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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
124★世間の常識・非常識
しおりを挟む和輝の言葉に、わなわなと怒りで震えていた金田は、時も場所も立場も忘れて、激高する。
「そんなコトあるわけなかろーが
貴様の思い込みだ
公共機関がかかわっている
福祉施設なら、定期的に
補助金の監査があるんだぞ」
さも、それがあるから安全だという副担任の金田に、和輝はこれだからという表情と、頭が固すぎて、実際のコトを言うだけ無駄かぁ?という呆れを含めたニュアンスで言い返す。
その内心は………。
うわぁ~もしかして…金田って
建前で、吠えているんじゃなくて
マジで、実態を知らないとか……
……ありそう………
これだから、世間知らずの
熱血野郎は困るんだよなぁ
せめて、新聞読もうぜ、金田
「そりゃそうさっ…あいつらは
その監査と称して、目を付けた
施設に訪問して
物も判らない、また、判っても
抵抗できない立場のガキを
もてあそんでんだからな
まっ…警察関係の上層部も
かなぁ~り汚染されてっからな
それで、子供の虐待があるって
密告とかあっても無視して
捜査とかしないんだぜ
なぁー知ってたか?
もし、アンタに娘とか息子が居て
親子で、どうしようもなく一緒に
暮らせないからって………
そんな疑いのあるところに
娘や息子を平気で預けるのか?
アンタすげー神経してるよな
表に出ていないだけで
自殺している子だって
結構、居るんだぜ
アンタみたいな物知らずは
子供持つ資格なんてねーぜ
まっ…そんなコトを平気で
言える考えを持っているんじゃ
結婚だって出来ねーから
安心かもな」
既にこの時点で、もう内心では怒る意味も意義も失っていた和輝ではあるが、言いたいことだけ言ってから、相手すんのも馬鹿らしいと、担任の落合へと視線を向ける。
その落合は、和輝が言っているほどヒートしていないコトを見て取った時点で、仲裁に入るなんてコトはせず、すべてスルーの方針で許可証を作成していた。
だから、和輝の態度と発言に、グルルとばかりに機嫌が急転直下してがなった金田に、悪意を込めて嗤いながら言い放った和輝に対して、落合は何事も無いかのように、振り返って言う。
「ほれ、神咲
職員用の駐車場でも
かまわないんだろう
6番の駐車場が空いてるから
これが、使用許可な」
その落合の言葉に重なるように、怒気を含ませた金田は唸る。
ちなみに、和輝を含む生徒達は、金田が結婚して子供も居るコトを知らなかったりする。
当然のコトとして、落合は金田が結婚しているコトも、子供が居るコトも知っているし、そのあさっての方向にゆがんでいる?性格も知っているので、黙殺する。
実際に、そういう意味では、教師をしているにもかかわらず、ある意味においては世間知らずの金田は、和輝を睨み付けて言う。
「貴様は、大人を敬うという
言葉を知らんようだなぁ………」
唸るように言う金田と、一時の激情から既に冷静な状態に戻っている和輝との言いあらそいなど我関せずで、さらりとすべてを無視して、落合は時間を確認する。
「ん…この時間なら……
まだ、間に合うかな?
まぁ…イイか…多少なら
ホームルームの時間に
遅れようと………
授業に大きく支障がなければ
かまわんから、指定した場所の
駐車場に移動しておけよ」
そう言葉を続けて、双方の機嫌など一切気にもせずに、駐車場の使用許可書を和輝に手渡す。
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