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第3章 思春期
第22話 ファビアンがいじめられていますわ
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学園が始まって早4か月、私はようやく学園での生活に慣れつつあった。
魔法概論のドレファス先生だけでなく、筋肉オタクの格闘術のフランク先生、引きこもり傾向のある魔道具作成のテムジン先生など個性的な先生も多い。
フランク先生は授業の度に筋肉の素晴らしさを延々と語り、引いてしまう生徒が続出。
テムジン先生に至っては、自分の研究に没頭するあまり度々授業を忘れてしまうこともある。
大丈夫か?この学園。
一番楽しいのが礼儀作法だ。
マナー講師をつとめて20年もマダム・ベルタンは、アイゼンベルグ陛下に作法も教えていたらしい。
時折話してくれる陛下のハチャメチャなエピソードで、生徒たちを爆笑の渦に巻き込んでいた。
「当時の坊ちゃ、レオナール王太子殿下は敬語を使うのが不得手で、目上の相手を度々不快にさせていらっしゃいました。
そこで、殿下がお考えになられたのが国王陛下になられること。
もちろん国王陛下になられたからって、敬語を使わなくても良いわけではございません。
それでも殿下は敬語をお使いになりたくない一心で、大層努力して周りにお認めになられました。
現アイゼンベルグ陛下は、今も敬語を使うのが苦手なのですよ。」
他に道は無かったのかしら?
それでも国王になれるアイゼンベルグ王国の将来が心配ですわ。
授業以外では、アルベルトお兄様に魔法属性について色々質問しようと声をかけるも、いずれも不発。
あの男の見事な逃げっぷりは、ここでも発揮。
ファンを味方に付けたり、病気になったりとするりとかわしてくれる。
す巻きにして、屋上から吊り下げてやりたい。
ルームメイトとも良好な関係を築いている。
マルチーニ伯爵令嬢のアリスは、まさにお嬢様という印象。
おしとやかかつ上品で、私とは正反対だ。
入学式の騒動以来私に対して恐怖感を感じていたようだが、最近私にも少しずつ心を許してくれるようになった。
学園の休みの日は、オットーが淹れてくれる紅茶を一緒に楽しむ。
「ねぇ、メリー様はどうしてこの学園に入ろうとお考えになられましたの?」
「はん、そんなの決まり切ってますわ!王立学園がこの国でトップの学校だからですわ。(魔法に興味があって、もっと深めたいと思ったの。」
「ご自分で選べられるメリー様が羨ましいですわ。私は父に強要されまして…。
この学園なら将来優秀な婿候補が現れるだろうって。」
そうなのだ、王立学園に通う男性はサラブレッドぞろい。
結婚相手を探すために入学する女子生徒も少なくないのだ。
東大卒が集まるお見合いパーティみたい。
もちろんそれだけで卒業できるほど、この学校は甘くない。
卒業するためには、やはり自己努力するしかないのだ。
私の専属執事オットーは、公私ともに活躍している。
男性の執事である彼は、通常は女子寮に入れない。
彼にが女子寮に入るのが許されている時間は、昼食後13:00~14:00までの1時間。
その間に部屋の掃除・洗濯・必要な物品の補充等をしてくれているのだ。
また、家族への連絡も彼がしてくれる。
私の書いた手紙を送ってくれたり、急ぎの時は彼が直接屋敷まで持って行ってくれる。
また、私が調べたいことを彼が代わりに調べている。
私が円滑に学園生活を送れているのも、彼のナイスフォローによるものなのだ。
私たちの友人関係も健在だ。
ヘンリー殿下、公爵令嬢のミレーヌ、男爵家三男のファビアン、子爵令嬢のカロリーヌ、そしてルームメイトのマルチーニ伯爵令嬢のアリスとはよく昼食をともにする。
そこには、身分差はない。学園の意図する階級差を超えた付き合いが出来ている。
・・・はずだった。
最近、ファビアンの生傷が絶えない。
元々大人しかったファビアンがさらにオドオドするようになったのだ。
怪我の原因を聞いても、「自分、不器用ですから」と某俳優の名言一点張り。
何かを隠していることが明らかなのだ。
こんな時に活躍するのが、私の専属執事のオットー。
彼の様子をこっそりと探ってもらった。
彼の怪我の原因はすぐに分かった。
彼のルームメイトであるサヴォワ伯爵家四男のダミアンをはじめ、伯爵家・子爵家のバカ息子たちが彼を使いパシリにしているらしい。
些細なことでイチャモンをつけ、殴る蹴るの暴行。
それが段々エスカレートしているようなのだ。
いても立ってもいられなくなった私。
ある日、オットーがいじめを受けている場にこっそり潜入しました。
「おい、オットー。俺が頼んでいたメリー嬢のスケッチ画像はどうした。」
「こんなんじゃねぇよ。もっと、俺らを見下すような目つきが描けてねえよ。」
「構図が悪りぃよ!ディテールにリアリティがねぇんだよ。」
「締め切り日を大幅に過ぎているじゃねぇか、期日を守れっていつも言ってるだろ!」
何だここは?
