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召喚されちゃいました

349★もしかしなくても国民管理ザルですか?

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 アラン様も陛下達も、顔を引き攣らせて黙っています。
 それって、私の想像がありうるコトだって………マジですか?

 アルファルーラ帝国のセキュリティーシステムに、大きな穴が開いていたってコトになりますよね。

 もっとも、貴族からポイッとした者達が、どうなろうと気にならないってコトですよね。

 せっかく教育して、訓練した人材なのにもったいないですよ。
 あげくが、敵対勢力に持っていかれていた可能性があるなんて………。

 「シオン
  それを防ぐ方法は
  ありますか?」

 アラン様、私は頭脳明晰じゃ無いんですよ。
 ただの女子高生予定のオタクだったんです。

 そんなコトを聞かれても困るんですけどぉ~………。
 ここは、ラノベあるあるでいきますよ。

 《魔力》で調べてみれば、と言っておきます。
 適当でも、叩き台があれば、優秀なアラン様達がなんとかするでしょう………たぶん、きっと。
 
 「え~と、たぶんですけど
  このアルファルーラ帝国まで
  やって来るんですから

  その男達は《魔力量》が
  それなりにあると思います

  平民として持っている
  《平均的な魔力量》を
  はるかに超えている人物が

  ベルトラン王国などからの
  侵入している人間達の
  可能性が濃厚です

  だから
  お茶会やパーティー等に

  出席する人間達が
  必ず通る場所に

  《魔力量》を計る魔道具を
  設置しておけば判別できる

  とは思われます」

 私の意見に、アラン様や陛下達はなるほどという顔になりました。

 フレデリカさん達や騎士様達は、どうして私がそんなに提案できるのか?という表情をしています。

 こういう提案などは、アラン様が遮音壁を張っていたので、聞いたコトが無かったんですよね。

 私のイメージは、どんな風に変わっていくんでしょうか?
 おかしな子ってなるのかな?

 でも、もうここまで話したら誤魔化せないですよね(ぐっすん)。
 アラン様、私はちょっと落ち込んでいるんです。

 それなのに、何時もの蕩けるような色気のある表情で、嬉しそうに私の顔中に口付けしないで下さい。
 
 「パーティー会場に
  魔道具を設置して
  《魔力量》を計測しよう

  どう見ても
  平民としては多過ぎた者達を
  じっくり観察すれば

  貴族や魔法使いや
  騎士としての教育や

  訓練を受けた者かを
  確認できる」

 気が済むまで私に口付けしたアラン様は、陛下達に視線を向けて真面目な顔で言いましたよ。

 ONとOFFって感じでしょうか?

 『………』

 陛下達は、うんうんと頷いています。
 私は、アラン様の言葉に捕捉説明します。

 でも、全部を細かくは言いませんよ。
 面倒くさいし、そこまで思い付かないので、後は適当に言葉を濁します。

 「はい
  貴族の子弟であるなら

  その親族がいますから
  身元の確認が出来ます

  でも、ベルトラン王国等の
  他国の場合は………」

 「そうですね
  不審人物としてマークして

  貴族達に、それらと
  接触しないように
  命令すれば良いですね」

 はぁ~アラン様ってば、私の適当濁した言葉にあっさりと答えてくれます。
 出来る男って感じが、たまりませんよ………ご馳走様です。

 「ええ、それで
  足取りを掴めば
  良いと思います

  貴族やその子供達を
  さらわれないように
  観察していれば良いと………」

 「排除は?」


 これで終わりと思っていたら、陛下に突っ込まれました(ぐっすん)。

 ここでそれなりの意見を言わないと………頑張れ私。

 灰色の脳をフル回転させるんだ。







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