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領都フルネンディク
29 こんにちはー!赤ちゃん
しおりを挟むパウサに行って知らぬ間に行われていたテストをクリアしたら、いきなりファフニールがデレました。昨日までの無口キャラはどこ行ったのでしょう。チョロいドラゴンでチョロゴンですね? 解ります。って解るかーい! なんか色々考えてた時間を返せ。
「マリアンネ、これ旨いな、揚げたソラヌムがリコぺに合うな、でも、ほのかに香る肉のうまみがワイン酢の酸味と合っていて今まで食べたことない味だな。パンに乗っけるだけでも旨そうだな」
ファフニールは私オリジナルのカポトゥイユ(カポナータとラタトゥイユのアレンジ野菜煮込み)を満面の笑みで味わいつつ「神の舌を持つお嬢様高校生」のように正確な食レポをつぶやいています。でも食べている時以外は無口です。あれか、ギャップ萌え狙いか。
まぁ、私としても彼とは仲良くなりたかったので、大歓迎なんですがね。
そして第二の目的地冷泉調査に行きたいのですが、管理人のマルコから意外な情報が。
何でも温泉の管理をしている若い夫婦に最近子供が生まれたんだとか!
「えっ、最近って、まだ新生児なの?」
やーん、赤ちゃん見たい~触りたい~お手手ぷにぷにしたい~ミルクの匂いがする頭くんかくんかしたい~そうそう、新生児のウンチは臭くないんだよ~! 離乳食が始まると変わるんだけどね~(食事中の方すみません)
「いえ、四ケ月ぐらいだったかと……」
「首は座ったのかしら? それ以前の月齢だと奥さんに負担がかかりそうね……」
「そうですね、詳しくはエミーに確認してください、アレの姪っ子なんですよ」
「わー! そうなのね? じゃあ追加の布おむつとか食材とか温めるだけで食べられる、たんぱく質多めの料理とか、差し入れ持って行った方が良いかしら? エミーに相談してみるわね!」
「はい、よろしくお願いします」
後ろでノート兄様とドラゴン二人がびっくりしていますが、赤ちゃんと聞いたら善は急げです!
裏庭で洗濯物を干していたエミーを見つけ、小走りに駆け寄るとエミーに声を掛けます。
「エミー! 赤ちゃん、見たいの!」
「えっ! 私のですか?! 無理ですよ、お嬢様?!」
「エミーの姪御さんに赤ちゃんが生まれたってマルコから聞いたの!」
「あぁー! そうなんですよ、マルシアっていう女の子なんですよ」
「女の子なのね! 抱っこは無理だろうけど、会いたいな!」
「四ケ月ですし、クーファンが小さくなって来たのでバウンサーを借りたいと言ってたので抱っこできると思いますよ」
「首は座ったの?」
「先日会った時には大分頭を動かすようになったと言ってましたので大丈夫でないかと。お嬢様お詳しいですね?」
「親戚のお姉様に赤ちゃんが生まれて見せてもらった事があったの。まだ首が座ってなくて、ミルクの甘い匂いがして、目も見えていないのに笑っていて可愛かったのよ!」
「赤ん坊の笑顔は、疲れも取れますものねぇ~」
うっとりとするエミーと私。
「それで、何かお土産を持って行きたいのだけれど、もうそろそろ追加のおむつが必要になる頃よね? そうでなければ、授乳が大変だから、温めるだけで食べられる、たんぱく質多めの料理とかの方が良いかしら?」
「追加のおむつは妹と一緒に少しずつ縫っているんですよ。どうしても枚数が必要ですからねぇ。セレナは甘いものが食べたいって言ってました。……あ、セレナは姪の名前なんですがね、授乳期は蜂蜜を家に置いておけないですからねぇ……」
「じゃあ、日持ちするパウンドケーキなら大丈夫ね。ナッツを入れれば腹持ちも良くなるし。それとおむつ縫い手伝っていいかしら?」
「お嬢様はおむつ縫えるんですか?!」
「お裁縫の基本だからと教わりました」
「そうなんですか! 貴族の方々はそんなこともお勉強なさるのですね!」
「えへへ」
嘘です。すみません、前世の記憶です。
「じゃあ、洗濯物を干すの手伝うから早く作りましょう! それから、姪御さんの所に何時行ったらいいか確認して欲しいの」
「まぁ、ありがとうございます、助かります。すぐ手配しますね」
「赤ちゃん見る為だもの! たくさん作るわ!」
「ふふっ、ありがとうございます」
ぽんぽんのお腹とか! 柔らかいほっぺとか! ああ、楽しみです!
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