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変動的不等辺三角形はじまる メグミ編
その13
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「メグミちゃんは自分の言いたい事はあるけど話す勇気がない。圭一郎くんは長いつきあいだから話さなくても分かると思ってる。あなた達はそのおかげですれ違いが、誤解が、わだかまりが生まれてしまったの。それが問題点よ!!」
ふたたび決めポーズで僕らを指す。
チラと見るとその光景を店内全員が黙って見はじめる。その中には朝日くんもいた。
「そしてその解決方法は……わかるわよね、メグミちゃん」
アヤカ先生と化した美恵に、後半語りかけるように話されてメグミこと恵二郎は目を潤ませている。
「さ、圭一郎くんに思いを伝えて。怖くないわよ、先生はメグミちゃんの味方なんだから」
「先生……」
なんか本当に先生と生徒みたいになってるぞ。
そして並んで座っていた恵二郎はこちらに身体を向けて正対する。
「けいちゃん、いつも迷惑かけてごめんなさい。守ってほしくて助けてほしくて追いかけ回してたのうっとおしかったよね。だからもっと強くなりたかったの、迷惑かけないように頑張ったの……」
鼻声で話す恵二郎に、こちらも正対して姿勢を正した。
「女のコの格好になって、周りに認められて、自信がついたの。でもけいちゃんは嬉しそうじゃなかった、だからもっと認められようと頑張ったの。
でね、この格好がイヤなんだと分かってから悩んだの。それにお風呂に入るときもお化粧落として裸になるとメグミじゃなくなって落ち込む自分も……自分自身にもイヤだったの」
うつむき涙をこぼす恵二郎に──本気で本当にオンナのコになりたいんだと──解ったふりではなく本当に心の底から理解した。恵二郎は、我が弟は、本当に苦しんでいたんだと。
「縁を切るなんて言ってごめんなさい。本当は切りたくない切られたくないの、でも……でも……オンナのコになるのはヤメたくないの!!」
そこまで言うと恵二郎は大声で泣き始めた。男のような唸り声で号泣する姿を見たあと、視線をアヤカ先生となった美恵にうつす。その顔は、今度は圭一郎さんの番よと言っていた。
「──恵二郎、お前の本心はわかった。だから……あらためて言おう、お前とは、弟の恵二郎とは縁を切る」
店内がざわめいた。
ここでそれかよ、という声も聴こえた。
朝日くんの顔色も変わった。
そしてアヤカ先生は──腕組みをして仁王立ちのまま動かない。──よく辛抱してくれた。
「これからはメグミとして、妹として、家族となろう」
うつむいているメグミの頭をなでて言葉を続ける。
「これからもよろしくな、メグミ」
ふたたび決めポーズで僕らを指す。
チラと見るとその光景を店内全員が黙って見はじめる。その中には朝日くんもいた。
「そしてその解決方法は……わかるわよね、メグミちゃん」
アヤカ先生と化した美恵に、後半語りかけるように話されてメグミこと恵二郎は目を潤ませている。
「さ、圭一郎くんに思いを伝えて。怖くないわよ、先生はメグミちゃんの味方なんだから」
「先生……」
なんか本当に先生と生徒みたいになってるぞ。
そして並んで座っていた恵二郎はこちらに身体を向けて正対する。
「けいちゃん、いつも迷惑かけてごめんなさい。守ってほしくて助けてほしくて追いかけ回してたのうっとおしかったよね。だからもっと強くなりたかったの、迷惑かけないように頑張ったの……」
鼻声で話す恵二郎に、こちらも正対して姿勢を正した。
「女のコの格好になって、周りに認められて、自信がついたの。でもけいちゃんは嬉しそうじゃなかった、だからもっと認められようと頑張ったの。
でね、この格好がイヤなんだと分かってから悩んだの。それにお風呂に入るときもお化粧落として裸になるとメグミじゃなくなって落ち込む自分も……自分自身にもイヤだったの」
うつむき涙をこぼす恵二郎に──本気で本当にオンナのコになりたいんだと──解ったふりではなく本当に心の底から理解した。恵二郎は、我が弟は、本当に苦しんでいたんだと。
「縁を切るなんて言ってごめんなさい。本当は切りたくない切られたくないの、でも……でも……オンナのコになるのはヤメたくないの!!」
そこまで言うと恵二郎は大声で泣き始めた。男のような唸り声で号泣する姿を見たあと、視線をアヤカ先生となった美恵にうつす。その顔は、今度は圭一郎さんの番よと言っていた。
「──恵二郎、お前の本心はわかった。だから……あらためて言おう、お前とは、弟の恵二郎とは縁を切る」
店内がざわめいた。
ここでそれかよ、という声も聴こえた。
朝日くんの顔色も変わった。
そしてアヤカ先生は──腕組みをして仁王立ちのまま動かない。──よく辛抱してくれた。
「これからはメグミとして、妹として、家族となろう」
うつむいているメグミの頭をなでて言葉を続ける。
「これからもよろしくな、メグミ」
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