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愛しい両腕に包まれながら、ほなみは、睫毛が影を落とす、彼の眠る目元をうっとりと眺めた。
身も心も疼いていたほなみは、西君を追い掛けて千葉のラジオ局まで行き、そして彼と激しく何度も身体を確かめあった。
(いきなり来た私を怒ったりせずに、西君は受け止めてくれた……)
勿論会いたかったけれど、色々なもやついたモノを吹き飛ばしたい欲求もあったのは本当だった。
壊れてしまうかもと思う程に突かれ、掻き回され……
最高に幸福だった。
それにしても……
綾波に今度会うときにどんな風に振る舞えばよいのか。
綾波は、からかっただけだと言っていたが、ほなみは身体で感じてしまったのだ。
(――熱く狂った、彼の……)
まだ生々しくあの硬い感触が蘇る。
「やだ……っ……どうしたらいいの」
西君に抱かれたばかりなのに、綾波との事を思い出すと身体中が震えてしまう。
「……なみ……」
西君の唇が僅かに動き、ほなみの意識は目の前の愛しい人に戻される。
「ほなみ……」
むにゃむにゃ言うと、ほなみを抱き締める力を一瞬強くしたが、また規則的な寝息を立て始めた。
その胸元にそっと唇を押し付けると、ほなみは静かにベッドから降りた。
抱き合っている間に、外はすっかり暗くなっている。
(今、何時かしら。
そういえば、電話……)
ベッドの下に落ちたスマホを手に取ったほなみは瞬間凍り付いた。
ディスプレイには
『通話二十分』の文字。
通話相手は智也だった。
手が震え、スマホを落としそうになる。
(二十分もの間……
聞かれていた?
私と西君の……)
離婚を切り出すつもりではいた。
考えに考えて、それしかないと思った。
この先ずっと偽って結婚生活をするなんて無理だ。
愛しているのは間違いなく西君なのだから……
でも、こんな形で知られるなんて――
西君はスヤスヤと寝息を立てて起きそうにない。
ほなみはベッドから少し離れたソファまで移動し、電話帳から綾波の番号を押した。
ニ、三回コール後に綾波は出た。
「何だ」
その声にホッとしてしまう自分がいた。
途端に涙が溢れてくる。
「どうしよう……どうしよう……」
「どうしたんだ?」
「智也に……智也に知られ……っ」
「落ち着いて話せ」
ほなみは動転し、暫く泣いていたが、泣き止むのを綾波は電話の向こうでじっと待っていた。
ようやく何とか話せるようになり、ほなみは事情を説明した。
「そうか」
返ってきたのは、あっさりした返事だった。
「私……どうしたら」
「お前、智也と別れたくないのか」
「……そんなつもりはありません」
「別れる気持ちで居るなら、祐樹との事がバレたところで別にいいだろうよ。
いずれ分かる事だ」
「でも……」
「どのみち、新聞の写真を見られて疑われて居たんだろう?」
「……」
「まあ……確かにこういう発覚の仕方だとな……
独占欲の強い男なら発狂してもおかしくないな」
ビクン、とほなみの心臓が震えた。
「怒り狂って相手を殺すか……
お前を殺すか……
或いは監禁するか……」
「――――!」
息を呑んだのが伝わったのか、綾波は少し口調を和らげた。
「ま、それは冗談だ。
驚かせたな。悪い」
「笑えない冗談です」
ほなみは唇まで震えていた。
「ハッハッハ……だよな……祐樹は?」
「眠っています」
「それと……さっきの事……悪かったな」
綾波に言われて、胸の鼓動が違う種類のドキドキに変わると同時に、無性に腹が立った。
「綾波さんは悪い冗談ばっかりです!困ります!」
