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第4章 7階層攻略編
第87話 飢え
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食べても食べても満たされない。
僕は飢えを癒すために手当たり次第に部屋中のものを食べ漁った。
一つの部屋を食べ尽くせば次の部屋へと、僕は次々に宝物庫を空室にしていったのだ。
ミミックに襲われようが、モンスターから飛びかかれようが知ったことではない。
僕は目の前に立ちはだかるやつは全て食べ尽くした。
部屋中に転がっている財宝や武器な食べ続け、収納できない分は異世界収納に格納した。
しかし、それでも僕の食べるスピードに【異空間収納】の要領が追い付かず、【異世界収納】のレベルも上がり続けた。
いくつめの部屋を食べ尽くした頃だろうか、【異空間収納】のレベルが限界を超え、レアスキル【ブラックホール】へと変化したのだ。。
【ブラックホール】には収納容量というものはなく、無限に収納が出来る。
しかも、攻撃の際に強力な吸引力で相手を吸い込むことができるという正真正銘のぶっ壊れスキルなのだ。
残念ながら一定のレベルが上がれば、どんな敵を倒してもスキルが獲得出来るわけではない。
僕よりも明らかに格下相手だと、スキルや経験値を得ることすらできないのだ。
空腹感の解消も敵の強さに依存する。
強い敵を食べれば、多少なりとも飢えは解消する。
良質な敵を大量に食べることが、僕の空腹感の軽減に効果的なのかもしれない。
また、空腹感が解消できるというパンドラボックスの存在も考慮しなくてはならない。
いくら僕でも、強敵と常に戦っているばかりではいられないのだ。
どこにあるのか分からないが、もしもあるならぜひとも入手したい。
7階層にあるのは間違いないとのことだから、見つからないのなら7階層の全てを食べ尽くしてしまえばいいだけだ。
おそらくいつかはヒットするだろう。
ぐぅぅぅぅぅ。
再度僕を催促する。
このままでは自分の飢えを抑えきれないと感じた僕は、7階層の激戦区に移動することを決めた。
激戦区なら新鮮な餌が沢山あるだろう。
僕の飢えを少しでも軽減できるかもしれない。
7階層は6階層からの階段を中心に東西南北に全部で8エリアに分かれている。
どのエリアでもそのエリアを統治している者は最奥部にいる。
僕らが最初に行ったエリアが北西エリアだ。
こちらの獣人たちはほぼ全滅しているため、食べる者は残されていないだろう。
リュウに敵を討ちたいが、もうこのエリアにはいないだろう。
北西部にあえて今行く必要はない。
それでは、全く逆の南東方向に向かってみよう。
ここなら良質な餌が豊富だと仮定する。
僕は進路を南東方向に設定し、移動し始めた。
7階層は単調な部屋が連なったフロアだ。
同じような造りの部屋が何千、何万と隣接している。
部屋によっては大小があるが、原則部屋の広さはさほで変わらない。
部屋の東西南北の4か所に通路があるのは基本同じだ。
そのため、常にマップを確認していないと今自分がどこにいるのか、どこに向かっているのかが分からなくなる。
目印さえない同じ部屋が連なっているので、一旦迷ってしまえばジャングルよりもたちが悪い。
進んでいくうちに、たまらなく飢えてきた。
食べ物、食べ物が欲しい…。
僕は部屋中に散らばっている宝石を飲み込んだが、まったく飢えが収まる様子がない。
ガツガツガツ
僕は手当たり次第に周りの財宝などを食べ続けたが、飢えは収まるどころか更に加速する。
誰か、僕に襲いかかってくれ。
僕は宝石をかじりながら、餌が現れるのを渇望していた。
そうだ。
【獣神の宝玉】を異空間収納から解放しよう。
レアアイテムは、持っているだけでその部分が赤く点灯する。
7階層に来た当初は、それが原因でよく襲われたのだ。
リュウに騙されて、異世界収納に収納したが、もう解放しても良いだろう。
僕は【ブラックホール】の中から獣神の宝玉を取り出し、宝箱の中に収納した。
僕の宝箱がほんのりと赤く点灯する。
これなら目立つだろう。
後は僕に襲いかかろうとする馬鹿を待つだけだ。
僕は再度、南東方向に向かって歩き始めた。
しばらくすると、冒険者風の4人組のパーティに出くわした。
彼らは動く宝箱をじっと見ている。
彼らはすぐに僕がレアアイテム持ちの宝箱だと気付いたようだ。
前触れもなく、4人とも僕に向かって襲いかかってきた。
おそらく全員が戦士タイプなのだろう。
それぞれの武器を持ち僕に向かって突進する。
ただ、あまりにも攻撃が単調で退屈すぎる。
僕は舌を伸ばし、突っ込んでくる1人の戦士の頭に巻きつけた。
グシャ。
鈍い音が響き、男の頭はあっさりと潰された。
突然倒れた仲間に、驚いた表情で振り返る3人。
動揺したのか3人とも急ブレーキをかけて、その場で立ち止まってしまった。。
(なぜ攻撃を止めたのだろう?
