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変動的不等辺三角形はじまる メグミ編
その10
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「カラオケバトルして恋がトイレにたったときにね、けいちゃんと結婚するのって訊かれたの」
「なんて答えたの」
「プロポーズされたって。それを受けたって」
──カッコカリだけどな。
「こんな家族がいても? って訊かれた」
「それで」
「気にならない、圭一郎さんにも言ったけどあたしの両親はもういないし家族ってお兄ちゃんだけなの、だから家族が増えるのは大歓迎よって……」
席に座らずずっと後ろに立って話していた美恵が、僕の首元に腕を回して後ろから抱きしめてくる。
「兄弟じゃなくて家族って考えて。圭一郎さんはあたしの家族にジェンダーレスがいたら結婚しなかったの」
「そんなことはない。美恵は美恵だ。家族にどんな人がいてもかまわない」
「あたしも。あ、でも二人の生活に支障があるときは別よ。めぐみちゃんてそういうコなの」
「そんなことはない。少々困ったヤツだが、そんなことはない」
多少ムキになって答えたせいか耳元で美恵がくすりと笑う。
「めぐみちゃんはね、そのことをけっこう気にしているみたい。このさき圭一郎さんに迷惑にかけるかもしれない、そうなったらそうなる前に縁を切るって」
「そんなこと言ってたのか」
「うん、だから今日そう言われたんだと思う」
「それなら普段からそう言ってくれれば」
「めぐみちゃんも本心は切りたくなかったんじゃないかな。だから今の自分を受け入れてほしくて甘えてたんだと思う」
「まったく……昔からアイツは甘えてくるんだよ、しょうがないブラコン野郎め」
「野郎じゃないよ、めぐみちゃん」
ブラコンは訂正しないんだな。
しかしそうか、家族というくくりならオトコでもオンナでも関係無いと考えられるな。
首にまきついた美恵の腕を握り、頭で頭を擦り寄せる。
「ありがとう美恵、少し受け入れられそうになったよ。」
「少しじゃダメ、受け入れて。仲直りしましょ、今から謝りに行こ、あたしも一緒に行くから」
「しかし」
意見を言おうとしたら美恵が背中に胸を押しつけてきた。ぽよんぽよんと幸せの感触に思わず口元が緩む。
「行くよ」
「はい」
条件反射のようにとても良い返事をした。
三十分くらい後、僕は、というか僕達はふたたび名古屋の大須へと向かっていた。
行くと決まってすぐに美恵は着替えに仕事場にこもったが、出てきた姿はタイトスカートのスーツ姿に黒縁メガネの姿だった。
「どう」
「似合ってる、なんというか教師っぽい」
「ふふ、じゃあ行きましょうか」
なぜそんな格好をしたかわからないが、とにかくまた[レディ・クイーン]にやって来たのだった。
「なんて答えたの」
「プロポーズされたって。それを受けたって」
──カッコカリだけどな。
「こんな家族がいても? って訊かれた」
「それで」
「気にならない、圭一郎さんにも言ったけどあたしの両親はもういないし家族ってお兄ちゃんだけなの、だから家族が増えるのは大歓迎よって……」
席に座らずずっと後ろに立って話していた美恵が、僕の首元に腕を回して後ろから抱きしめてくる。
「兄弟じゃなくて家族って考えて。圭一郎さんはあたしの家族にジェンダーレスがいたら結婚しなかったの」
「そんなことはない。美恵は美恵だ。家族にどんな人がいてもかまわない」
「あたしも。あ、でも二人の生活に支障があるときは別よ。めぐみちゃんてそういうコなの」
「そんなことはない。少々困ったヤツだが、そんなことはない」
多少ムキになって答えたせいか耳元で美恵がくすりと笑う。
「めぐみちゃんはね、そのことをけっこう気にしているみたい。このさき圭一郎さんに迷惑にかけるかもしれない、そうなったらそうなる前に縁を切るって」
「そんなこと言ってたのか」
「うん、だから今日そう言われたんだと思う」
「それなら普段からそう言ってくれれば」
「めぐみちゃんも本心は切りたくなかったんじゃないかな。だから今の自分を受け入れてほしくて甘えてたんだと思う」
「まったく……昔からアイツは甘えてくるんだよ、しょうがないブラコン野郎め」
「野郎じゃないよ、めぐみちゃん」
ブラコンは訂正しないんだな。
しかしそうか、家族というくくりならオトコでもオンナでも関係無いと考えられるな。
首にまきついた美恵の腕を握り、頭で頭を擦り寄せる。
「ありがとう美恵、少し受け入れられそうになったよ。」
「少しじゃダメ、受け入れて。仲直りしましょ、今から謝りに行こ、あたしも一緒に行くから」
「しかし」
意見を言おうとしたら美恵が背中に胸を押しつけてきた。ぽよんぽよんと幸せの感触に思わず口元が緩む。
「行くよ」
「はい」
条件反射のようにとても良い返事をした。
三十分くらい後、僕は、というか僕達はふたたび名古屋の大須へと向かっていた。
行くと決まってすぐに美恵は着替えに仕事場にこもったが、出てきた姿はタイトスカートのスーツ姿に黒縁メガネの姿だった。
「どう」
「似合ってる、なんというか教師っぽい」
「ふふ、じゃあ行きましょうか」
なぜそんな格好をしたかわからないが、とにかくまた[レディ・クイーン]にやって来たのだった。
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