お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

109★黙殺すれば無かったコト

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 ここで下手に焦ったら
 完全に、紅夜の思うツボだ
 耐えろ、和輝

 あの常識を逸した親父達の
 行動を考えれば………

 この程度のコトなんて
 どうってコトない

 どうせ、俺が発散する《気》が
 目当ての行為なんだから………
 怒るだけ馬鹿らしい

 自分に上手に言い聞かせた和輝は、紅夜が次の行動に移る前に、クギを刺す。

 「紅夜…俺は勤労学生なんだ
  仕事の邪魔はしないでくれ

  余裕の無い時に、こういう
  悪ふざけは、腹がたつからな

  ………ってコトで、妹達の
  教育上悪いからな

  朝飯は、別々にするコトにした

  つーことで、桜と紅夜の分は
  寝室のテーブルに運ぶから
  手伝えよ

  あとは、ご飯を盛るだけだ
  まぁ…気に入らなければ
  食べなくて良いぞ」

 そう冷たい口調で言いながら、和輝は炊きたてご飯を手早く切るように掻き混ぜてから、既に肉と野菜を盛り付けてある〈レイ〉と〈サラ〉の器に盛る。
 勿論、雄と雌なので、食事の量が違う為、少しだけ盛りが違う。
 そして、当然のコトとして雄の〈レイ〉の方がガタイが良い為、2割とは言わないが、全体的に量を多めにしてあるのだ。

 「よし、2頭分出来上がり
  つっても、ご飯が冷めるまで
  待てだ、良いな

  いま、野菜の煮汁と肉から出た
  肉汁も、ほかほかご飯にかけて
  やるからな………」

 2頭の朝食の用意がすんだ和輝は、今度は、桜と紅夜の朝食を手早く盛って行く。
 勿論、大量に作ったおかずの大部分は、自分達の朝食用のタッパーに詰める。
 なんと言っても、三人とも育ち盛りで伸び盛りなので、食べなければ何も始まらない。
 まして、2頭のボルゾイの面倒をみる和輝のお仕事は、なんであれ重労働と言っても良いのだから………。

 「あぁ…それからな、紅夜

  俺はボルゾイ2頭の為に
  雇われたペットシッターで
  人間専用のシェフじゃねーから
  お上品なのは出来ねぇー………

  だから、食べる食べないは
  自分で決めてくれ
  一応は、作ったからな

  ふむ、これぐらいなら良いかな?
  食べて良いぞ〈レイ〉〈サラ〉」

  優しい声で、2頭に食べる許可を出した和輝は、今度はお弁当に炊き上がったご飯を詰め込む作業に入る。
 勿論、手早く昨日作った自家製のフリカケをご飯に混ぜて、双子の妹・優奈と真奈に、桜の分は小さめのおにぎりを作った。
 そして、自分と紅夜、そして、竜也に輝虎の分は大きめに作っていた。

 そうだ、竜姫や乙姫にも
 作ってやろう

 あいつらも、ここんところ
 パンだったような気がするし

 特に、最近竜也のヤツ
 少し痩せたように見えるから
 心配だしなぁ………

 乙姫も相変わらず、天然な
 行動で、食いモンも栄養の
 バランスって言葉の無いのを
 平気で食べているしな

 竜姫が付いていても心配だぜ

 和輝は、用意した色々な形と大きさのお弁当箱に、見た目も食欲をそそるように、色取りに気を配って、テキパキと詰め込んで行く。

 「………よぉ~し、できた
  これが紅夜の分で、こっちの
  ウサギ型のお弁当は桜の分な

  勿論、この弁当は昼食用だ
  どうせ、桜も撮影に連れて
  行くんだろう、紅夜」

 そう言いながら、和輝はせわしなく動く手元を、背後に張り付きながら覗き込んでいた紅夜を振り返る。











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