異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第3章 思春期

第21話 アルベルトお兄様は何かを隠していますわ

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この学園に入って驚いたことは、一歳年上の兄アルベルトの人気ぶりだ。
病弱の貴公子の異名を持つ彼は、仮病を使い授業を単位ギリギリまでサボりまくっている。

ただ、そんな本性を知らない純粋な少女たち。
もともと顔だけは良いアルベルトお兄様。
そんな儚げな所が魅力的だという。
不治の病からも一日で治りますが、何か?

それほど授業をサボりまくっても、Sクラスをキープしているのは彼の魔力量が飛び抜けているからだろう。
学園一の闇魔法の使い手だと、1年生の私たちの耳にも入ってくるのだ。
えっ、闇魔法の適性があるって私と一緒?

そうなのだ。
私も先の魔法チェッカーで、闇魔法が飛び抜けて高かった。
お兄様も風魔法が苦手な所は私と一緒…。まさかね。

カロリーヌと校舎を歩いていると、アルベルトお兄様にばったりと出くわした。

げっ。
咄嗟に身構える私。

「メリーィィッ!」
アルベルトは私を見かけると、両手を広げて一直線に向かってきたのだ。

アルベルトがハグをしようとする力を利用して、「はぁぁぁぁあ!」と気合を入れながら投げ飛ばす。
合気道でいう呼吸投げだ。
アルベルトの体は綺麗な弧を描いて、地面に叩きつけられる。
うつ伏せになって倒れたアルベルトの背中を、私は靴のまま踏みつけた。

「お兄様、ハグはやめてくれと何度もお頼みしましたよね?」
「ハハハ、メリーにはかなわないな。」
笑顔で返すあたり、全く反省はしていないようだ。

「あっ、そう言えば私、お兄様にお聞きしたいことがございますの。」
「なんだい、メリー?でも、そろそろその足を離してくれないかな?
みんなが驚いているよ。」

そういや忘れてた。
私はアルベルトの背中から足を離した。

「実のお兄様を足蹴にしたわよ。」
「その前に投げ飛ばしましたわ。」
「アルベルト様、おいたわしや。」

聞こえるような声でひそひそ話をする女生徒たち。

「お兄様、後ほどお伺い致しますわ。」
アルベルトに一礼するカロリーヌと共に、すたこらとその場を離れ教室へと急いだ。

・・・・・・・・・・・・・

アルベルトは魔法学園以来の秀才と呼ばれ、試験では常に主席を取っている。
入学試験でも全教科満点というトップの成績で合格したようだ。
入学式では新入生代表の挨拶を任されたが、当日原因不明の頭痛・発熱に侵され入学式をボイコットした。
まあいつものことだ。

運動以外は成績が飛びぬけて良いアルベルト。
特に得意な教科が魔法実践学だ。
魔法実践学は2年生から始まるその名の通り、魔法の実践に特化した授業である。
魔法概論で学んだ魔法を実際に物や生徒同士で使用するのだ。
彼は覚えた魔法を先生をも上回る威力や精度で発揮し、学園では教えていない魔法までマスターしているという。
一度アルベルトの使った魔法の威力が強すぎて、校舎の一部を破壊してしまったらしい。
その罰として、校内のトイレ掃除を1週間の間命じられたが、結局突発性の発熱のため一度として行ったことが無かったようだ。
それで通す学園も学園ね。みんなお兄様を甘やかしすぎですわ。

さらに彼の魔法は詠唱が主流のこの世界において、どの魔法を使用するときも無詠唱で瞬時に発動する。
もちろん学園では無詠唱の方法は教えていない。
どの魔法も詠唱が必須となっている。

彼のその知識の入手先は一切不明。
時々図書館にも顔を出しているアルベルトだが、図書館にも無詠唱魔法の使用方法について書かれた書物は置かれていないようだ。
無詠唱魔法は子供の頃から使っていましたわ。私もここにくるまでは魔法はそういう物だと思っていましたのよ。

一体彼は図書室で何を調べているのだろう?
オットーを使って調査をさせたが、特に怪しいところは一切無かったようだ。
ただ、古代に失われたとされる魔法について、随分と調べているらしい。
古代のことよりも、あなたのコミュ障を治すことを調べて欲しいですわ!


・・・・・・・・・・・・

アルベルトは普段教室にいることが少ない。
授業が終わるとどこかに消えてしまうらしい。
オットーの操作力をもってしても、彼の坑道を把握するのが難しいのだ。
そのため、学園内でもオットーと出会う機会が少なく、会ってもうまくはぐらかされる。
結局学園内で闇魔法適正値が他よりも高い事実について、アルベルトに聞くことができなかった。
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