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智也の激情
①
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智也は溜息とともにソファに身を沈めた。
「お帰りなさい。何か食べる?美味しいサンドイッチがあるの」
ほなみは、キッチンへ小走りし、冷蔵庫を開ける。
智也は首を振り薄く笑う。
「……大丈夫だよ」
「何か飲む?」
「水を持ってきてくれ」
ほなみは冷蔵庫から水のペットボトルを出して渡した。
彼から珍しく酒の匂いがする。
「……今日は親父に飲まされたよ」
智也は水を口に含むと、こめかみを押さえ、憂いの色の浮かぶ瞳をほなみに向けた。
ーーハンサムな人だ、と夫を見て思う。
素っ気ないけれど、ほなみの意思を尊重してくれるし、真面目に仕事をし、妻である自分は、今まで経済的に苦労をした事もない。
他人からすれば『素晴らしいダンナ様』なのだろう。
(――なのに、他の人に焦がれてしまった私は、いつか地獄に堕ちるのかな……)
「そう……お父様も久しぶりに智也が帰ってきて嬉しかったのね」
「お前は」
「え?」
「お前は……どうなんだ……俺が帰ってきて……嬉しいのか」
智也は、ソファにもたれかかったまま流し目をほなみに送る。クールな表情が一瞬揺らいだように見えて、ほなみはギクリとした。
「……っ……どうしたの?なんか変だよ?相当酔ったんじゃない?大丈夫?気持ち悪くない?」
胃薬を取ろうと薬箱の中を探すと、タバコと酒の匂いが混じり合った息がほなみの耳元で吐かれた。驚き小さく声をあげると、智也の腕にきつく抱き締められる。
「……今日はもう休む」
静かな声で、彼が後ろから囁いた。
ほなみは、さりげなく手を振り解くと、智也の背広を脱がし、ハンガーにかけた。
「お風呂入るよね?」
逃げるようにバスルームまで小走りし蛇口をひねり、タオルや石鹸を用意する。
いつの間にかやってきた智也に腕をつかまれ、タオルがばさりと洗面所の床に落ちた。
智也は、ほなみを壁に押し付け、頬を乱暴に掴み唇を重ね、舌を侵入させてきた。彼の息が荒い。口の中を根こそぎ持って行こうとするかのような激しい舌の動きだ。苦しくて彼の胸を必死に押すが、更に強く身体を捕まえられてしまう。
「……や……嫌っ」
思わず叫ぶと、智也の目の色が変わった。
「……どうしたんだ?……夫の俺に抱かれるのが嫌……なのか?」
智也の目が鋭く光ったと同時に、シャツの胸元に荒々しく手を差し込まれ引き裂かれた。
「智也っ……」
戸惑いと恐怖で声が震える。
智也は、ブラジャーを性急な手付きで押し上げた。あらわになった乳房をわしづかみにすると、舌で巧みに愛撫を始める。
「ま、待って……」
ほなみは懸命に執拗な舌の責めから逃れようとした。智也の髪を掴み身を捩ると、彼の手がスカートの中へ伸び、下着の上から敏感な場所をまさぐり始めた。
「ーー!やっ……やだ……っ」
西本祐樹に愛された記憶がこの身体には残っている――
誰にも触れて欲しくないと思っていたのに、智也の舌や指の動きに甘く反応してしまっている事に、ほなみは愕然とした。
智也は、こんな風に激しく求めてきた事はなかった。
豹変した夫に恐怖を感じながら、自分の意思とは関係なく、唇から甘い声が漏れる。
「あ……あんっ……やっ」
「……ほなみ……」
今、自分を呼ぶ声は、聞いた事のない切なげなものだった。
「……帰ったばかりで疲れてるでしょ……?今日は早く眠っ……」
「眠らなくていい」
「えっ?」
彼は、ほなみの下着を一気に降ろし、ズボンのベルトをもどかしそうに音を立てて外し、上を向き大きく猛る自分を出す。妻の腰を抱き、溢れそうになっている蕾の中心に一気に突き刺した。
「あっ――!」
ほなみの息が止まり、智也の背中に爪を深く立てた。