漫画家養成学校か?
確かにオットーは絵が上手い。
ただ、その才能をいじめのネタに使われているなんて。
しかもモデルは私?あんた一体いつ描いているのよ。
ダミアンは文句を言いながらファビアンを小突く。
他のバカ息子達も彼を取り囲みながら、ブーブー文句を言っているのだ。
どんな理由にせよ、私の友達に手を出すのは見逃せない。
私は我慢できず、彼らの前に飛び出した。
びっくりする男子生徒たち。
ファビアンも目を丸くして私を見ている。
「えっ、メリー様。ここは男子生徒寮なんですが。」
「そんなこと私に関係ないですわ。あなたたちファビアン様に何をしていらっしゃいますの?」
「い、いえ我々はファビアンの画力UPに貢献しようと。」
「『ファビアン』?」
「いえ、ファビアン様でございます。」
しどろもどろに言い訳する男子生徒たち。
ファビアンもオロオロしている。
「ファビアン様は私の大事な友人でございますわ。今後このようなことをするとどうなるかご存じ?」
オットーは手持ちの紙を読み上げ始めた。
それには彼らの両親たちの不正が書かれていたのだ。
「もしもこれ以上ファビアン様に手を出すことがあれば、どうなるかお分かりですわね?」
ガクガクブルブル。
男子生徒たちは私を見て震えあがった。
「あら、お返事が聞こえませんわよ?」
「は、はい。メリー様。」
男子生徒の背筋がピーンと伸びる。一緒にファビアンの背筋も伸びた。
「では、行ってよろしくてよ。」
「メリー様、ここは私の部屋なんですが。」
「『行って』よろしくてよ。」
「は、はい。」
ダミアン以下生徒たちは、転げるように部屋から外へと駆け出した。
部屋に残されたファビアン。
「メリー様、ありがとうございました。」
頭を下げるオットー。精一杯の笑顔を見せる。
「よろしくてよ。私の友人ならもっと堂々としてくださいませ(良かったわね。これで彼らも懲りたはずよ。)」
「はい、精進いたします。それと…お願いがあるのですが。」
オットーは急にもじもじし始めた。
「これからもメリー様を描いてもよろしいでしょうか?」
オットーは彼ら関係なく、私のことを描きたいそうだ。
ファンになったの?
ダメよ。私は誰のものでもないのよ。
「もちろんよろしくてよ。ただ、描く時は私が見てる前でしてくださいませ。」
「承知いたしました。ありがとうございます。」
この時の私は気付いていなかった。
ファビアンが私の最後の姿を描く画家になることを。
魔法概論のドレファス先生だけでなく、筋肉オタクの格闘術のフランク先生、引きこもり傾向のある魔道具作成のテムジン先生など個性的な先生も多い。
フランク先生は授業の度に筋肉の素晴らしさを延々と語り、引いてしまう生徒が続出。
テムジン先生に至っては、自分の研究に没頭するあまり度々授業を忘れてしまうこともある。
大丈夫か?この学園。
一番楽しいのが礼儀作法だ。
マナー講師をつとめて20年もマダム・ベルタンは、アイゼンベルグ陛下に作法も教えていたらしい。
時折話してくれる陛下のハチャメチャなエピソードで、生徒たちを爆笑の渦に巻き込んでいた。
「当時の坊ちゃ、レオナール王太子殿下は敬語を使うのが不得手で、目上の相手を度々不快にさせていらっしゃいました。
そこで、殿下がお考えになられたのが国王陛下になられること。
もちろん国王陛下になられたからって、敬語を使わなくても良いわけではございません。
それでも殿下は敬語をお使いになりたくない一心で、大層努力して周りにお認めになられました。
現アイゼンベルグ陛下は、今も敬語を使うのが苦手なのですよ。」
他に道は無かったのかしら?
