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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
137★やっと、テリトリーから出てくれました
しおりを挟む和輝は、義務は果たしたという風体で逃げ帰った男達を見送ったあと、左右でくつろぎ始めた2頭を見ながら思う。
ふ~ん…何時もは、桜か……
当主の白夜さん、もしくは
爺やさんが立ち会うのか?
まっ…食材に変なモンを
入れられたら……
たまんねぇーもんなぁ
っても、随分とあいつら
ビクビクしてたなぁ?
こんなに〈レイ〉も〈サラ〉も
おとなしいのに?
もっとも、飼い主不在の
状態の時に………
こんだけデケー犬2頭が
放れて自由にしている
部屋に入るのは怖いのかもな
まして、自分が飼っている
わけでもないし
日常的に飼育を任されてる
犬でもねぇーんだし
毎度毎度、ああやって
牙を剥き出して低く唸られちゃ
可愛いなんて思えないのかも
知れねぇーな
さてと、ちょっとばかり予定外に
時間を食っちまったけど
やるべきことは済ませたから
高校に戻ろう
チラリッと腕時計を見てから、和輝は2頭の状態を改めて確認する。
ふむ、まだ充分、午後の
授業に間に合う時間だ
食材を納品しに来た男達が
自分達のテリトリーから出たんで
機嫌も平常に戻ったようだし
もう大丈夫だな
クッキーを食べ終わった2頭から専用の皿を回収した和輝は、改めて水場の水が入った容器を確認する。
ぅん…思ったより飲んだな……
遅くなる予定はないけど
一応満タンにしておくかな?
和輝は、新しい水を満タンまで入れて、所定位置にセットしなおしながら、昨夜桜から聞いた話しを思い出す。
そう言えば………
以前は新鮮な水が
何時でも飲めるように
専用のポンプで地下水を
汲み上げて
リビングの一角に、一定量の水を
ずっと流しっぱなしにしていた
っていってたな
でも、自動給水機を壊した
あげくに、部屋の中が
水浸しになって以来
自動給水気を使用しなく
なったって言ってたっけ
なんか、桜の………
『このバカ犬ぅぅぅ』って
叫びが聞こえそうだな
その結果が、この水入れを
固定する給水システムか
まっ…これなら…たとえ
破壊されても、部屋中が
水浸しにはほど遠いもんな
固定されたペットボトルが
壊されても、せいぜいが
半畳程度で済むもんな
っと、ヤッベー…マジで……
時間がなくなっちまう
もう1度、チラッと腕時計を見た和輝は、時間経過にギョッとする。
「マジかよ」
そう呟き、ソファーに置いた洗濯物を抱えて、昨日の夕刻に大量に作ったクッキーとドーナツの大半を握って、大慌てでペットハウスから、借りた家へと向かった。
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