先生、死に場所を探しています。

葵愛利華

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第2章

最終回:Happy End

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林田果歩side…

何処が出口が分からず、暗闇を走り回っていると、榊の声が聞こえた。何度も、何度も。そして、一筋の光が私を出口まで導く。 
「先生!会いたいよ!会いたい!」
出口に着いた瞬間、私をたくさんの光が包む。

次、私が目を開けた時には、ベットの上だった。そこには、榊の顔もあり、今にも泣きそうな顔をしている。
「せ…ん…せぇ…」
(泣かないで。)
私は、力を振り絞る。手を伸ばし、榊の頬を撫でる。
「…私、…生きて…る?」
「ああ、生きてるよ!」
「生きてて…いい…の…か…な?」
思うように動かない口を、精一杯動かす。榊は、笑顔で言う。
「ああ。お前は、生きてていいんだよ!生きててくれて、ありがとう。」
その瞬間、榊の頬を涙が伝う。
「クソッ、泣くの今かよ。かっこわりぃ…ハハッ。」
「先生、寂しかった?」
「ああ、寂しかったよ。」
「悲しかった?」
「ああ、ああ!悲しかったよ!」
「先生は、きっと私のこと、好きなんだよ。」
「ああ、俺はお前のことが好きだよ!愛してる!」
「フフッ、ありがとう。先生。」
「あらあら、私はお邪魔虫のようね。」
いつの間にか、お母さんがいた。医者らしき人とともに。
「お母さん?」
「じゃあ、私はもう行くから。」
「待ってください!」
榊が待ったをかける。
「あなたは、卑怯者だ!ちゃんと、あなたの気持ち林田に伝えてください!あなたは、彼女の親として彼女に言わなければならない!さあ!」
「…分かったわ。2人にしてもらえますか?先生。」
医者は、心配そうな顔をしたが、榊が何かを話して、頷きながら、病室を出ていく。
「…果歩。私、まだ貴方に続き言えてなかったわね。」
それを聞いて、私は母の「貴方を産んだことずっと、後悔してきた」という言葉を思い出す。
息が苦しかった。
「私、ずっと考えていた。貴方を生んだ理由。それはね、貴方を愛していたからよ。貴方を私の手で立派な子に育てたいと思っていた。生きてて、良かった!」
母は私に、初めて涙を見せ、初めて私を抱きしめてくれた。その行為の暖かさに私は、涙する。
「お母さんっ、ずっとずっと寂しかった。辛かったよぉー。」
「ごめんなさい。生きてて。生きててくれて、ありがとう!」
それが、母が私に見せた最初の本心だった。

それから、母と話し合い私は、母とまた暮らすことを決める。

「榊先生、貴方も果歩に伝えなくてはならないことがあるんじゃないんですか?」
お母さんが、そう言うと、榊は気まずそうに私に言う。
「林田…お前が高校卒業したら、俺と結婚して欲しい。」
「えっ?でも、先生には、彼女がいるんじゃ。」
「は?」
「この前の美人な人。」
「ああ、それまだ言ってなかったな。あいつは、俺の姉貴。その時、ちょっと姉貴がストーカーにつけられてるから恋人のふりしてって頼まれてたから、その…お前に言えなかった。すまん!」
「そうだったんですか。」
「ああ。なあ、真剣に俺と付き合ってくれないか?んで、結婚して欲しい。」
「いいですよ。」
「あっさりだな?」
「うん。だって、私はずっと前から悠馬のこと好きだったんだよ?」
榊は、ゆでダコのように真っ赤になる。
「先生、照れてる。可愛い!」
「うっ、うるさい!見るな!」

────神様、私は今幸せです。
────ありがとう!
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