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夢見
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おかしい。
絶対におかしい。
こんなに夢を見ないなんて。
まるで霧に包まれたようにラバース王国について全然分からない。
そんな時だった。
「可憐!
どういうことだ?」
朝から起こされてあたしは驚く。
「いきなり何?」
あたしは目をこすりながら言う。
「この手紙だよ!」
「え。」
「俺の母のことなんで黙ってたんだよ!
夢見で何か嫌なもの見たのか?」
「ち、違う!」
「だったらなんで?」
「おかしいのよ。
全然夢見で見ないの。
見たら話してたよ!」
「俺ラバース王国に行く。」
勇気、、、。
「ラバース王国に行ってもお母さんには会えないわよ。」
「なんで?!」
「人質として捉えられてる。」
「夢見で見たのか?」
「違う。」
「じゃあなんで、、、。」
あたしは話さなければならない。
勇気に。
「とにかくちょっと待ってて。
今どういう状況なのか分かってからにしよう?
ラバース王国は今もルテイン王国の支配下にある。
危険だから。」
あたしは落ち着くよう勇気に言った。
*
「で?
なんで夢見で見た訳じゃないのに俺の母が捉えられてるっていうんだ?」
勇気はちょっとイライラしている。
「11歳の時あたしは夢見でラバース王国を攻略する方法を告げたの。」
「攻略?」
「うん。
嫌われる覚悟で言うわ。」
「なんだよ?」
「勇気のお母さんを人質にとるよう告げたの。
ラバース王国は武力が強い国だった。
だから。」
「、、、。」
「優馬の手紙だとそのずっと前に、勇気が赤ちゃんだった時に優馬のお母さんに勇気を預けたようね。
勇気のお母さんは夢見かもしれない。
または予言されたか何か。
夢見でラバース王国の事が分からない状態では危険すぎる。
何かに阻まれて夢見で見れないの。
能力者がいるのかも。
千里も能力者だったでしょ?」
「それは、、、。」
勇気は言葉を失う。
優馬の事を思い出したのかもしれない。
「あたしの夢見が分かったらすぐ出発しよう?
これ以上犠牲は出したくないよ。
あたしに任せて!
絶対お母さんに会わせてあげるから。」
あたしは精一杯笑ってみせた。
勇気しぶしぶうなづく。
「ごめんね。
11歳だったあたしは分からないまだ子供だった。
本当にごめんなさい。」
勇気は俯きうなづいた。
*
夢。
夢の世界、、、。
美しく意思の強そうな大きな剣を持った女の人が闘っている。
相手は死んだはずの千里。
若い。
女剣士は一度に5人位をまとめて倒す。
女剣士の後ろには剣を持った子供たちがいる。
ふとふらふらとその女剣士に近づく男の子。
「勇気!
下がってなさい!」
女剣士は言う。
しかし男の子は虚ろな目で女剣士を後ろから刺した。
「ふはははっ!
蓮華。
終わりだ。
この島はルテイン王国の領土になる。」
「ぐっ、、、。
勇気、、、!」
私は能力者。
私の能力には誰も逆らう事はできないのだよ。
「勇気、、、!
何やって、、、。」
「お兄ちゃん、、、。
僕、、、。」
「優馬、、、。
勇気を頼んだよ、、、。」
女剣士は倒れる。
勇気12歳、優馬13歳の頃の悲劇であった。
*
「勇気と名付けたの。」
綺麗な金髪の長い髪。
腕には赤ちゃんが抱かれている。
「でも、この国にいては殺されてしまうかもしれない。」
悲しげな目。
「戦争が激化してきているから。
悲しいことだわ。
蓮華、勇気を頼みます。」
「はっ!
王妃、きっと立派に育てて王妃の元に戻ると誓います!」
「あなたもあたしも夫を亡くした身。
痛いほどの愛情をこの子とあなたの子に。」
勇気と同じく金髪で金色の瞳に涙が浮かぶ。
「さぁ、早く。
この事はあたしとあなたの秘密です。」
側近だった蓮華のみが知る、ラバース王国王位継承者誕生の日だった。
*
ラバース王国。
平和を愛する国。
武力、医学、科学、その他いろいろな事が発達していた王国。
その国を攻略したルテイン王国は様々な能力者を生み出した。
「千里様ともう1カ月も連絡が取れません!」
「殺られたか、、、。
甘く見過ぎていたか。
夢見を捕まえるのが我らの目的。」
「しかし、我らには能力者がいます。
夢見など今さら、、、。」
「分かっていないな。
夢見は数千年に一度生まれるかどうかの存在。
それを調べることこそ我らルテインにとって不動の王国となるのだ。」
「はっ!」
「なーに。
行かずともよい。
きっと奴らから殺られにやって来る。」
「ですが、、、。」
「こちらには切り札がある。
千里からの情報だが。
ラバース王国王妃がいるのだから。
馬鹿な奴はそれを救おうなどと考える。
ほとほと呆れるわ。」
「千里様の情報によれば運命の申し子だとか?」
「運命など取るに足らないわ。」
「ルテイン王国の王女、いや王妃も運命の申し子と言われておりますが、、、。」
「そいつが夢見だ。
2人の申し子か。
笑わせる。
夢見は未来を見通すことができるだけだ。
我らの勝利を告げることすらありえるのだ。」
ほくそ笑む男。
ルテイン王国を今統治している者。
ルテイン王国内部の者にしか知られていない。
可憐と勇気。
運命の申し子との闘いの始まりの序曲。
絶対におかしい。
こんなに夢を見ないなんて。
まるで霧に包まれたようにラバース王国について全然分からない。
そんな時だった。
「可憐!