「本気だったら困らんのか」
「――!?」
ほなみは、絶句すると同時に頬がみるみる間に熱くなり朱に染まって行くのを止められない。
「……お前、祐樹にどうやって抱かれた」
「や……また……止めて下さい!」
「抱かれたんだろ?」
「や、止めて……」
「俺にあんな風にされたから……
身体が疼いて堪らなくなったのか?」
電話で話しているのに、すぐ傍で囁かれている様な錯覚をしてしまい、耳の中から何かの媚薬を流し込まれたみたいに身体が熱く火照っていた。
「そ……それは」
綾波の声はいつもと同じように聞こえるが、色々な意味でドキドキしてしまっていた。
(何故、こんな時に私は……)
ほなみは、そんな自分を恥じていた。
「お前……
今……裸か?」
からかう様に言われ誤魔化す事が出来ず、ほなみは口ごもった。
「やっ……それは」
見える筈もないのに、片手で身体を隠してしまう。
一瞬綾波が沈黙した。
「綾波……さん?」
「どれだけお前は俺を挑発する……」
「えっ……」
「電話で幸いだったな」
「それってどういう……」
「この話しは終わりだ」
「綾波さんが言ってきたんじゃないですか……」
「これ以上引っ張りたいなら、次会った時に今日の続きをするぞ」
「……それも、冗談ですか?」
ドキドキしながら、精一杯平静を装って聞くが、綾波は答えなかった。
苦しい程に、ほなみの胸と身体がざわめいた。
気まずい沈黙を破ったのは向こうだった。
「改めて聞くが、お前はどうしたい」
「……私は」
スヤスヤ眠る西君が僅かに身体を動かし、ベッドがギシリと音を立てた。
(一目で私の何もかもを拐った人。
私が一番欲しいのは……)
「智也と別れて……
西君と生きて行きたい……」
「全て話して、祐樹が心変わりしたらどうする」
「そうなら仕方ありません……
一人で生きていきます」
「……もし祐樹が心変わりしたら……」
「え?」
「何でもない」
「……」
「来週、智也と会うが、お前はビクビクするな。
普通に振る舞え」
「普通……と言われても」
「一応仕事の話しだからな。知らぬ顔をしておけ。向こうの出方を見るんだ」
「私のせいで……仕事がフイになったりしたら」
「まあ、そうなりゃ仕方ないわな。別にそうならそうで構わん。
クレッシェンドは音楽で成功すりゃいいんだ。アパレルの仕事なんて実はどっちでもいい事だ」
「でも……」
「でも、は言わなくていい」
「でも」
「また言ったか。お仕置きが必要だな」
「えっ」
「そんな情けない声を出すな。
……智也の事だが、その方面に強い弁護士を用意する。
お前は仕事する時はちゃんと切り替えろよ?
遊びじゃないからな?」
「は、はい」
「それと、明日はメンバー全員がオフだ。
少し早いが祐樹の誕生日パーティーをやるからな。
その時に、タイミングを見て話せ」
「……」
「話しやすい雰囲気に持っていってやるから、安心しろ」
「恐いです……どんな反応をされるのか」
綾波の溜息が聞こえた。
「しっかりしろ。
お前がフラフラしてたら上手く行かないぞ」
「は、はい」
「じゃあ、もう切るぞ」
「あ、あの……ありがとうございました」
「……全てお前次第だ」
綾波は口調を変えた。
「え?」
「お前の、したいようにしろ……
俺は……」
「……今なんて?」
「本当に切るぞ。
明日、この間志村さんと打ち合わせしたライブハウスで夜六時からだ。遅れるなよ」
綾波が言いかけた何かを知りたかったのに、向こうから切られてしまい、ほなみは暫く呆気に取られていた。
「もう……
綾波さんて脅かせたり……素っ気なかったり……良く分からない……」