それでも国王になれるアイゼンベルグ王国の将来が心配ですわ。
授業以外では、アルベルトお兄様に魔法属性について色々質問しようと声をかけるも、いずれも不発。
あの男の見事な逃げっぷりは、ここでも発揮。
ファンを味方に付けたり、病気になったりとするりとかわしてくれる。
す巻きにして、屋上から吊り下げてやりたい。
ルームメイトとも良好な関係を築いている。
マルチーニ伯爵令嬢のアリスは、まさにお嬢様という印象。
おしとやかかつ上品で、私とは正反対だ。
入学式の騒動以来私に対して恐怖感を感じていたようだが、最近私にも少しずつ心を許してくれるようになった。
学園の休みの日は、オットーが淹れてくれる紅茶を一緒に楽しむ。
「ねぇ、メリー様はどうしてこの学園に入ろうとお考えになられましたの?」
「はん、そんなの決まり切ってますわ!王立学園がこの国でトップの学校だからですわ。(魔法に興味があって、もっと深めたいと思ったの。」
「ご自分で選べられるメリー様が羨ましいですわ。私は父に強要されまして…。
この学園なら将来優秀な婿候補が現れるだろうって。」
そうなのだ、王立学園に通う男性はサラブレッドぞろい。
結婚相手を探すために入学する女子生徒も少なくないのだ。
東大卒が集まるお見合いパーティみたい。
もちろんそれだけで卒業できるほど、この学校は甘くない。
卒業するためには、やはり自己努力するしかないのだ。
私の専属執事オットーは、公私ともに活躍している。
男性の執事である彼は、通常は女子寮に入れない。
彼にが女子寮に入るのが許されている時間は、昼食後13:00~14:00までの1時間。
その間に部屋の掃除・洗濯・必要な物品の補充等をしてくれているのだ。
また、家族への連絡も彼がしてくれる。
私の書いた手紙を送ってくれたり、急ぎの時は彼が直接屋敷まで持って行ってくれる。
また、私が調べたいことを彼が代わりに調べている。
私が円滑に学園生活を送れているのも、彼のナイスフォローによるものなのだ。
私たちの友人関係も健在だ。
ヘンリー殿下、公爵令嬢のミレーヌ、男爵家三男のファビアン、子爵令嬢のカロリーヌ、そしてルームメイトのマルチーニ伯爵令嬢のアリスとはよく昼食をともにする。
そこには、身分差はない。学園の意図する階級差を超えた付き合いが出来ている。
・・・はずだった。
最近、ファビアンの生傷が絶えない。
元々大人しかったファビアンがさらにオドオドするようになったのだ。
怪我の原因を聞いても、「自分、不器用ですから」と某俳優の名言一点張り。
何かを隠していることが明らかなのだ。
こんな時に活躍するのが、私の専属執事のオットー。
彼の様子をこっそりと探ってもらった。
彼の怪我の原因はすぐに分かった。
彼のルームメイトであるサヴォワ伯爵家四男のダミアンをはじめ、伯爵家・子爵家のバカ息子たちが彼を使いパシリにしているらしい。
些細なことでイチャモンをつけ、殴る蹴るの暴行。
それが段々エスカレートしているようなのだ。
いても立ってもいられなくなった私。
ある日、オットーがいじめを受けている場にこっそり潜入しました。
「おい、オットー。俺が頼んでいたメリー嬢のスケッチ画像はどうした。」
「こんなんじゃねぇよ。もっと、俺らを見下すような目つきが描けてねえよ。」
「構図が悪りぃよ!ディテールにリアリティがねぇんだよ。」
「締め切り日を大幅に過ぎているじゃねぇか、期日を守れっていつも言ってるだろ!」
何だここは?
漫画家養成学校か?
確かにオットーは絵が上手い。
ただ、その才能をいじめのネタに使われているなんて。
しかもモデルは私?あんた一体いつ描いているのよ。
ダミアンは文句を言いながらファビアンを小突く。
他のバカ息子達も彼を取り囲みながら、ブーブー文句を言っているのだ。
どんな理由にせよ、私の友達に手を出すのは見逃せない。
私は我慢できず、彼らの前に飛び出した。
びっくりする男子生徒たち。
ファビアンも目を丸くして私を見ている。
「えっ、メリー様。ここは男子生徒寮なんですが。」
「そんなこと私に関係ないですわ。あなたたちファビアン様に何をしていらっしゃいますの?」
「い、いえ我々はファビアンの画力UPに貢献しようと。」
「『ファビアン』?」
「いえ、ファビアン様でございます。」
しどろもどろに言い訳する男子生徒たち。
ファビアンもオロオロしている。
「ファビアン様は私の大事な友人でございますわ。今後このようなことをするとどうなるかご存じ?」
オットーは手持ちの紙を読み上げ始めた。
それには彼らの両親たちの不正が書かれていたのだ。
「もしもこれ以上ファビアン様に手を出すことがあれば、どうなるかお分かりですわね?」
ガクガクブルブル。
男子生徒たちは私を見て震えあがった。
「あら、お返事が聞こえませんわよ?」
「は、はい。メリー様。」
男子生徒の背筋がピーンと伸びる。一緒にファビアンの背筋も伸びた。
「では、行ってよろしくてよ。」
「メリー様、ここは私の部屋なんですが。」
「『行って』よろしくてよ。」
「は、はい。」
ダミアン以下生徒たちは、転げるように部屋から外へと駆け出した。
部屋に残されたファビアン。
「メリー様、ありがとうございました。」
頭を下げるオットー。精一杯の笑顔を見せる。
「よろしくてよ。私の友人ならもっと堂々としてくださいませ(良かったわね。これで彼らも懲りたはずよ。)」
「はい、精進いたします。それと…お願いがあるのですが。」
オットーは急にもじもじし始めた。
「これからもメリー様を描いてもよろしいでしょうか?」
オットーは彼ら関係なく、私のことを描きたいそうだ。
ファンになったの?
ダメよ。私は誰のものでもないのよ。
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