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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
166★フリスビー専用の中庭にゴー
しおりを挟む仮の自室に入った和輝は、手早く学生服を脱いで、ハンガーにかける。
そして、着ている間に付着したホコリなどを払う為に、軽く制服の全体に洋服ブラシをかけた上で、消臭除菌のスプレーを吹き付けた。
こうした、こまごまとした
手入れをするコトで
学生期間に新しい学生服を
購入しなくて済むもんな
学生服って意外と高いから
できれば、追加での買い
足しなんてしたく無いし
ぅん…これでよしっ
軽く手入れを済ませた学生服を、和輝は作り付けのクローゼットの中にしまう。
それから、和輝は2頭とフリスビーをするコトを考えて、動き易いジャージタイプの洋服に着替えた。
着替えを済ませた和輝は、桜と2頭が待つリビングへと戻った。
「またせたな
そんじゃ…中庭に行くか」
和輝は、桜に手渡していた2頭の引き綱を受け取り、そのままひょいっと桜を軽く片腕で抱き上げる。
流石に、昨日今日だからな
恋人の紅夜が帰って来た
その嬉しさから
一時的に精神が高揚して
限界以上に、身体が疲労して
いるコトを綺麗さっぱりと
忘れていたんだろうなぁ
それが、情緒不安定の主な
原因だろあなぁ………
実際、いくら《気》を入れて
生体エネルギーを補ったって
根本的に回復するにはなぁ
どうしたって、それ相応の
時間がかかるだろうからなぁ
桜自身が、自分の今の状態に
気付いているかどうかは
別としてな
今だって、かなぁ~り足元が
おぼつかない状態だもんな
まっ…だから、腕に縋り付いた
ままの状態で歩かせたんだけど
見た限りじゃ、抱き上げて
連れ歩いた方が安全そうだし
そんなコトを和輝が考えているなど露とも気付かない桜は、抱き上げられると、仔猫のように首筋に顔を埋めてスリスリする。
が、そういう意味ではかなぁ~り不感症な和輝は、一切気にしない。
「和輝って気持ち良い
抱き上げられて、こうして
張り付くとすっごく暖かい」
まるで、いまにも喉でも鳴らしそうな、うっとりとした表情で自分に懐く桜を腕に、和輝は2頭の引き綱を持って中庭の方へと向かう。
そして、平屋から出た和輝は、片腕に抱き上げた桜に問いかける。
「どっちに行けば良いんだ?」
和輝からの問いに、桜は本邸の方を指差す。
「あっちよ、和輝
〈レイ〉〈サラ〉
中庭でフリスビーよ」
桜の言葉に反応した2頭は………。
『『アフッ』』
と、嬉しそうに甘く吠えて、和輝を振り返る。
あぁ…そうだよなぁ……
こいつらの遊び場なんだから
中庭の場所を知っていて当然
だったら、こいつらに案内を
してもらえば良いんだよな
2頭の向かう先に、フリスビー
専用の中庭があるんだろう
「よしよし……良い子だな…
〈レイ〉〈サラ〉それじゃ
中庭ら向かってゴーだ」
軽い気持ちで和輝がそういうと、2頭は現在の機嫌を表すように、長いふさふさの尻尾を振りたてながら、踊るような足取りで本邸の方向に向かって歩き出す。
目指す中庭は、ちょうど本邸の屋敷に向かう方向に、和輝の借りた平屋とペットハウスの間くらいの距離の位置にあった。
ゆったりと歩いて7分そこそこである。
そして、2頭と2人が到着したのを見計らったように、中庭のライトが点灯する。
まるで真昼のような煌々としたライトが、高いフェンスに囲まれた中庭を照らし出す。
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