女子高生達と俺

saikororo

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二日目

♯10

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注文が届いてからも麦は相変わらずだった。

勢いと雰囲気を察して彼女が訳して、何とか会話を続けている状態。

そう言えば、と。会社の社員が言っていたのを思い出した。

若い娘さんとの文章形式でのやり取りは、自分で話題を振り続けなければ成り立たない。

社員は、よく聞く言葉のキャッチボールで例えてくれた。

投げたボールを受け止めてくれはするが、娘さんはそれを地面に置いてしまうらしい。

そうなると、キャッチボールを続ける為には、自らがボールを拾いに行くか、新たなボールを投げるしかない。

投げ返してもらえないのか?と聞けば、女の子投げでは届かない距離を保っているんだ。との返答だった。

うん。そうなんだ。へぇ。

そこで完結する会話を成り立たせるのは酷く疲れる。そう言っていた。

なら止めればいい。

その時はそう返したが、今現在、自分自身にそう言えるだろうか。

「うん!」

言葉を投げては落とされる。

だが、蒼い瞳は真っ直ぐ俺を見て離さず、次の言葉を聞きたい!そんな意欲が凄く伝わる。

どうして止める事が出来ようか。

アルバイト先が飲食店である事。二人から聞いて俺に興味を持っている事。三人の胸のサイズ。

外が暗くなり始めた。それ程の時間を掛けて、得た情報はこれだけであった。

後は彼女の時と同じで、俺自身の話が多くを占めた数時間になった。
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