転生悪役令嬢は悪魔王子をスルーしてカフェオーナーになりたい

和気 藹

文字の大きさ
41 / 43
三十六計逃げるに如かず

40 セクハラは程々にね

しおりを挟む
 いやあ、自分の脳内で立てたフラグが来るとは思わなかったよ。脳内妄想はほどほどにしといた方がよいかもしれませんねぇ……(アニメ話を除く)

 しかし、前にどこかで聞いた、パートナーが浮気したら、男性はパートナーの女性を責め、女性は浮気相手の女性を責める。という話そのままじゃないですか。マセてるなぁ。今の子供は。(オイ)

 そういえば、私の大学時代の彼氏は二股してくれやがったのでキレイにすっぱりと切りました。他の処に目が行った時点で奴にとって私は要らない存在。私だって私を要らない人に私を押し付ける気は全くありません。だから奴はいらない。徹底的に言い訳も逆切れもすべて無視して存在しないものとしている私に友人はドン引きしていましたがねぇ。
 しばらく周りで騒いでいましたが、三ヵ月もするといなくなりました。

 それが私のフラれた話その壱。



 私が無反応なのが気に障ったのか、イサベレと呼ばれた少女がさっきより高い声で詰め寄ります。
「何なのよ! なんか言いなさいよ」
 いや、キミも含め未成年だよね? 紹介しないと口を開けないよね? 普通。
 ここは百戦錬磨のハンスに……と思い、視線を向けると、



 お腹抱えて無言で笑ってました。
 隣でおろおろする執事さん以下ここの人たち。



 ……コロス。ハンス、ア・ト・デ・コ・ロ・ス。



 ……OK、OK、状況を整理しよう。
 私はデキる女だ。

 この目の前でマナーもへったくれもなく騒いでいる女の子は自称ここの領主の婚約者。領主クラスの婚約者だとすると爵位持ちか商家のわがままお嬢様ってとこだよね?
 さっきのシモンの話では、ここの目玉生産品のシルクは順調のようだけど、隣同士のゼルニケとゾンネンベルフには何かトラブルがあるらしい。うーん、ちゃんと聞けばよかったわ。あとでシモンに謝っておきましょう。

 きっとこの子はゾンネンベルフ領主の娘で恋に恋して領主のブレフト男爵を追い回しているんだ。
 ……なんてありきたりな……作者よ、定番すぎる。安すぎる。

 こういう頭にお花が詰まっている状態の人間に正論なんて通じない。なので「子供は恥ずかしいことも素直に聞いちゃうんだよ作戦」略して「コ〇ン君は純真なのか作戦」だ! ←オイ

「お姉ちゃん、領主様の婚約者なの?」
「そうよ!」と誇らしげに成長途中の胸を張るイサベレ嬢。
「だからあなたは邪魔なのよ!」
 おう、それが言いたかったのね。では、コ〇ン君は純真なのか作戦開始です!
「じゃあ、領主様とキスとかするの?」
「えっ、急に何を? そうよ! 沢山するわよ!」
「沢山?」
「そうよ!」
「じゃあ、初めのキスってリモーネ(レモン)の味がするって本当?」
「……そうよ!」
 おお頬が赤いよ、お嬢様。ということで追撃。
「そうなんだ! お姉ちゃんすごいね!」
 リードできて(褒められて)ちょっとうれしそう。でもそれは仮初の安寧だよ?
「じゃあ、二回目はデレザ(桃)の味で三回目はセレーゼ(サクランボ)の味がするって本当?」
「…………そうよ」
「沢山しているのによく覚えてるね! あとね、お姉ちゃん教えて!」
「な、何を?!」
「赤ちゃんは神様からの頂き物って皆言うけど、今お母様のお腹に赤ちゃんが入っているの。神様はどうやって赤ちゃんをお母様のお腹に入れるの?
 皆笑って私が子供だからって教えてくれないの。婚約者のいらっしゃるお姉ちゃんなら教えてくれる?」

 背後でハンスがこらえきれずに「ぶっ!」と吹き出したので振り返ると、ローは顔を顰め眉間に深いシワが寄っているし、シモンは真っ赤になっていました。おう、皆知っているのね。
 イザベレ嬢は耳まで真っ赤です。
 こんなに男性が周りにいる状況で長くセクハラかますのも可哀そうなので、早めに「とどめ」を刺しましょうか。

 泣きそうな顔をして一歩イサベレ嬢に近づくと、イサベレ嬢は斜め下を向いたまま一歩下がります。

 おっもしれ~背後は開いたままのドアだし、このまま押し出してしまおう。

「お姉ちゃん?」一歩大きめに前に出る。。
「…………」一歩大きめ下がる。
「…………」数歩無言で前に出る。
「…………」数歩無言で下がる。
 イサベレ嬢がドアにたどり着いた時には、応接室へやの中は全員無言でした。

 皆の視線がイサベレ嬢に集まる中、涙目で私を睨んだ後、
「私は婚約者じゃないから、しらないわよ!」
 と叫んで踵を返すと、一目散に走って逃げて行きました。

 戸口にいた執事さんがあわててドアを閉め、一件落着です!

「マリアンネ様、容赦ないなぁ……」

 ハンスがぽつりとつぶやきました。


------------

更新遅れて申し訳ありません。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...