絶滅危惧種のパパになりました………~保護して繁殖しようと思います~

ブラックベリィ

文字の大きさ
180 / 328

0180★穏やかな時は続かない?

しおりを挟む


 〔あぁそうか だからか… 今こうなって 初めて理解わかるとは
  あの禁断の魔術書【転生術】の何処にも無かった記述
  いくら探しても存在していなかった

  転生前に保持していた記憶と《力》を有したままで
  【輪廻転生】に成功したことは書かれていても

  その後や 成長記録的なモノが存在して無かったのは
  そう言うことだったのか…………

  だから完全なる【守護者】が必要なのか………

  父上という存在のありがたみを しみじみと実感するな

  卵から孵化した後 その幼子を成人まで心身ともに健やかに
  守り育てなければならないから………

  選んだ【守護者】に その適正がなければ幼少期に
  落命するということなのだろう

  大半の いや ほとんどが満足に育たないのだろうな
  よしんば育っても 適切に育てられなければ

  記憶は良いとしても 《力》は発揮できまい それだとて
  選ばれた【守護者】が 正しき心を持つ者ならばの話しだ

  私達飛翔族が有する祈願成就の《力》を知ってしまえば
  欲に溺れるのは必定か まぁ……事実は闇の中だが……

  あぁ もう…意識が…途切れる………〕

 双眸を閉じ、自分の胸に額を無意識に擦り付けていた白夜の動きが止まり、寝息が零れだしたのを確認し、神護はマントで包む。

 「とりあえず、礫砂漠れきさばくを見ながら進むかな?歩いている間に
 何か良いモノ食材や薬草が見付かるかも知れないしな

  さて、当座の目標は、ここから出て色々な街に行き
  各地で捕まって奴隷として売られているだろう
  飛翔族を買い集めることかな? ふっ……行くか…リオウ」

 るるぅぅぅ……ぐるるるぅ……

 甘い声で鳴いて、ゆらゆらと長い尻尾を嬉しそうに振りながら、神護の隣りに寄り添い、一緒に歩き始めた。

 神護は、そこまで急ぐ気は無いので、何か自分達にとって良いモノは無いかと思いながら、周囲を見回しつつゆっくりと歩く。


 ゆっくりと歩く中で、この地域に《シュウ》の樹がたまにあるのを見て思う。

 〔自然状態でこれだけ為っているんだから、きっと栽培も簡単だろう
  ここと似たような環境の地面に刺せば、意外と高確率で発芽して
  育つんじゃないかな?〕

 そんなことをのん気に考えながら、神護はゆったりと歩いていた。
 その隣りで、同じようにゆったりと歩いていたリオウが、突然ズイッと白夜を抱っこする神護の前におどり出た。

 そして、四肢をガシッと大地に付けて、体を低くして、首筋から背中の毛をフワリと逆立てながら、警戒を含んだ低い唸り声を上げたのだった。

 ガァルルルルル……グルルルルル……

 神護は、そこまで強い気配を感じていないので、一応の警戒をしつつ、敵キャラが自分達の前に出て来るのを待った。

 ちなみに、完全に熟睡している白夜が起きる心配は無かったりする。
 何故なら、疲れきっているのも確かにあるが、もしもを考えて、例によって神護は移動に支障の無い《小結界》を張っていたから………。

 勿論、まだまだ幼体のリオウも、その《小結界》の中にしっかり入っているので、強気で唸ることが出来るのだ。






しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います

あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。 化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。 所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。 親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。 そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。 実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。 おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。 そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。 ※タイトルはそのうち変更するかもしれません※ ※お気に入り登録お願いします!※

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

処理中です...