そのまま攻撃を仕掛けてくれれば、僕に攻撃が当たったのかもしれないのに。)
動きを止めた戦士たちは絶好のカモだ。
僕は1人の戦士の頭を目掛け、毒針を発射した。
訳も分からないうちに頭に毒針が突き刺さった戦士、大きな音を立ててその場に倒れてしまった。
2人目の戦士が倒された瞬間、残された戦士たちの反応は真逆だった。
僕に奇声をあげながら向かってくる戦士、勝てないと分かり仲間を見捨てて逃げるもう一人の戦士。
僕は早速覚えたての【岩石投げ】を使用。
僕の前に1mほどの岩石が現れる。
僕はその岩石を逃げた戦士に向かって舌で投げつけた。
逃げる戦士の目の前に、大きな音を立てて岩石が落下した。
直撃はしなかったものの、尻もちをついた戦士。
恐怖のあまり、そのまま立てなくなった。
僕が岩石を投げている間、残った戦士は曲刀で僕を斬りつけてきた。
しかし相手の攻撃が届く前に、僕の新スキル【一刀両断】を使用。
彼の右肩から左大腿部まで、彼を真っ二つにしたのだ。
残された最後の戦士は、震える足を押さえつけ、立ち上がろうとする。
しかし彼の両足は震えを増し、立ち上がることさえできなかった。
残された戦士を横目で確認しながら、僕は舌で3人の死体をかき集め、そのまま口に放り込んだ。
彼らの体は僕の舌に十分すぎる旨味を残しながら、一瞬で溶けてしまった。
足の震えが収まり立ち上がって逃げようとする戦士の足に、僕は収納アイテムメタルブーメランを投げつけた。
回転しながら目標に向かうブーメランは、戦士の右足をスパッと切り取ったのだ。
大きく弧を描きながら、投げた僕の方へ戻ってくるブーメラン。
ブーメランの鋭利な刃が、僕の射線でにうずくまっている戦士の頭に突き刺さった。
4人の戦士たちを平らげた僕だが、激しすぎる飢えはほとんど満たされていない。
僕の空腹感もそろそろ限界に近づいてきた。
僕はなんとか飢えを凌ごうと、使えそうなスキルを再度確認する。
これは使えるかも?
僕は固有スキルの1つ、【おびき寄せる】に目を付けた。
もうちんたら待ってはいられない。
この付近にいる奴、全て集まれ!
