お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第2章 和輝ペットシッター?になる

053★桜は《気》の補充が必要

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 和輝は和輝で、桜の家のボディーガードや爺やが居るところで、先刻のようなコトをするのはかなりの勇気が必要だった。

 「和輝…やっぱり…《気》が
  足りない……みたいだ…

  身体が…全身が…つらい…
  力が抜ける…和輝…欲しい」

 桜からの懇願に、和輝は盛大に溜め息を吐き、2人のボディーガードと、厳格そうな爺やをチラリッと見る。

 ああ…そうか…どうして…
 こうも桜に甘いのか………
 今、理解(わか)った気がする

 俺…自分より…か弱いモノに
 弱いンだったっけ……

 だから、幼馴染みの竜姫と
 仲の良い乙姫が、何処か
 放っておけないのも………

 あのどこかズレた、天然で
 意味不明なところとかに
 弱いんだわ

 勝海の何処までも男らしい
 そのがっちりとした見掛けと
 相反した、繊細でナイーブな
 ところとか………

 極め付けは、竜也かな?
 腹ン中では、一応俺の婚約者
 ってことになっていたし………

 いや、誕生したらどっちも
 男の子っていう笑えない話しで
 お流れになったけどな

 俺と竜也は、似た者同士だし
 お互い、親父で苦労してるから
 いや、俺の方はもう過去形だけど

 思い起こすと、俺には
 そういうモノがツボらしいな

 唐突に、自分が桜のお願いに弱い理由が思い当たり、和輝は覚悟を決めて二人のボディーガードと、蓬莱家の爺やに向かって言う。

 「すみませんが…そこの
  ボディーガードのお2人と
  爺やさん、少しの間

  何も聞かずに、向こうを
  向いていてくれませんか?」

 和輝からの要請に、2人のボディーガードも爺やも、何も言わずに背を向ける。
 なぜなら、和輝にはわからないコトだが、桜の身体からは、妙な重力波のような《気》の歪みの波動がうねり出ていたのだ。
 そう《気》の枯渇による歪みの波動が………。
 爺やとボディーガートの2人は、それを少しでも改善する方法があるならばと、和輝の要請に従ったのだ。

 和輝は、爺やとボディーガードの2人が背を向けたのを確認し、桜に《気》を与える為に、丹田に《光珠》を作り出す。
 先刻作ったばかりだった為、今回は意外と簡単に《気》を練り上げるコトが出来たのだ。
 腹腔の底で《気》を凝縮させた《光珠》を、和輝はほとんど意識を喪失しかけている桜へと口付けで与える。

 やっぱり…鍛錬は必要だな
 自分の腕に抱え込んだ者を
 護りたいっていう
 
 俺の性分を考えたら………
 何時でも護りたいと思った者を
 護れるだけの力が必要だ

 あとは、癒す為の《意志力》を
 磨かないとな

 幸いなコトに、自分の持つ
 力を知るのに適した桜が
 目の前にいるんだし………

 ぅん…今回も《光珠》は
 効いたみたいだな

 心神喪失に近い状態になっていた桜が、ぱちっりと黒曜石の双眸を開くのを確認し、和輝は内心でそっと嘆息する。

 









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