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017★異世界定番の魔法は‥‥‥
しおりを挟む俺がそんなコトを考えながら、ちびちびとゼリーを飲んでいると、今度はジークさんに話し掛けられた。
「異世界転移をした
お約束の魔法を
私達も試してみないか?
この邪魔なガラス質を
排除してみないか?」
「良いですね
みんなで、このあと
試してみましょうか?」
「でも、どの魔法が
良いんでしょうね」
「ふむ、風魔法で
表面のガラス質を
削るのはどうでしょう?」
「というと‥‥‥
エアカッターかな?」
「いっそのこと
トルネードにしますか?
持ち上げて削るって
イメージで‥‥‥」
「いや、クレイランスで
土を持ち上げる
というのは?」
「ああ、ガラス質を持ち上げて
エアカッターで土と分離させ
エアウォールを変形させて
ガラス質を回収するのは
どうでしょう?」
「それって良いかも‥‥‥
ってコトで、みんなで
試してみようか?」
この場に居る人間は、基本オタクなので全員が叫ぶようにハモって言う。
『ステータスオープン』
はい、何も変化はありませんでした‥‥‥残念です。
そこで、諦めるオタクなんていませんよ。
だったらと、それぞれが、思い思いに魔法の呪文を口にします。
「クレイランス」
「エアカッター」
「トルネード」
はい、これも魔法は発動しませんでした。
全員がガックリしました‥‥‥ええ、凹みましたよ。
でも、ここで諦めるなんてありえませんね。
俺は、呪文を考え直した。
「この地に宿る
大地の精霊よ
我に助力を
代わりに
魔力を捧げます
クレイランス」
俺の言葉が終わると同時に、大地から土の槍が次々と伸び上がる。
その上に、緑のガラス質をのせて‥‥‥。
この世界の魔法は、精霊の力を借りてするモノらしい。
それには、言葉によるこの地の精霊と交信をして、言霊と想像力を添える必要があるらしい。
そこで、俺は、あるコトを試す、そうもう一度呪文を唱える。
「クレイランス」
さっきと同じように、大地から土の槍が次々と伸びてれた。
どうやら、1度、言葉によって精霊と交信し、助力を受ければ、魔法を使う人間と精霊の助力と魔力の交換の道筋が出来るようだ。
次に、俺は無詠唱で‥‥‥呪文を口にしないで心の中で唱えてみる。
すると、素直に呪文は発動し、その発動範囲は、呪文を唱えた時となんら変わりは無かった。
ここでも、ラノベの設定であるイメージ力が、キモなんだろう。
魔力を捧げると言ったが、俺には微かに身体から何かが流れたとしか感じられなかった。
これなら、何度でも出来ると思った。
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