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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
118★運命の神様は悪戯好き
しおりを挟むやっぱり、桜に《気》を供給
するの止めようかなぁ?
俺が桜に《気》をあげなきゃ
ならない理由なんて無いし
別に、そういう契約している
わけじゃない
それに、今は紅夜に充分に
もらっているだろう
だいいちに、そういうコトを
しているだろう寝室に行く
勇気なんて、俺には無い
1度は、桜に《気》をあげようと思ったものの、紅夜に絡まれるだろう煩わしさを思い出して、和輝はためらうが、運命はそんな和輝に優しくは無かった。
そう、そんな和輝を嘲笑うかのように、2人は寝室からリビングへと現れた。
ちなみに、うしろ向きな思考をしつつも、和輝は、これからのコトをためらいながら、それでも桜の為に、食後のプリンアラモードを用意していたりする。
そこに………。
「かずきぃ~…あっ…デザートぉぉ…
それと《気》も欲しいぃ~………」
紅夜の腕の中から嬉々とした声をあげる桜に、和輝はキッチンの中から振り返る。
「桜ぁ? 紅夜から、たっぷりと
《気》をもらったんじゃないのか?」
和輝からのもっともな言葉に、桜は首を振る。
「和輝が悪いのよ」
突然、桜からそう言われて、和輝は即座に言い返す。
「なんで、俺が悪いんだよ」
和輝のもっともな言葉に、桜はたっぷりの茶目っ気を含んだ言葉で返す。
「いくら量がたくさんあっても
紅夜のくれる《気》は
雑味が多いのよ
多種多様な人間達の《気》を
かき集めたモノだから………
調和のカケラもない
不協和音の《気》なのよ
交渉中に、直接体内に注がれるから
吸収は出来るけど
和輝のくれる《気》みたいに
美味しくないのよ
身体に甘く溶けるようにすぅー
っと、浸透する和輝の《気》と
全然ちがうのよ
だから口直しが欲しいわ
美味しい和輝の《気》が
欲しいわ
量だけあって、美味しくない
主食(紅夜が集めた雑多な《気》)
を、きちんと食べたんだから
今度は、スイーツ(高純度の《気》)の
ようなデザート(和輝が作る《光珠》)
が、欲しいのよ」
おいおい、頼むぜ…そう明け透けに
そういうコトしてるってーの言うなよ
つーか、不味いコト言ってるって
きっと、言ってる桜も、全然止めない
紅夜も理解(わか)ってないよな
どうも、特殊な一族みたいだけど
俺や妹達に、直接大きな被害なんて
無いから別に気にしないけどよぉ……
マジで、外で気を付けてるんだろうなぁ?
紅夜、気付けよ…って、無理か?
そう言いながら、紅夜の腕の中から手を伸ばす桜を見て、和輝は内心で嘆息する。 が、そんなことお構いなしの桜はちょうだいと両手をためらい無く伸ばして来る。
「昔は、雑味のある紅夜の
《気》でも平気だったのに
美味しい和輝の《気》を
知ってしまったから………
もう、知らなかった頃には
戻れないわ
だって、和輝の《気》はとても
美味しいんだもの」
そんな桜の言葉に、紅夜がニッと嗤って追い討ちを掛ける。
「責任とれよな、和輝
桜が可哀想だろう」
ったく、紅夜のヤツは悪乗りで
完全に遊んでやがるな
桜の顔色は…だいぶ良くなったけど
やっぱ、まだ必要なのかぁ………
まぁ、治癒能力暴走していたしなぁ
これは、言い返すだけ無駄だな
しゃーねぇーよな、頑張れ、俺
和輝は、絶対に状況を楽しんでする紅夜と、実際には本当に切実らしい桜を見てから、腕時計で時間を確認する。
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