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第1章 新しいバイトが………
028★桜、おねだりをしてみる
しおりを挟む和輝の言葉に、いまだに《気》の飢餓感を感じている桜は、上目使いで言う。
もし、和輝が言う気功法が
紅夜や白夜兄ぃ様と同じ
効果があるなら…欲しい
この何時までも癒えない
飢餓感は…つらいんだもん
「その…もう少し《気》が
欲しいと言ったらダメか?
その…まだ、全然《気》が
足りてないの………
紅夜も白夜兄ぃ様も………
まだ、しばらく屋敷には
帰って来れないって………
昨日電話で連絡があったの
あと2週間も、このままの
状態はきついから………」
桜からの予想外の言葉に、和輝は肩を竦める。
だぁ~……そう来るかよ
たしかに、アレだけの怪我を
1度に治癒しちまったら……
やっぱり……つらいよな
えぇい…キスだと思わなきゃ
イイんだよな
これも、気功法の訓練だと思って
やるしかないな
このままじゃ可哀想だし………
元来から人の良い和輝は、桜のお願いを聞いてやることにした。
「上手に出来るか判らないぞ
それでも良いなら………
とりあえず、やってみるけど」
和輝の了承を含んだ答えに、桜は嬉しそうに笑ってコクコクする。
「うん、とりあえずやってみてくれ
私も、この《気》の飢餓感に
さいなまれたままは………
つらいまま、紅夜や白夜兄ぃ様が
帰って来るまで過ごすのは嫌だ」
飢餓感と倦怠感が纏わり付く身体を持て余しながらも、桜は和輝に《気》をちょうだいと両手を伸ばす。
「わかった……やってみる
まずは、丹田に《気》を
集めてみよう………」
古武道で気功法を習った時の呼吸法を思い出し、腹腔の底部に意識を集中する。
すぅーっと意識が澄んでいき、身体の深い部分に小さな《光珠》が宿るのを感じた。
意識を集中すると、その《光珠》は腹腔の底部で息づくように伸縮しながら、ユルユルと螺旋を描きだす。
和輝は、その丹田に集めた《気》の《光珠》を、特殊な呼吸法で更にに練り固めていく。
あの爺さんに教わった
古武道が、こんな場面で
役に立つとはな………
充分に丹田で練成した《気》の《光珠》を、丹田から胸部に、そして喉へと押し上げて口腔へとゆっくりと移動させる。
身体の芯を通り、喉を通して口腔まで《光珠》を誘導させた和輝は、桜に声をかける。
「とりあえず《気》を練り
固めた《光珠》は出来たし
口にまで上げたけど………」
「欲しいっ」
そう言った時には、再び桜にディープキスをされていた。
本当に、これが効くかどうか
わからないけど……たぶん…
一時しのぎにはなるだろう
飢餓感そのままに、むさぼるように口付けて来る桜に、和輝は口腔に溢れる《気》の《光珠》を、桜の口腔へと軽く押し入れ、体内へと入ったら《光珠》が解けて、浸透するイメージを送る。
それが上手に出来たらしく、先刻のように桜は和輝の意識が飛ぶほどしつこく口付けて来なかった。
《気》の《光珠》を口移しすると、桜はあっさりと和輝の身体を解放した。
ある意味で、とてつもない実地訓練をするハメになった和輝は、深くこころに誓う。
もう少し忍耐力をつけよう
それから、気功法や呼吸法
もっと真面目に練習しておこう
どんな場面で、必要になるか
わからないからな
しっかし、習っておいて
良かったなぁ~古武術
マジであの爺さんに
心底感謝だなぁ
10
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