僕は【おびき寄せる】に【相互理解】を合わせた。
相互理解を使用することで、【おびき寄せる】スキルの効果が飛躍的に上昇し、範囲が広がる。
【おびき寄せる】は、相手の狩猟本能や闘争本能に訴えかけ使用者を狩りたいという強い衝動に駆られてしまう。
相互理解で強化されたスキルは、広範囲に、より強く相手に訴えかける。
しばらくすると僕がいる部屋に向かって、遠くから大きな足音が聞こえて来た。
人間、獣人、モンスター、ミミックなどさまざまな種族が1つの部屋に集結し始めたのだ。
(美味しそう、いただきます。)
ハルクがいたことで維持できていた僕の人としての感情は、飢餓と言う状況の中で崩壊しつつあった。
モンスターだけでなく、人間ですらも餌にしか見えない。
この時の僕は、本当の意味での闇落ちルートに進みつつあったのだ。
僕は飢えを癒すために手当たり次第に部屋中のものを食べ漁った。
一つの部屋を食べ尽くせば次の部屋へと、僕は次々に宝物庫を空室にしていったのだ。
ミミックに襲われようが、モンスターから飛びかかれようが知ったことではない。
僕は目の前に立ちはだかるやつは全て食べ尽くした。
部屋中に転がっている財宝や武器な食べ続け、収納できない分は異世界収納に格納した。
しかし、それでも僕の食べるスピードに【異空間収納】の要領が追い付かず、【異世界収納】のレベルも上がり続けた。
いくつめの部屋を食べ尽くした頃だろうか、【異空間収納】のレベルが限界を超え、レアスキル【ブラックホール】へと変化したのだ。。
【ブラックホール】には収納容量というものはなく、無限に収納が出来る。
しかも、攻撃の際に強力な吸引力で相手を吸い込むことができるという正真正銘のぶっ壊れスキルなのだ。
残念ながら一定のレベルが上がれば、どんな敵を倒してもスキルが獲得出来るわけではない。
僕よりも明らかに格下相手だと、スキルや経験値を得ることすらできないのだ。
空腹感の解消も敵の強さに依存する。
強い敵を食べれば、多少なりとも飢えは解消する。
良質な敵を大量に食べることが、僕の空腹感の軽減に効果的なのかもしれない。
また、空腹感が解消できるというパンドラボックスの存在も考慮しなくてはならない。
いくら僕でも、強敵と常に戦っているばかりではいられないのだ。
どこにあるのか分からないが、もしもあるならぜひとも入手したい。
7階層にあるのは間違いないとのことだから、見つからないのなら7階層の全てを食べ尽くしてしまえばいいだけだ。
おそらくいつかはヒットするだろう。
ぐぅぅぅぅぅ。
再度僕を催促する。
このままでは自分の飢えを抑えきれないと感じた僕は、7階層の激戦区に移動することを決めた。
激戦区なら新鮮な餌が沢山あるだろう。
僕の飢えを少しでも軽減できるかもしれない。
7階層は6階層からの階段を中心に東西南北に全部で8エリアに分かれている。
どのエリアでもそのエリアを統治している者は最奥部にいる。
僕らが最初に行ったエリアが北西エリアだ。
こちらの獣人たちはほぼ全滅しているため、食べる者は残されていないだろう。
リュウに敵を討ちたいが、もうこのエリアにはいないだろう。
北西部にあえて今行く必要はない。
それでは、全く逆の南東方向に向かってみよう。
ここなら良質な餌が豊富だと仮定する。
僕は進路を南東方向に設定し、移動し始めた。
7階層は単調な部屋が連なったフロアだ。
同じような造りの部屋が何千、何万と隣接している。
部屋によっては大小があるが、原則部屋の広さはさほで変わらない。
部屋の東西南北の4か所に通路があるのは基本同じだ。
そのため、常にマップを確認していないと今自分がどこにいるのか、どこに向かっているのかが分からなくなる。
目印さえない同じ部屋が連なっているので、一旦迷ってしまえばジャングルよりもたちが悪い。
進んでいくうちに、たまらなく飢えてきた。
食べ物、食べ物が欲しい…。
僕は部屋中に散らばっている宝石を飲み込んだが、まったく飢えが収まる様子がない。
ガツガツガツ
僕は手当たり次第に周りの財宝などを食べ続けたが、飢えは収まるどころか更に加速する。
誰か、僕に襲いかかってくれ。
僕は宝石をかじりながら、餌が現れるのを渇望していた。
そうだ。
【獣神の宝玉】を異空間収納から解放しよう。
レアアイテムは、持っているだけでその部分が赤く点灯する。
7階層に来た当初は、それが原因でよく襲われたのだ。
リュウに騙されて、異世界収納に収納したが、もう解放しても良いだろう。
僕は【ブラックホール】の中から獣神の宝玉を取り出し、宝箱の中に収納した。
僕の宝箱がほんのりと赤く点灯する。
これなら目立つだろう。
後は僕に襲いかかろうとする馬鹿を待つだけだ。
僕は再度、南東方向に向かって歩き始めた。
しばらくすると、冒険者風の4人組のパーティに出くわした。
彼らは動く宝箱をじっと見ている。
彼らはすぐに僕がレアアイテム持ちの宝箱だと気付いたようだ。
前触れもなく、4人とも僕に向かって襲いかかってきた。
おそらく全員が戦士タイプなのだろう。
それぞれの武器を持ち僕に向かって突進する。
ただ、あまりにも攻撃が単調で退屈すぎる。
僕は舌を伸ばし、突っ込んでくる1人の戦士の頭に巻きつけた。
グシャ。
鈍い音が響き、男の頭はあっさりと潰された。
突然倒れた仲間に、驚いた表情で振り返る3人。
動揺したのか3人とも急ブレーキをかけて、その場で立ち止まってしまった。。
(なぜ攻撃を止めたのだろう?
