異世界食レポ!~現地の料理店を冒険しながら紹介~

めしめし

文字の大きさ
3 / 73

プロローグ(後編)

しおりを挟む
自称神様との通話を終了した後、なんとも言えない脱力感に襲われた。

ただの生身の人間が、どうやってファンタジーの世界でお金を稼げるんだ。

僕は力なくスマホの画面を見つめた。

どうやら本当にこれしかないらしい。

スマホだけで何とかなるわけないじゃないか!



いつまでもここにいても仕方がない。

とりあえず人のいるところに行かないと。

でも、僕って怪しいよね……。

スーツにトラの仮面だよ?

ちょっと痛い阪〇ファンじゃないか。

僕なら絶対近づきたくない。



僕は再度スマホの画面に再度目を移した。

何か役立つアプリはないかな。

確か目的地はウメーディって言ってたな?

全然土地勘ないけど。どうしよう?

現実世界ならブーブルマップとか使うけど、まさか使えるわけないよね?



僕はブーブルマップのアプリを開いた。

ブーブルマップの画面がスマホに表示される。



あれ?僕の位置が示されてる?

これって使えるの?



僕はダメもとで検索に、ウメーディと入力する。

検索をかけると、僕のいるところから3㎞くらい離れた地点にウメーディとかかれたエリアアが表示されたのだ!



本当に使えるんだ。

ぼくは画面をまじまじと見つめた。



「ナビを開始しますか?」



スマホから機械音声が聞こえる。

しかもナビまでしてくれるらしい。

僕は「はい」を選択する。



すると僕の現在地から、ウメーディまでの経路が表示された。

特に入り組んだ場所ではない。今いる草原をまっすぐ歩いて行くと到着するらしい。



「徒歩で30分です」



ご丁寧にありがとう!

取りあえず、行くしかないよね。

こんな格好で街に入れてもらえるか不安だけど、ここにいても仕方がない。

僕はウメーディに向けて歩き始めた。



僕は歩きながらスマホのアプリをチェックした。

どうやら本当に転移する前から入れているスマホと変わりが無い。

ダウンロードしていたアプリもいくつか残っている。

これだけ見れば、本当に異世界にいるのか疑問に思ってしまう。

本当は日本のどこか別の地域に連れてこられただけじゃないのか。



あっ、チャットGOTまで残っている。

チャットGOTはチャットボットの1つで、AIを用いたチャットサービスの一つ。

様々な機能があると評判で、僕も導入したばかりのアプリなのだ。



僕はチャットGOTに、質問内容を入力した。



「僕がいるのは本当に異世界なの?」



・・・・・・



「虎谷満がいるのは、間違いなく異世界です」



えっ、何これ?

僕、自分の名前なんて入力してないよね?

僕は驚きながらも、再度質問内容を入力した。



「僕が本当に元の世界に戻れるか教えてください」



・・・・・・・



「虎谷満が元の世界に戻るためには、食レポを書く以外にありません」



やっぱり食レポを書かなきゃいけないんだ。



「50店舗を目安に食レポを作成してください。読者が増え、紹介店舗の人気が上がれば上がるほど早期に元の世界へ戻れるでしょう」



・・・えっ!?

それってどういうこと?



「キャァァァァ!」



突如前方から女性の悲鳴が聞こえてきた。

急いで声の方に向かってみると、少し離れたところで馬車が横転している。

あっ、馬車の周りで人が倒れている!

立っている人もいる!あっ、剣を持っているぞ。

しゃがみこんでいる女性もいる。悲鳴をあげたのは彼女だろう。

よく見てい見ると何かと戦っているようだ。

犬?狼?



どうやらあの人たちは、犬種の動物3体と戦っているようだ。

このままじゃやられてしまう。

なんとかしてあげたいけど、僕にはそんな力はない。

でもこのままっていうのも寝覚めが悪そうだ。

なんとかならないかな。



ぼくはチャットGOTに解決策を聞いてみた。



「彼らはウメーディの商人ギルドの人たちです。恩を売っておくと良いでしょう」



なんか生々しい回答が出て来たけど……本当にAI?

助けた方がいいんだよね?

でもどうやって?

僕には戦う力なんてないのだけど。



「名称ワイルドウルフ、本来は森に生息するイヌ科の魔獣で集団で狩りをすることが多いです。驚異度D~Eとなっています」



鑑定までしてくれるんだ。チャットGOTさん有能!

でもそれを知ったからって戦えるわけないじゃないか。

追い払う方法なんてるんの?



「ワイルドウルフは、突発的な出来事に弱いです。一体を倒せば逃げていく確率は83%です」



ふむふむ。ただ、どうやって戦えばええの?

僕にはどうすることもできない。



「スマホのカメラモードでワイルドウルフを画面の中に写します。スマホ画面でワイルドウルフを長押しすると、フリックができるようになります」



どういうこと!?相手を自在に操ることができるってことなの?

ものは試しだ。対峙中のワイルドウルフをスマホの画面内に入れてと。



ワイルドウルフたちは僕に気づいた様子もない。

僕はワイルドウルフをスマホ上で長押しを実施した。

すると地面からワイルドウルフの足が離れ、宙に浮かんだのだ。



本当に浮かんでる!

僕はワイルドウルフを長押ししたまま、上に向かってゆっくりと指を動かした。

僕がスマホで操作するのと同じように、ワイルドウルフも空高く浮かびあがったのだ。



突然のことで訳が分からず暴れるワイルドウルフ。

僕の指先に振動が伝わってくる。

思わずワイルドウルフから手を放してしまうと、空中に浮いていたワイルドウルフは制御が外れ、勢いよく地面に激突した。



「ワゥン」



苦し気な悲鳴を上げながらも立ち上がるワイルドウルフ。

どうやら僕に気づいたみたいだ。

3体とも僕に向かって突撃してきたのだ。



やばい、どうしよう。



思いがけない反撃に一瞬戸惑った僕だったが、僕に到達するまでには時間的に余裕があった。

僕は向かってるワイルドウルフたちの姿を全てスマホの中に収め、画面のページを代えるように、素早くフリックでワイルドウルフたちを画面外に吹き飛ばした。



見えない力で吹き飛ばされるワイルドウルフたち。

激しく地面に叩きつけられ、そのまま動かなくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

処理中です...