智也は深く息を吐き、ゆっくりと動き出し、呻くようにささやいた。
「今夜は……離さない……」
「お帰りなさい。何か食べる?美味しいサンドイッチがあるの」
ほなみは、キッチンへ小走りし、冷蔵庫を開ける。
智也は首を振り薄く笑う。
「……大丈夫だよ」
「何か飲む?」
「水を持ってきてくれ」
ほなみは冷蔵庫から水のペットボトルを出して渡した。
彼から珍しく酒の匂いがする。
「……今日は親父に飲まされたよ」
智也は水を口に含むと、こめかみを押さえ、憂いの色の浮かぶ瞳をほなみに向けた。
ーーハンサムな人だ、と夫を見て思う。
素っ気ないけれど、ほなみの意思を尊重してくれるし、真面目に仕事をし、妻である自分は、今まで経済的に苦労をした事もない。
他人からすれば『素晴らしいダンナ様』なのだろう。
(――なのに、他の人に焦がれてしまった私は、いつか地獄に堕ちるのかな……)
「そう……お父様も久しぶりに智也が帰ってきて嬉しかったのね」
「お前は」
「え?」
「お前は……どうなんだ……俺が帰ってきて……嬉しいのか」
智也は、ソファにもたれかかったまま流し目をほなみに送る。クールな表情が一瞬揺らいだように見えて、ほなみはギクリとした。
「……っ……どうしたの?なんか変だよ?相当酔ったんじゃない?大丈夫?気持ち悪くない?」
胃薬を取ろうと薬箱の中を探すと、タバコと酒の匂いが混じり合った息がほなみの耳元で吐かれた。驚き小さく声をあげると、智也の腕にきつく抱き締められる。
「……今日はもう休む」
静かな声で、彼が後ろから囁いた。
ほなみは、さりげなく手を振り解くと、智也の背広を脱がし、ハンガーにかけた。
「お風呂入るよね?」
逃げるようにバスルームまで小走りし蛇口をひねり、タオルや石鹸を用意する。
いつの間にかやってきた智也に腕をつかまれ、タオルがばさりと洗面所の床に落ちた。
智也は、ほなみを壁に押し付け、頬を乱暴に掴み唇を重ね、舌を侵入させてきた。彼の息が荒い。口の中を根こそぎ持って行こうとするかのような激しい舌の動きだ。苦しくて彼の胸を必死に押すが、更に強く身体を捕まえられてしまう。
「……や……嫌っ」
思わず叫ぶと、智也の目の色が変わった。
「……どうしたんだ?……夫の俺に抱かれるのが嫌……なのか?」
智也の目が鋭く光ったと同時に、シャツの胸元に荒々しく手を差し込まれ引き裂かれた。
「智也っ……」
戸惑いと恐怖で声が震える。
智也は、ブラジャーを性急な手付きで押し上げた。あらわになった乳房をわしづかみにすると、舌で巧みに愛撫を始める。
「ま、待って……」
ほなみは懸命に執拗な舌の責めから逃れようとした。智也の髪を掴み身を捩ると、彼の手がスカートの中へ伸び、下着の上から敏感な場所をまさぐり始めた。
「ーー!やっ……やだ……っ」
西本祐樹に愛された記憶がこの身体には残っている――
誰にも触れて欲しくないと思っていたのに、智也の舌や指の動きに甘く反応してしまっている事に、ほなみは愕然とした。
智也は、こんな風に激しく求めてきた事はなかった。
豹変した夫に恐怖を感じながら、自分の意思とは関係なく、唇から甘い声が漏れる。
「あ……あんっ……やっ」
「……ほなみ……」
今、自分を呼ぶ声は、聞いた事のない切なげなものだった。
「……帰ったばかりで疲れてるでしょ……?今日は早く眠っ……」
「眠らなくていい」
「えっ?」
彼は、ほなみの下着を一気に降ろし、ズボンのベルトをもどかしそうに音を立てて外し、上を向き大きく猛る自分を出す。妻の腰を抱き、溢れそうになっている蕾の中心に一気に突き刺した。
「あっ――!」
ほなみの息が止まり、智也の背中に爪を深く立てた。
智也は深く息を吐き、ゆっくりと動き出し、呻くようにささやいた。
「今夜は……離さない……」
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