと思います

  布で大雑把にでも纏めて、玄関の外にでも、出しておいていただければ
  回収しておきますので、そのまま、外にポイしてください

  幸い、ここは蓬莱家の敷地内ですから…天気も大丈夫そうですし……」

 にこにこしながら言う高嶺に、和輝は、ありがたく頷く。

 
 







 


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