どういうことだ?」
朝から起こされてあたしは驚く。
「いきなり何?」
あたしは目をこすりながら言う。
「この手紙だよ!」
「え。」
「俺の母のことなんで黙ってたんだよ!
夢見で何か嫌なもの見たのか?」
「ち、違う!」
「だったらなんで?」
「おかしいのよ。
全然夢見で見ないの。
見たら話してたよ!」
「俺ラバース王国に行く。」
勇気、、、。
「ラバース王国に行ってもお母さんには会えないわよ。」
「なんで?!」
「人質として捉えられてる。」
「夢見で見たのか?」
「違う。」
「じゃあなんで、、、。」
あたしは話さなければならない。
勇気に。
「とにかくちょっと待ってて。
今どういう状況なのか分かってからにしよう?
ラバース王国は今もルテイン王国の支配下にある。
危険だから。」
あたしは落ち着くよう勇気に言った。
*
「で?
なんで夢見で見た訳じゃないのに俺の母が捉えられてるっていうんだ?」
勇気はちょっとイライラしている。
「11歳の時あたしは夢見でラバース王国を攻略する方法を告げたの。」
「攻略?」
「うん。
嫌われる覚悟で言うわ。」
「なんだよ?」
「勇気のお母さんを人質にとるよう告げたの。
ラバース王国は武力が強い国だった。
だから。」
「、、、。」
「優馬の手紙だとそのずっと前に、勇気が赤ちゃんだった時に優馬のお母さんに勇気を預けたようね。
勇気のお母さんは夢見かもしれない。
または予言されたか何か。
夢見でラバース王国の事が分からない状態では危険すぎる。
何かに阻まれて夢見で見れないの。
能力者がいるのかも。
千里も能力者だったでしょ?」
「それは、、、。」
勇気は言葉を失う。
優馬の事を思い出したのかもしれない。
「あたしの夢見が分かったらすぐ出発しよう?
これ以上犠牲は出したくないよ。
あたしに任せて!
絶対お母さんに会わせてあげるから。」
あたしは精一杯笑ってみせた。
勇気しぶしぶうなづく。
「ごめんね。
11歳だったあたしは分からないまだ子供だった。
本当にごめんなさい。」
勇気は俯きうなづいた。
*
夢。
夢の世界、、、。
美しく意思の強そうな大きな剣を持った女の人が闘っている。
相手は死んだはずの千里。
若い。
女剣士は一度に5人位をまとめて倒す。
女剣士の後ろには剣を持った子供たちがいる。
ふとふらふらとその女剣士に近づく男の子。
「勇気!
下がってなさい!」
女剣士は言う。
しかし男の子は虚ろな目で女剣士を後ろから刺した。
「ふはははっ!
蓮華。
終わりだ。
この島はルテイン王国の領土になる。」
「ぐっ、、、。
勇気、、、!」
私は能力者。
私の能力には誰も逆らう事はできないのだよ。
「勇気、、、!
何やって、、、。」
「お兄ちゃん、、、。
僕、、、。」
「優馬、、、。
勇気を頼んだよ、、、。」
女剣士は倒れる。
勇気12歳、優馬13歳の頃の悲劇であった。
*
「勇気と名付けたの。」
綺麗な金髪の長い髪。
腕には赤ちゃんが抱かれている。
「でも、この国にいては殺されてしまうかもしれない。」
悲しげな目。
「戦争が激化してきているから。
悲しいことだわ。
蓮華、勇気を頼みます。」
「はっ!
王妃、きっと立派に育てて王妃の元に戻ると誓います!」
「あなたもあたしも夫を亡くした身。
痛いほどの愛情をこの子とあなたの子に。」
勇気と同じく金髪で金色の瞳に涙が浮かぶ。
「さぁ、早く。
この事はあたしとあなたの秘密です。」
側近だった蓮華のみが知る、ラバース王国王位継承者誕生の日だった。
*
ラバース王国。
平和を愛する国。
武力、医学、科学、その他いろいろな事が発達していた王国。
その国を攻略したルテイン王国は様々な能力者を生み出した。
「千里様ともう1カ月も連絡が取れません!」
「殺られたか、、、。
甘く見過ぎていたか。
夢見を捕まえるのが我らの目的。」
「しかし、我らには能力者がいます。
夢見など今さら、、、。」
「分かっていないな。
夢見は数千年に一度生まれるかどうかの存在。
それを調べることこそ我らルテインにとって不動の王国となるのだ。」
「はっ!」
「なーに。
行かずともよい。
きっと奴らから殺られにやって来る。」
「ですが、、、。」
「こちらには切り札がある。
千里からの情報だが。
ラバース王国王妃がいるのだから。
馬鹿な奴はそれを救おうなどと考える。
ほとほと呆れるわ。」
「千里様の情報によれば運命の申し子だとか?」
「運命など取るに足らないわ。」
「ルテイン王国の王女、いや王妃も運命の申し子と言われておりますが、、、。」
「そいつが夢見だ。
2人の申し子か。
笑わせる。
夢見は未来を見通すことができるだけだ。
我らの勝利を告げることすらありえるのだ。」
ほくそ笑む男。
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ルテイン王国内部の者にしか知られていない。
可憐と勇気。
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