ほなみは溜め息を吐き、スマホをバッグにしまった。
しかし、綾波の言う通りで、気持ちが決まっているなら、バレても構わない筈なのだ。
ただこの間の、人が変わった様に身体を求めてきた智也の狂った瞳を思い出すと、西君に何かするのではないか、と恐れてしまう。
智也と初めて会ってから二十年以上経つのに、彼が何を考えているのか、心の奥が未だに見えない。
「うう――ん」
西君が伸びをして、起き出した。
ほなみは考えるのを止めて、彼の隣へ行く。
「おはよう……じゃないか。
今何時?」
彼は、ほなみの頬を軽くなぜた。
「……九時、だね」
「マジで!?ゴメン!めちゃ寝てたわ!」
「良く眠ってたから……」
西君は、ほなみを上から下まで見つめ、妖しく笑った。
「まだ裸のままなの?」
「!」
「駄目じゃない……いつまでも裸で居たら……
俺に襲われるよ?」
ほなみは身体を隠そうとしたが、素早く腕を掴まれ、組み敷かれた。
「悪い子だね……俺を挑発してばかりだ」
「違……」
唇が近付いて来て、ほなみがぎゅっと目を瞑ると、おでこに軽くキスされ、そっと抱き締められた。
「ねえ、お腹すかない?」
唐突に言われて、急に空腹を意識した。
「……すいた、かも」
「御飯食べに行こうか」
「うん……」
西君はもう一度チュッと頬にキスすると、ほなみから離れて服を着始めた。
シャツを腕に通し、袖のボタンを嵌める仕草に色気を感じて、見いってしまう。
(明日、私が全てを告白したら……
受け止めてくれるのだろうか。
もし、拒絶されたら……)
「早く着ないとマジで襲うよ?」
彼が軽い口調で言ったか言わないかの瞬間、ほなみは背中にしがみついていた。
「……ほなみ?」
「ちょっとだけ……このままで居て……」
胸に廻した手を、大きな掌がギュッと掴んだ。
切なさと嬉しさと不安で胸の中がぐちゃぐちゃになる。
涙が出そうになったが、今は泣いてはいけない……
――あと五分。
あと五分の間に、強い私になろう。
『お前次第だ』
綾波の言葉が蘇る。
そう、総ては自分次第……だよね――
ほなみは、自分に言い聞かせた。
身も心も疼いていたほなみは、西君を追い掛けて千葉のラジオ局まで行き、そして彼と激しく何度も身体を確かめあった。
(いきなり来た私を怒ったりせずに、西君は受け止めてくれた……)
勿論会いたかったけれど、色々なもやついたモノを吹き飛ばしたい欲求もあったのは本当だった。
壊れてしまうかもと思う程に突かれ、掻き回され……
最高に幸福だった。
それにしても……
綾波に今度会うときにどんな風に振る舞えばよいのか。
綾波は、からかっただけだと言っていたが、ほなみは身体で感じてしまったのだ。
(――熱く狂った、彼の……)
まだ生々しくあの硬い感触が蘇る。
「やだ……っ……どうしたらいいの」
西君に抱かれたばかりなのに、綾波との事を思い出すと身体中が震えてしまう。
「……なみ……」
西君の唇が僅かに動き、ほなみの意識は目の前の愛しい人に戻される。
「ほなみ……」
むにゃむにゃ言うと、ほなみを抱き締める力を一瞬強くしたが、また規則的な寝息を立て始めた。
その胸元にそっと唇を押し付けると、ほなみは静かにベッドから降りた。
抱き合っている間に、外はすっかり暗くなっている。
(今、何時かしら。
そういえば、電話……)
ベッドの下に落ちたスマホを手に取ったほなみは瞬間凍り付いた。
ディスプレイには
『通話二十分』の文字。
通話相手は智也だった。
手が震え、スマホを落としそうになる。
(二十分もの間……
聞かれていた?
