お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

156★当主・白夜の父親は節操無しらしい?

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 和輝が学生カバンを置きに、背後から離れたコトを気にもせずに、爺やは先にペットハウスに入っていた。
 桜を片腕に抱いたままの和輝が到着すると、爺やが扉の鍵を開けて待っていた。
 和輝は、ありがたく思いながら、桜を腕に抱いたまま入る。
 と、三重の扉の向こう側で待ち構えていた2頭に飛びつかれるが、ステイの指示を手の一振りでピタッとお座りして、次の指示を待つ姿勢になった。

 「ヨシヨシ…良い子だ〈レイ〉
  お前も良い子だな〈サラ〉」

 そう言いながら、和輝はとりあえず2頭の頭を交互に撫でやる。
 とにかく、素直におとなしくなったコトを褒めてやってから、和輝は2頭の脇をすり抜けて、桜をソファーに座らせる。

 「ほら、桜
  機嫌はなおったか? ぅん?
  おいで〈レイ〉〈サラ〉」

 和輝に呼ばれた2頭は、嬉しそうな顔をして、テテテッと和輝と桜の足元に来る。
 手元に来た〈レイ〉の耳をいじりながら、桜はつまらなそうに言う。

 「明後日……帰国する
  予定だったのに……」

 ポツリと言う桜に、和輝は首を傾げる。

 「明後日?」

 えぇ~とぉ、帰国するのって
 2週間後じゃなかったのか?
 それとも、当主の白夜さんとは
 違う誰かのコトなのか?

 疑問顔で爺やを見ると、深く溜め息を吐いた爺やが、和輝の素朴な疑問に答える。

 「白夜様の兄君である
  蒼夜(そうや)様の
  帰国予定日がズレまして………」

 蒼夜様? ……って誰だ?
 この家の当主って、桜の兄貴の
 白夜って人だろう?

 蒼夜さんは、白夜さんの兄貴?
 なんか問題があって
 この家を継げなかったのか?

 聞いて良いコトかどうか
 判らないコトは、迂闊に
 聞かないほうが安全だよな

 困惑の表情で、不可解という顔をする和輝に、桜は端的に言う。

 「白夜兄ぃ様の父上はな
  それはそれは、とぉ~っても
  節操無しの人だったのよ

  自分から見てね
  可哀想な女と判断すると
  とにかく手を付けてしまうような

  たまに、蒼夜兄ぃ様と白夜兄ぃ様が
  しんみりとした顔で、くらぁ~く
  会話しているの………

  白夜兄ぃ様が………

 『あと何人、我々の兄弟や姉妹が
  現れるのかな?』

  って、言うとね
  蒼夜兄ぃ様が言うのよ

 『大丈夫だよ、白夜
  父上は、あの悲惨な事故で
  死亡したから

  これ以上の繁殖はないから
  もし居るとしたら………
  最低でも、10歳以上の筈だし
  逆算しても、10人は割る……
  はずだ……たぶんな』

  っと、言っているのよ

  ちなみに、蒼夜兄ぃ様は
  現在のところ一番上なので
  長兄ってコトになっているわ」

 桜からの説明に、和輝は頭を抱える。

 うわぁ~い…なんだソレ?
 マジで節操無しってやつかよ?

 でも、これ以上の繁殖は無いから
 ってのは、あんまりな言われよう
 だよなぁ……

 けど、兄弟や姉妹が、何時何処で
 増殖するか判らない立場にいる
 当事者にとっては、それが
 現実なんだろうなぁ……きっと

 ………じゃなくて………
 俺の雇い主って、いったい
 何人兄弟なんだ?

 顔を上げた和輝は、爺やにたずねる。

 「爺やさん、当主の白夜さんて
  何人兄弟の何番目なんですか?
  差し支え綯いでしたら
  教えていただけませんか?」










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