そのまま攻撃を仕掛けてくれれば、僕に攻撃が当たったのかもしれないのに。)
動きを止めた戦士たちは絶好のカモだ。
僕は1人の戦士の頭を目掛け、毒針を発射した。
訳も分からないうちに頭に毒針が突き刺さった戦士、大きな音を立ててその場に倒れてしまった。
2人目の戦士が倒された瞬間、残された戦士たちの反応は真逆だった。
僕に奇声をあげながら向かってくる戦士、勝てないと分かり仲間を見捨てて逃げるもう一人の戦士。
僕は早速覚えたての【岩石投げ】を使用。
僕の前に1mほどの岩石が現れる。
僕はその岩石を逃げた戦士に向かって舌で投げつけた。
逃げる戦士の目の前に、大きな音を立てて岩石が落下した。
直撃はしなかったものの、尻もちをついた戦士。
恐怖のあまり、そのまま立てなくなった。
僕が岩石を投げている間、残った戦士は曲刀で僕を斬りつけてきた。
しかし相手の攻撃が届く前に、僕の新スキル【一刀両断】を使用。
彼の右肩から左大腿部まで、彼を真っ二つにしたのだ。
残された最後の戦士は、震える足を押さえつけ、立ち上がろうとする。
しかし彼の両足は震えを増し、立ち上がることさえできなかった。
残された戦士を横目で確認しながら、僕は舌で3人の死体をかき集め、そのまま口に放り込んだ。
彼らの体は僕の舌に十分すぎる旨味を残しながら、一瞬で溶けてしまった。
足の震えが収まり立ち上がって逃げようとする戦士の足に、僕は収納アイテムメタルブーメランを投げつけた。
回転しながら目標に向かうブーメランは、戦士の右足をスパッと切り取ったのだ。
大きく弧を描きながら、投げた僕の方へ戻ってくるブーメラン。
ブーメランの鋭利な刃が、僕の射線でにうずくまっている戦士の頭に突き刺さった。
4人の戦士たちを平らげた僕だが、激しすぎる飢えはほとんど満たされていない。
僕の空腹感もそろそろ限界に近づいてきた。
僕はなんとか飢えを凌ごうと、使えそうなスキルを再度確認する。
これは使えるかも?
僕は固有スキルの1つ、【おびき寄せる】に目を付けた。
もうちんたら待ってはいられない。
この付近にいる奴、全て集まれ!
僕は【おびき寄せる】に【相互理解】を合わせた。
相互理解を使用することで、【おびき寄せる】スキルの効果が飛躍的に上昇し、範囲が広がる。
【おびき寄せる】は、相手の狩猟本能や闘争本能に訴えかけ使用者を狩りたいという強い衝動に駆られてしまう。
相互理解で強化されたスキルは、広範囲に、より強く相手に訴えかける。
しばらくすると僕がいる部屋に向かって、遠くから大きな足音が聞こえて来た。
人間、獣人、モンスター、ミミックなどさまざまな種族が1つの部屋に集結し始めたのだ。
(美味しそう、いただきます。)
ハルクがいたことで維持できていた僕の人としての感情は、飢餓と言う状況の中で崩壊しつつあった。
モンスターだけでなく、人間ですらも餌にしか見えない。
この時の僕は、本当の意味での闇落ちルートに進みつつあったのだ。
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