お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

文字の大きさ
125 / 446
第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

124★世間の常識・非常識

しおりを挟む

和輝の言葉に、わなわなと怒りで震えていた金田は、時も場所も立場も忘れて、激高する。

 「そんなコトあるわけなかろーが
  貴様の思い込みだ

  公共機関がかかわっている
  福祉施設なら、定期的に
  補助金の監査があるんだぞ」

 さも、それがあるから安全だという副担任の金田に、和輝はこれだからという表情と、頭が固すぎて、実際のコトを言うだけ無駄かぁ?という呆れを含めたニュアンスで言い返す。
 その内心は………。

 うわぁ~もしかして…金田って
 建前で、吠えているんじゃなくて
 マジで、実態を知らないとか……
 ……ありそう………

 これだから、世間知らずの
 熱血野郎は困るんだよなぁ
 せめて、新聞読もうぜ、金田

 「そりゃそうさっ…あいつらは
  その監査と称して、目を付けた
  施設に訪問して

  物も判らない、また、判っても
  抵抗できない立場のガキを
  もてあそんでんだからな

  まっ…警察関係の上層部も
  かなぁ~り汚染されてっからな

  それで、子供の虐待があるって
  密告とかあっても無視して
  捜査とかしないんだぜ
  なぁー知ってたか?

  もし、アンタに娘とか息子が居て
  親子で、どうしようもなく一緒に
  暮らせないからって………

  そんな疑いのあるところに
  娘や息子を平気で預けるのか?
  アンタすげー神経してるよな

  表に出ていないだけで
  自殺している子だって
  結構、居るんだぜ

  アンタみたいな物知らずは
  子供持つ資格なんてねーぜ

  まっ…そんなコトを平気で
  言える考えを持っているんじゃ
  結婚だって出来ねーから
  安心かもな」

 既にこの時点で、もう内心では怒る意味も意義も失っていた和輝ではあるが、言いたいことだけ言ってから、相手すんのも馬鹿らしいと、担任の落合へと視線を向ける。
 その落合は、和輝が言っているほどヒートしていないコトを見て取った時点で、仲裁に入るなんてコトはせず、すべてスルーの方針で許可証を作成していた。
 だから、和輝の態度と発言に、グルルとばかりに機嫌が急転直下してがなった金田に、悪意を込めて嗤いながら言い放った和輝に対して、落合は何事も無いかのように、振り返って言う。

 「ほれ、神咲
  職員用の駐車場でも
  かまわないんだろう

  6番の駐車場が空いてるから
  これが、使用許可な」

 その落合の言葉に重なるように、怒気を含ませた金田は唸る。
 ちなみに、和輝を含む生徒達は、金田が結婚して子供も居るコトを知らなかったりする。
 当然のコトとして、落合は金田が結婚しているコトも、子供が居るコトも知っているし、そのあさっての方向にゆがんでいる?性格も知っているので、黙殺する。
 実際に、そういう意味では、教師をしているにもかかわらず、ある意味においては世間知らずの金田は、和輝を睨み付けて言う。

 「貴様は、大人を敬うという
  言葉を知らんようだなぁ………」

 唸るように言う金田と、一時の激情から既に冷静な状態に戻っている和輝との言いあらそいなど我関せずで、さらりとすべてを無視して、落合は時間を確認する。

 「ん…この時間なら……
  まだ、間に合うかな?

  まぁ…イイか…多少なら
  ホームルームの時間に
  遅れようと………

  授業に大きく支障がなければ
  かまわんから、指定した場所の
  駐車場に移動しておけよ」

 そう言葉を続けて、双方の機嫌など一切気にもせずに、駐車場の使用許可書を和輝に手渡す。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...