10 / 446
プロローグ
010★桜、ひっそりと落ち込む
しおりを挟むボルゾイを2頭連れた兄の姿を見付けた2人は、嬉しそうに和輝に駆け寄ってくる。
駆け寄り優奈と真奈に、和輝の左右に付いて素直に歩いていた2頭のボルゾイ〈レイ〉と〈サラ〉は、自分達に向かって走り寄って来た2人に、嬉しそうにしながら、飛び掛る態勢をとる………が。
そんな状況を瞬時に理解した優奈と真奈は、和輝が2頭を制止する為に命令を出す前に、鋭い声で命令する。
「「ストップ…ステイッ…ダウンッ」」
優奈と真奈のハモッたサラウンドでの命令に、後ろ足で立ち上がりかけた2頭はピタッと動きを止めて、素直にその場にスタッと伏せて見せる。
それを見た桜は、心底ガックリする。
どぉーして、飼い主である
私の言うコトを聞かないのにぃ
他人の命令に対して
こんなにきちんと従うのよぉ~
それも、どう見ても私より遥かに
年下の子達にぃ……ぐっすん…
「ふぅ~…危ない危ない……
飛び掛れたら怪我しちゃうもん
でも、素直で可愛いね真奈ちゃん」
「和兄ぃ…この2頭って…
もしかしなくても、その人の犬?
って、すごい怪我だらけじゃん」
2人の妹のそれぞれの言葉に頷きながら、和輝は今日もらった、昨日までのバイト代の中から、ツイッと1万円を出して言う。
「あぁ…野良猫と放し飼いの犬に
続けざまにぶち当たったらしい
それよりも、2頭ともかなり
毛玉とか出来ているから………
100円均一にでも行って
毛梳きに必要な道具を
買って来てくれよ
ペットコーナーにでも行けば
それなりの物が有るだろう
ああ…残った分は………
今月のお小遣いとしてやる
仲良く分けろよ」
和輝の言葉と共に差し出された1万円を受け取った優奈は、真奈を振り返る。
「わぁ~い…真奈ちゃん
あまった分は
今月のお小遣いだってぇ~
早く買いに行こうよ
うふ…何を買おうかなぁ……」
そんな優奈に対して、少しだけ達観している分、ややクールな真奈が溜め息混じりに頷く。
なまじ一卵性の双子なだけに、優奈の気持ちが手に取るように、よぉ~く理解(わか)るのだ。
「はいはい……ようするに、優奈は
あの2頭を早くいじりたいんだね」
そう言って、そのまま買い物に出かけようとする双子の妹達に、和輝はすかさず注意する。
「あ~こらこら…そこを曲がって
少し行けばすぐに家なんだから
とりあえずは、家に入って
カバン置いてから買い物に行け
その方が、ゆっくりと選べるぞ」
和輝からの言葉に、ペロッと舌を出した優奈は、隣りを歩く真奈に肩を竦めてみせる。
「怒られれちゃった…」
そんな優奈に、真奈は何時もの調子で応える。
「当たり前でしょ和兄ぃの言う通りだよ
どうせ、もうすぐそこなんだからさ
カバンを置いてから買い物行こうね
優奈だって、ゆっくりとお手入れの
道具を選びたいでしょ」
そんなクールな真奈に、優奈が頬をぷぅ~っと膨らませて言う。
「ぶぅ~…真奈ちゃんだって……
あの子達に早く触りたいでしょう
どぉ~してそんなにクールなのぉ
滅多に無いチャンスなのに………」
10
あなたにおすすめの小説
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる