36 / 43
プルートの忘れた想い
しおりを挟む
「遅い!!」
「本当だよ!!」
あたしが宇宙閻魔様とそんなやりとりをしている間に秋時とムーンは苛立ちをあらわにしていた。
「だいたい奈津も奈津なんだ。あんなやつに色目を使いやがって。」
とんだぬれぎぬだ。
あたしは色目なんか使っていない。
「そうだよね。アース様はちょっと無防備過ぎるよ。」
これまた誤解である。
いきなり連れて来られたんだから、防御の仕様もない。
あたしが秋時とムーンの会話を聞いていたら多分そう言うだろう。
しかし、あたしのいないところでの会話なので、弁解の仕様もない。
「プルート様?どうしたんですか?!」
秋時とムーンが苛立っていると、プルートに変化があった。
「え?」
プルートは気づいていない。
自分が泣いていることに。
「あら、、、?どうしたのかしら、わたくし。なんだか泣けてくる、、、」
そう言ってプルートはその場にしゃがみ込んだ。
*
「プルート様、、、?」
はじめにプルートの異変に気付いたウラヌスは、プルートを支え起こした。
シーズン銀河のサマーやウィンターやスプリングはもちろん、オータムである秋時は知らないであろうが、太陽系銀河のみんなはすごく驚いたようだった。
なぜならこんなプルートを見るの初めてだったからだ。
いつも冷静で感情を表に出さないプルート。
それが今、泣いている。
みんなは驚くばかりで、声をかけたウラヌスでさえ、プルートの様子を見てただただ慌てるばかりだった。
「ごめんなさいね。なんだか調子が悪いの。少し頭を冷やして来てもいいかしら?」
プルートは必死に涙をぬぐいながら言った。
「それは構わないですが、お一人で大丈夫ですか?」
ウラヌスの声が震えている。
太陽系銀河のみんなは不安そうにプルートを見ている。
プルートは太陽系銀河の柱。
いつも困った時に助言をくれるプルートはみんなの心の支えなのだ。
それを痛感する出来事だった。
*
「とにかく1人になりたいのです。しばらくこの場を離れますね?」
必死に涙をこらえ、プルートはその場を離れた。
どうしたのでしょう?
宇宙閻魔様を見た時のあの衝撃。
わたくしは何か大切なことを忘れている。
あの懐かしいような、いたずらっぽい笑顔。
あたしは知っている?
でも。
宇宙閻魔様に会うのは初めてのはずだ。
じゃあ、この涙はなんなのだろう?
大切な思い出。
そういえばあたしは宇宙閻魔様のことを前プルートに聞いたのだ。
でも前プルートがどんな顔だったのか、モヤがかかっていて思い出せない。
それに何故前プルートは宇宙閻魔様のことを知っていたのでしょうか?
わたくしはみんなの支えとならねばならないのに。
でも、そう教えてくれたのも、前プルート?
じゃあ何故顔が思い出せないのでしょう?
それにもっと大切なことを約束したような、、、?
涙が出て止まらない。
プルートは必死になって涙をぬぐうが、後から後から涙は流れるのだった。
*
プルートにそんなことが起きていることなど、あたしは知るよしもない。
「ちょ、近いわよ!」
宇宙閻魔にあたしは怒鳴った。
「だいたいね、女々しいのよ。好きなら好き、会えて嬉しいなら、プルートにそう言えばいいじゃない!」
そのあたしの言葉に、宇宙閻魔は顔を真っ赤にして言った。
「や、やっぱり聞いてなかったな?プルートが俺のことを好きなんだよ!会えて嬉しいのもプルートだからな!」
いい加減やめて欲しい。
この堂々巡り。
「男ならねー、女々しいこと言わずに素直になりなさいよ!やっと会えたんでしょ?」
宇宙閻魔は口をパクパクさせている。
言い返す言葉が見つからないのだろう。
「後悔しても知らないから!とにかくあたしをみんなのところに戻してよ!あたしたちは、あなたに教えてもらいたい事があるのよ!」
全く、サターンと美鈴さんのこと、本当にコイツに聞いて解決するのだろうか?
あたしは少し不安になった。
「本当だよ!!」
あたしが宇宙閻魔様とそんなやりとりをしている間に秋時とムーンは苛立ちをあらわにしていた。
「だいたい奈津も奈津なんだ。あんなやつに色目を使いやがって。」
とんだぬれぎぬだ。
あたしは色目なんか使っていない。
「そうだよね。アース様はちょっと無防備過ぎるよ。」
これまた誤解である。
いきなり連れて来られたんだから、防御の仕様もない。
あたしが秋時とムーンの会話を聞いていたら多分そう言うだろう。
しかし、あたしのいないところでの会話なので、弁解の仕様もない。
「プルート様?どうしたんですか?!」
秋時とムーンが苛立っていると、プルートに変化があった。
「え?」
プルートは気づいていない。
自分が泣いていることに。
「あら、、、?どうしたのかしら、わたくし。なんだか泣けてくる、、、」
そう言ってプルートはその場にしゃがみ込んだ。
*
「プルート様、、、?」
はじめにプルートの異変に気付いたウラヌスは、プルートを支え起こした。
シーズン銀河のサマーやウィンターやスプリングはもちろん、オータムである秋時は知らないであろうが、太陽系銀河のみんなはすごく驚いたようだった。
なぜならこんなプルートを見るの初めてだったからだ。
いつも冷静で感情を表に出さないプルート。
それが今、泣いている。
みんなは驚くばかりで、声をかけたウラヌスでさえ、プルートの様子を見てただただ慌てるばかりだった。
「ごめんなさいね。なんだか調子が悪いの。少し頭を冷やして来てもいいかしら?」
プルートは必死に涙をぬぐいながら言った。
「それは構わないですが、お一人で大丈夫ですか?」
ウラヌスの声が震えている。
太陽系銀河のみんなは不安そうにプルートを見ている。
プルートは太陽系銀河の柱。
いつも困った時に助言をくれるプルートはみんなの心の支えなのだ。
それを痛感する出来事だった。
*
「とにかく1人になりたいのです。しばらくこの場を離れますね?」
必死に涙をこらえ、プルートはその場を離れた。
どうしたのでしょう?
宇宙閻魔様を見た時のあの衝撃。
わたくしは何か大切なことを忘れている。
あの懐かしいような、いたずらっぽい笑顔。
あたしは知っている?
でも。
宇宙閻魔様に会うのは初めてのはずだ。
じゃあ、この涙はなんなのだろう?
大切な思い出。
そういえばあたしは宇宙閻魔様のことを前プルートに聞いたのだ。
でも前プルートがどんな顔だったのか、モヤがかかっていて思い出せない。
それに何故前プルートは宇宙閻魔様のことを知っていたのでしょうか?
わたくしはみんなの支えとならねばならないのに。
でも、そう教えてくれたのも、前プルート?
じゃあ何故顔が思い出せないのでしょう?
それにもっと大切なことを約束したような、、、?
涙が出て止まらない。
プルートは必死になって涙をぬぐうが、後から後から涙は流れるのだった。
*
プルートにそんなことが起きていることなど、あたしは知るよしもない。
「ちょ、近いわよ!」
宇宙閻魔にあたしは怒鳴った。
「だいたいね、女々しいのよ。好きなら好き、会えて嬉しいなら、プルートにそう言えばいいじゃない!」
そのあたしの言葉に、宇宙閻魔は顔を真っ赤にして言った。
「や、やっぱり聞いてなかったな?プルートが俺のことを好きなんだよ!会えて嬉しいのもプルートだからな!」
いい加減やめて欲しい。
この堂々巡り。
「男ならねー、女々しいこと言わずに素直になりなさいよ!やっと会えたんでしょ?」
宇宙閻魔は口をパクパクさせている。
言い返す言葉が見つからないのだろう。
「後悔しても知らないから!とにかくあたしをみんなのところに戻してよ!あたしたちは、あなたに教えてもらいたい事があるのよ!」
全く、サターンと美鈴さんのこと、本当にコイツに聞いて解決するのだろうか?
あたしは少し不安になった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる