異世界初の悪役令嬢に転生しました~悪役令嬢語しか話せないなんて!どなたか正確に翻訳してくださいまし~

めしめし

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第5章 内戦編

第57話 あなたの屋敷には鏡はございませんの?

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フィッツホルムの街に通された私たちは、衛兵たちに街のはずれにある大きな屋敷に向かうと話された。
どうやらこの街の町長の家のようだ。

案内してくれる衛兵は随分話好きらしい。
聞いてもいないのに、この街の規模、人口、特色、弱点、彼の趣味、好きな音楽、狙っている女性のことなども包み隠さず教えてくれる。

オットーも面白がって街の情報を引き出し、マーサは彼や街の人の人間関係を聞き出そうとする。
おかげで町長の家に到着するまでに、私たちはすっかり情報通となっていた。
こんな守秘義務もへったくれもない男、私なら絶対雇いたくはない。


・・・・・・・・・


町長の家は、郊外にあるバカでかい屋敷だ。
門の入り口から出口まで一体どれくらい歩いただろうか?
アンポワネット家の庭も十分広かったが、町長の家程ではない。
玄関までの案内は、衛兵に代わってこの屋敷のメイドだ。
フリフリのメイド服は、ひざ丈が異様に短い。
どうやら町長はいい趣味をお持ちのようだ。

町長があなたに変なことをするようだったら、私が雇ってあげるわよ。


・・・・・・・・・・


玄関までたどり着くと、メイドはそのまま私たちを応接室へと案内した。
応接室には座り心地の良いソファー、明らかにお金のかかっていそうな調度品の数々が置かれている。
町長って儲かるのね。
私はこれから会う男に対し、一抹の不安を感じていた。


そして待つこと15分、町長が私たちの前へと現れた。
町長は頭が禿げ上がった60歳くらいの男性。
小柄な体格だが、大きなお腹が存在感を示している。
高価そうなスーツを着ているが、オーバーサイズ気味で私には少々だらしなく映る。

「これはメリーお嬢様、いやメリーとお呼びした方がよろしいでしょうか?」
町長は私を見てニヤリと笑う。
この男は駄目ね。お金を持ったからって何か勘違いしているわね。
でも私たちを連れてきて何のようかしら。

「メリー様、お気づきになられていないかもしれませんが、あなたには賞金がかかっているんです。」
は?賞金?
私ってそんなに有名になっていたの?

「あなたがお逃げになった後、ウイリアム様がおかけになりました。」
ウイリアム殿下、そんなにも私を捕らえたいようね。
ちょっと粘着質すぎるわよ。
あなたも私をウイリアム殿下に突きだそうっていうの?

「あなたの行方はずっと分からずにいました。しかし、姿を現したからには次々に追っ手が現れるでしょう。
あなたはその追っ手を振り切ることができますか?
いや、出来ないでしょう。
しかし、わたしならあなたを守ることが出来ます。」

なんだかきな臭くなってきたわね。何を言いたいか大体わかるわ。
あなた目が血走り過ぎてて怖いわよ。まずは鏡を見に行ってくださらない?

「メリー様、私のメイドにおなりなさい。
私ならあなたたちを匿ってやれる。」

おっさん、下心みえみえ。
よだれが垂れてるわよ。
オットー殺気が駄々洩れよ。
マーサ、鞭を出そうとしないで。

私の気持ちを代弁するかのように悪役令嬢語が即座に反応した。

「ホーッホッホッホッホッ、貴方ごときが私を匿う?
鏡をご覧になられたことはありませんの?全くもって身の程知らずですわね。」

私の発言に呆気にとられる町長。
私はさらにたたみかける。

「あなたこそ、領主にだまって色々ためこんでいるようね。あなたこそバレるとやばいのじゃないかしら?」

「ふ、ふふ。噂通りですね。しかし、私を敵に回していいんですか?」

「敵?貴方ごときが私の敵にすらなれると思われますの?
素晴らしい見識の持ち主ね。」

ふくよかな町長の顔がみるみる赤く染まっていく。

「ほ、ほう…この私を敵に回すとどうなるかをお分かりではないようですね。
え、衛兵!」

衛兵を呼ぼうと声を上げる町長。
応接室に飛び込んできた衛兵たちが、狙いすましたオットーの足に引っ掛かりすっ転ぶ。
転んだ衛兵たちに、マーサはスカートの中から取り出した鞭で彼らの背中を何度も打ち据えたのだ。

「げひぃ、ああ、もっと♡」

衛兵たちの気持ち悪い声が部屋中に響き渡る。
もうすでに衛兵たちは私たちと戦う気力は削がれていた。

一瞬のことに呆然とする町長。
脂ぎった顔から、大量のガマ脂が滴り落ちる。

「お嬢様、この男はどうしましょうか?」
オットーが私に意見を求める。

「この男から情報を搾り取って頂戴。彼が隠し持っている秘密もね。
あなた、それを知っているから私をここに連れてこさせたんでしょ?
私はあなたが一番怖いわ。」

オットーは私にウインクをし、マーサと共に町長を別室に連れて行った。

フーッ
私は大きくため息をついた。
アイゼンベルク領の有力者たちはここまで腐っていたのね。
これも内戦の影響なのかしら?
だとしたら何とかしないといけないわね。

私がシリアスモードに入っていると、私の足元で「げひぃ」との声が聞こえて来た。

マーサ、オットー。あなたたち衛兵を連れて行くのをお忘れよ。
衛兵たちは快感を味わいながら悶え続けていた。
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