私と西君の……)
離婚を切り出すつもりではいた。
考えに考えて、それしかないと思った。
この先ずっと偽って結婚生活をするなんて無理だ。
愛しているのは間違いなく西君なのだから……
でも、こんな形で知られるなんて――
西君はスヤスヤと寝息を立てて起きそうにない。
ほなみはベッドから少し離れたソファまで移動し、電話帳から綾波の番号を押した。
ニ、三回コール後に綾波は出た。
「何だ」
その声にホッとしてしまう自分がいた。
途端に涙が溢れてくる。
「どうしよう……どうしよう……」
「どうしたんだ?」
「智也に……智也に知られ……っ」
「落ち着いて話せ」
ほなみは動転し、暫く泣いていたが、泣き止むのを綾波は電話の向こうでじっと待っていた。
ようやく何とか話せるようになり、ほなみは事情を説明した。
「そうか」
返ってきたのは、あっさりした返事だった。
「私……どうしたら」
「お前、智也と別れたくないのか」
「……そんなつもりはありません」
「別れる気持ちで居るなら、祐樹との事がバレたところで別にいいだろうよ。
いずれ分かる事だ」
「でも……」
「どのみち、新聞の写真を見られて疑われて居たんだろう?」
「……」
「まあ……確かにこういう発覚の仕方だとな……
独占欲の強い男なら発狂してもおかしくないな」
ビクン、とほなみの心臓が震えた。
「怒り狂って相手を殺すか……
お前を殺すか……
或いは監禁するか……」
「――――!」
息を呑んだのが伝わったのか、綾波は少し口調を和らげた。
「ま、それは冗談だ。
驚かせたな。悪い」
「笑えない冗談です」
ほなみは唇まで震えていた。
「ハッハッハ……だよな……祐樹は?」
「眠っています」
「それと……さっきの事……悪かったな」
綾波に言われて、胸の鼓動が違う種類のドキドキに変わると同時に、無性に腹が立った。
「綾波さんは悪い冗談ばっかりです!困ります!」
「本気だったら困らんのか」
「――!?」
ほなみは、絶句すると同時に頬がみるみる間に熱くなり朱に染まって行くのを止められない。
「……お前、祐樹にどうやって抱かれた」
「や……また……止めて下さい!」
「抱かれたんだろ?」
「や、止めて……」
「俺にあんな風にされたから……
身体が疼いて堪らなくなったのか?」
電話で話しているのに、すぐ傍で囁かれている様な錯覚をしてしまい、耳の中から何かの媚薬を流し込まれたみたいに身体が熱く火照っていた。
「そ……それは」
綾波の声はいつもと同じように聞こえるが、色々な意味でドキドキしてしまっていた。
(何故、こんな時に私は……)
ほなみは、そんな自分を恥じていた。
「お前……
今……裸か?」
からかう様に言われ誤魔化す事が出来ず、ほなみは口ごもった。
「やっ……それは」
見える筈もないのに、片手で身体を隠してしまう。
一瞬綾波が沈黙した。
「綾波……さん?」
「どれだけお前は俺を挑発する……」
「えっ……」
「電話で幸いだったな」
「それってどういう……」
「この話しは終わりだ」
「綾波さんが言ってきたんじゃないですか……」
「これ以上引っ張りたいなら、次会った時に今日の続きをするぞ」
「……それも、冗談ですか?」
ドキドキしながら、精一杯平静を装って聞くが、綾波は答えなかった。
苦しい程に、ほなみの胸と身体がざわめいた。
気まずい沈黙を破ったのは向こうだった。
「改めて聞くが、お前はどうしたい」
「……私は」
スヤスヤ眠る西君が僅かに身体を動かし、ベッドがギシリと音を立てた。
(一目で私の何もかもを拐った人。
私が一番欲しいのは……)
「智也と別れて……
西君と生きて行きたい……」
「全て話して、祐樹が心変わりしたらどうする」
「そうなら仕方ありません……
一人で生きていきます」
「……もし祐樹が心変わりしたら……」
「え?」
「何でもない」
「……」
「来週、智也と会うが、お前はビクビクするな。
普通に振る舞え」
「普通……と言われても」
「一応仕事の話しだからな。知らぬ顔をしておけ。向こうの出方を見るんだ」
「私のせいで……仕事がフイになったりしたら」
「まあ、そうなりゃ仕方ないわな。別にそうならそうで構わん。
クレッシェンドは音楽で成功すりゃいいんだ。アパレルの仕事なんて実はどっちでもいい事だ」
「でも……」
「でも、は言わなくていい」
「でも」
「また言ったか。お仕置きが必要だな」
「えっ」
「そんな情けない声を出すな。
……智也の事だが、その方面に強い弁護士を用意する。
お前は仕事する時はちゃんと切り替えろよ?
