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第2章
10話:後悔
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林田果歩side…
目を覚ますと、私は真っ白な空間に1人立っていた。
(ここどこだろ?)
そう思っていると、地面が崩れ私は真っ暗な空間へ落ちていく。その感覚は、あの時のものに似ていた。
小学一年生の頃の私には、1人だけ友達がいた。
「ねえねえ、果歩ちゃん」
「何?紗代ちゃん。」
「私、お絵本で読んだの。小さな女の子が、家までの帰り道白い線だけを踏んで歩くお話。」
私は、笑顔になる。
「へぇ、面白そうだね?」
「でしょ!だから、私たちもやろうよ!白線以外を踏んだら、落ちちゃうからね?」
「じゃあ、私は黒い部分を踏むよ。」
「もう!何で?聞いてた?黒は、暗闇なんだよ?落っこちちゃうんだよ?」
「落ちていいよ。むしろ、落ちたい。」
そう言いながら、紗代から目をそらす。すると、紗代に思いきり頬を叩かれた。
「ダメ!辛くても生きるの!必ずいい事あるから!ね?」
紗代のその言葉に私は、何度も救われた。でも、もう彼女は私の前にいない。私の前で、笑っていない。
(紗代…私、死を選んじゃった。紗代が、知ったら怒るんだろーな。)
(「逃げるな!」とか、言いそうだな。)
そう思うと、笑いがこみ上げてくる。
「紗代、貴方がいてくれて、本当に良かった。紗代は、私が生きてて良かったって思ってくれるのかな?」
しかし、死を選んだ私には、紗代に会いに行くということが出来ない。
(ああ。このまま、私死ぬのかな?先生からの気持ちも聞けずに。)
(まあ、死ぬことを選んだのは、私なんだけど。)
「なんだ。私。悔いはない。とか、言いながら、思いながら有りまくりじゃん。」
(嫌だな。死にたくない。)
「果歩。」
ふと誰かに名前を呼ばれ、振り向くと母がいた。
「…お母さん。」
「貴方なんか、産まなきゃ良かったのよ!」
母が、そんなことを言いながら私の首を絞める。
「お母さん、ごめんなさい。ごめんなさい。生きててごめんなさい。」
そう言った時、私は違和感を感じる。
(生きててって。私は、もう死んでるのに。…本当に私は、死んだの?もし、死んでなかったら?)
「お母さん、私!生きたいよ!生きたい!死にたくない!」
そう泣き叫ぶ私を見て、母は笑う。
「果歩、生きなさい?辛くても生きなさい。」
母が私の首から手をはなすと、私はもう駆け出していた、この世界の出口を探して。
────先生、会いたいよ!
目を覚ますと、私は真っ白な空間に1人立っていた。
(ここどこだろ?)
そう思っていると、地面が崩れ私は真っ暗な空間へ落ちていく。その感覚は、あの時のものに似ていた。
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「ねえねえ、果歩ちゃん」
「何?紗代ちゃん。」
「私、お絵本で読んだの。小さな女の子が、家までの帰り道白い線だけを踏んで歩くお話。」
私は、笑顔になる。
「へぇ、面白そうだね?」
「でしょ!だから、私たちもやろうよ!白線以外を踏んだら、落ちちゃうからね?」
「じゃあ、私は黒い部分を踏むよ。」
「もう!何で?聞いてた?黒は、暗闇なんだよ?落っこちちゃうんだよ?」
「落ちていいよ。むしろ、落ちたい。」
そう言いながら、紗代から目をそらす。すると、紗代に思いきり頬を叩かれた。
「ダメ!辛くても生きるの!必ずいい事あるから!ね?」
紗代のその言葉に私は、何度も救われた。でも、もう彼女は私の前にいない。私の前で、笑っていない。
(紗代…私、死を選んじゃった。紗代が、知ったら怒るんだろーな。)
(「逃げるな!」とか、言いそうだな。)
そう思うと、笑いがこみ上げてくる。
「紗代、貴方がいてくれて、本当に良かった。紗代は、私が生きてて良かったって思ってくれるのかな?」
しかし、死を選んだ私には、紗代に会いに行くということが出来ない。
(ああ。このまま、私死ぬのかな?先生からの気持ちも聞けずに。)
(まあ、死ぬことを選んだのは、私なんだけど。)
「なんだ。私。悔いはない。とか、言いながら、思いながら有りまくりじゃん。」
(嫌だな。死にたくない。)
「果歩。」
ふと誰かに名前を呼ばれ、振り向くと母がいた。
「…お母さん。」
「貴方なんか、産まなきゃ良かったのよ!」
母が、そんなことを言いながら私の首を絞める。
「お母さん、ごめんなさい。ごめんなさい。生きててごめんなさい。」
そう言った時、私は違和感を感じる。
(生きててって。私は、もう死んでるのに。…本当に私は、死んだの?もし、死んでなかったら?)
「お母さん、私!生きたいよ!生きたい!死にたくない!」
そう泣き叫ぶ私を見て、母は笑う。
「果歩、生きなさい?辛くても生きなさい。」
母が私の首から手をはなすと、私はもう駆け出していた、この世界の出口を探して。
────先生、会いたいよ!
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