異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第3章 思春期

第23話 久しぶりに我が家に帰ってきましたわ

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前期試験が終わり、明日からしばらく学園は長期休暇に入る。
学園の休暇期間は約2か月。
日本の学校を経験している私にとって、とても長く感じる。

休暇中も寮は開放している。
実家に帰らず学園で過ごす生徒も数多くいるためだ。
カフェテリアも規模は縮小されてはいるが、オープンしているらしい。
自炊が苦手な生徒にとって学園側の嬉しい配慮だ。

前期試験の結果は、全生徒が順位を確認できるように掲示板に貼り出されている。
順位を意識させ、切磋琢磨させようという学園側の狙いだろう。

今回の試験の順位も私が一番だ。
1点差でヘンリー殿下が2位となっている。
何と今回、カロリーヌが第3位。
猛勉強したとペロッと舌を出してアピールしていた。
カロリーヌはSクラスへの移動申請を提出したようだ。
休暇明けより、新たなクラス編成が行われる。

ただ、カロリーヌの躍進に焦りを感じたのがドリアーヌ嬢だ。

「この成り上がりの娘が、今回はどのような卑怯な手をお使いになりましたの?」
早速カロリーヌにいちゃもんをつけてきた。

「あら、私ごときにお負けになったドリアーヌ様。今回は何位でいらっしゃったの?」
カロリーヌも負けてはいない。ずいぶん彼女も強くなったもんだ。

「調子に乗るんじゃないわよ。私があなたの化けの皮を剥がしてやりますわ。」
ドリアーヌもヒートアップしてきた。

カロリーヌとドリアーヌの闘いに他の生徒たちも集まってきた。

「いいぞカロリーヌ!可憐さなら君の勝ちだ!」
「ドリアーヌ様!スカートが裏表逆ですわ!」

意外とシャイなドリアーヌ。
生徒が集まってくるにつれ言動がしどろもどろになる。

「きょ、今日のところは、このくらいにしてあげますわ。でも調子に乗らないようにしてくださいまし。」

「ドリアーヌ様、ご忠告ありがとうございます。次回の試験では本気を出してくださいませ。」
カロリーヌが最後にもう一噛み。

よろよろとふらつきながら、ドリアーヌはその場を去った。

「おおおっ、カロリーヌが勝った!」
「ドリアーヌ様、早くスカートをお履き替えになって!」

私の傍にいるからだろうか?
カロリーヌも悪役令嬢の資格十分だ。


・・・・・・・・・・


休暇中私は学園に留まらず、アンポワネット家に戻ることにした。
家族や専属メイドのマーサ、屋敷の使用人たちにも早く会いたい。
それに私の出生について、お父様たちに聞かなければならない。
私って本当にアンポワネット家の子供なの?

「メリー様、ご休学中はどうされるおつもりですか?」
カロリーヌがぴょんぴょん跳ねながら、私に寄ってくる。

「私、メリー様のお屋敷に行ってみたいですわ。」
とカロリーヌ。

「あっ、僕も行ってみたいです。」
「私も是非伺わせていただきたいですわ。」
とファビアン、ミレーヌも続く。

私の家にお友達が遊びに来るなんて殿下以来ですわね。
お知り合いになった方たちは、みんな私を恐がって距離を取っておりますのに。

「俺は休みの間は公務があるのだが、父上に言って一日くらいは空けてもらうようにしよう。」
ヘンリー殿下も来る気満々だ。
こうして休暇の3日目にいつもの面々が、アンポワネット家の屋敷に集まることになったのだ。


・・・・・・・・・・・・・


久しぶりの我が家。
なんだかんだで過ぎた5か月間の学生生活。
どっと疲れた感じがする。

屋敷に戻ると専属メイドのマーサが真っ先に飛びついてきた。

「お嬢様、お久しゅうございます。あああ、こんなにもおやつれになって…。」
学食が美味しすぎて、むしろ3キロも太ってしまったけど?

「お肌もこんなにカサカサになって…」
コラーゲン摂り過ぎてぷるっぷるですけど?

「目がうつろになっていますわ。よっぽどお辛いことがおありなんですね」
今あなたに窒息寸前まで抱きしめられているのよ!
ともかく、彼女は私の帰宅を喜んでくれているようだ。

「メリーお嬢様お帰りなさいませ。」
「今日はお嬢様の好きなミートローフを、山のように用意してございます。」
きゃーミートローフ久しぶり!
学食もいいけど、やっぱり家が一番いいわよね。

自室に戻ると、マーサは屋内用のカジュアルドレスに着替えさせてくれた。
その間、私はマーサに近況を尋ねた。

「お嬢様、アンポワネット領は大きな変化はございません。」
私の髪をとかしながらマーサは応える。

「奥方様のモリア様は、一層健康的になられました。」
それってまた太ったってことでしょ?

「お兄様のヨゼフィス様は、ウイリアム殿下の親衛隊にご選抜されたそうです。」
えっ、お兄様がウイリアム殿下に!美男が揃って王宮中がメロメロね。

「お父様のヴィクトール様は、王都でのお仕事が増えたようです。本日も王都からお帰りになっていません。」
残念。ちょろい父から色々聞こうと思ったのに。

「ねぇ、アルベルトお兄様は?もう戻られているんでしょ?」
「いえ、アルベルト様は休暇中は学園で過ごすとのことでした。なんでもお調べ物がおありのようです。」
逃げたな。あの野郎。

「そう、ありがとうマーサ。」
私が立ち上がったその時、

「3日後にウイリアム殿下もお見えになるそうです。」
えっ、みんなが集まる日にウイリアム殿下まで?
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