遊びじゃないからな?」
「は、はい」
「それと、明日はメンバー全員がオフだ。
少し早いが祐樹の誕生日パーティーをやるからな。
その時に、タイミングを見て話せ」
「……」
「話しやすい雰囲気に持っていってやるから、安心しろ」
「恐いです……どんな反応をされるのか」
綾波の溜息が聞こえた。
「しっかりしろ。
お前がフラフラしてたら上手く行かないぞ」
「は、はい」
「じゃあ、もう切るぞ」
「あ、あの……ありがとうございました」
「……全てお前次第だ」
綾波は口調を変えた。
「え?」
「お前の、したいようにしろ……
俺は……」
「……今なんて?」
「本当に切るぞ。
明日、この間志村さんと打ち合わせしたライブハウスで夜六時からだ。遅れるなよ」
綾波が言いかけた何かを知りたかったのに、向こうから切られてしまい、ほなみは暫く呆気に取られていた。
「もう……
綾波さんて脅かせたり……素っ気なかったり……良く分からない……」
ほなみは溜め息を吐き、スマホをバッグにしまった。
しかし、綾波の言う通りで、気持ちが決まっているなら、バレても構わない筈なのだ。
ただこの間の、人が変わった様に身体を求めてきた智也の狂った瞳を思い出すと、西君に何かするのではないか、と恐れてしまう。
智也と初めて会ってから二十年以上経つのに、彼が何を考えているのか、心の奥が未だに見えない。
「うう――ん」
西君が伸びをして、起き出した。
ほなみは考えるのを止めて、彼の隣へ行く。
「おはよう……じゃないか。
今何時?」
彼は、ほなみの頬を軽くなぜた。
「……九時、だね」
「マジで!?ゴメン!めちゃ寝てたわ!」
「良く眠ってたから……」
西君は、ほなみを上から下まで見つめ、妖しく笑った。
「まだ裸のままなの?」
「!」
「駄目じゃない……いつまでも裸で居たら……
俺に襲われるよ?」
ほなみは身体を隠そうとしたが、素早く腕を掴まれ、組み敷かれた。
「悪い子だね……俺を挑発してばかりだ」
「違……」
唇が近付いて来て、ほなみがぎゅっと目を瞑ると、おでこに軽くキスされ、そっと抱き締められた。
「ねえ、お腹すかない?」
唐突に言われて、急に空腹を意識した。
「……すいた、かも」
「御飯食べに行こうか」
「うん……」
西君はもう一度チュッと頬にキスすると、ほなみから離れて服を着始めた。
シャツを腕に通し、袖のボタンを嵌める仕草に色気を感じて、見いってしまう。
(明日、私が全てを告白したら……
受け止めてくれるのだろうか。
もし、拒絶されたら……)
「早く着ないとマジで襲うよ?」
彼が軽い口調で言ったか言わないかの瞬間、ほなみは背中にしがみついていた。
「……ほなみ?」
「ちょっとだけ……このままで居て……」
胸に廻した手を、大きな掌がギュッと掴んだ。
切なさと嬉しさと不安で胸の中がぐちゃぐちゃになる。
涙が出そうになったが、今は泣いてはいけない……
――あと五分。
あと五分の間に、強い私になろう。
『お前次第だ』
綾波の言葉が蘇る。
そう、総ては自分次第……だよね――
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