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勇気の心
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「勇気。
もう帰ったぞ。」
千里が乗ってきた船の中。
智也が勇気に声をかける。
「あぁ。」
「可憐だいぶ気にしてるみたいだなぁ。」
「、、、。」
勇気は俯く。
「俺が殺ったんだよ。
俺が悪い。」
「そう自分を責めるなよ。
ラバース王国に行きたいと言ったが、何故だ?
蓮華が支えてた王国だからか?」
「そうだ。」
「優馬が死ぬ間際に言ったことが気になる。
蓮華は勇気、お前の実の母じゃないと。
母を探したいのか?」
「まぁな。」
「聖なる宝玉はラバース王国にあるかもな。
夢見である可憐が持ってないならもう一人の申し子である勇気、お前の実の母が持っている可能性が高い。」
「そうか。」
「気になるのはルテインだ。
きっとラバース王国はルテイン王国に支配されている。
100人じゃ勝ち目が無い。
どうする?」
「、、、。」
「可憐なら突破口を開いてくれるかもな。
夢見でルテイン王国の情報が分かればいいのだが。
ラバース王国への行き方はなんとか探してみる。
お前も少し休め。」
「あぁ。
分かった。
頼む。」
勇気は船を後にする。
ため息を一つつき家に帰っていった。
*
靄がかかっている。
ここは?
軍服を着た兵士達がたくさんいる。
もしかしたらラバース王国??
町が酷い有り様だ。
「どうかお助けを、、、。
息子はまだ15です。
どうかお助けを、、、、!」
母親らしき人が兵士にすがりつく。
それを兵士は蹴り飛ばし息子らしき人を連れていく。
なんて酷いことを、、、。
ラバース王国へ行くのはやはり危険かもしれない。
母親は泣き叫んでいる。
それを周りの人たちは気の毒そうに見るが助けようとはしない。
きっと仕返しが怖いのだろう。
勇気のお母さんはどこ?
ルテイン王国かもしれない。
ラバース王国にはもういないのか。
絶対的に不利だ。
「夢見よ、、、。」
え、、、?
「ラバース王国に行け。」
天からの声。
「ラバース王国にはルテイン王国へ反感を持っている者が多い。
武力では勝る。
人狩りをするのは反乱が怖いからだ。」
「でも人質が、、、?」
「気づかれないように人を集めるのだ。
それが突破口になる。」
誰?
この声。
こんな夢見は初めてだった。
*
起きた時勇気が側にいた。
「ラバース王国へ行く。」
夢見を聞いたのだろう。
でも。
何かに導かれているみたいだ。
天からの声。
これが罠だったとしたら、、、。
あたしは半信半疑だった。
「止めても無駄だぞ。」
あたしの表情を察したのか勇気は言った。
「うん。
みんなと一緒に行こう。
智也がラバース王国への行き方を分かったら。」
「可憐。」
「何?」
「抱きしめてもいいか?」
「え、、、?」
あたしは戸惑う。
「どうしたの?
急に。」
「俺はもう失いたくないんだ。
可憐。
お前を失いたくない。」
勇気の瞳は悲しみで溢れている。
「聖なる宝玉を見つければお前は死なないよな?」
「智也から聞いたの?」
「あぁ。」
「夢見の力は失うんだよ?
あたしは勇気に何もしてあげられなくなるんだよ?」
あたしは俯く。
「それでもいい。
ラバースの王子とルテインの王妃が和解すれば戦争は終わる。
夢見の力なんか関係ない。
可憐に側にいて欲しい。」
「あたしは、、、。
あたしはラバース王国を滅ぼしここの民達を苦しめた王の娘だよ?
蓮華さんの死もあたしのせい、、、。」
「もういいんだ。
可憐が好きだ。
愛してる。」
勇気の瞳は悲しみと寂しさでいっぱいだった。
「抱きしめていいか?」
あたしは戸惑いながらうなづく。
勇気はあたしを抱きしめた。
泣いているようだった。
あたしの前で勇気は初めて泣いたのだ。
*
愛してるか、、、。
あたしは勇気の瞳を見つめ、勇気の瞳にはあたしが映っている。
涙で潤んだその瞳は寂しいと言っている。
「愛はまだ教えちゃダメだったな。」
勇気は無理矢理笑う。
愛情とは何だろう。
愛を知ることが怖い。
それは死を意味する。
聖なる宝玉を見つけ早く勇気を寂しさから救うことができたらと。
「ラバース王国へ行けばお母さんの手掛かり見つけられるよ!」
あたしはできるだけ明るく言った。
「千里の乗ってきた船へ行こう。
ラバース王国への行き方調べようよ。」
「そうだな。」
あたし達は船へ向かった。
*
「智也!」
船の中に入るやいなや智也を探す。
「へいへい。」
そこにはもう一人の男の子がいた。
「隼人?」
村の民である。
「あー。
勇気さん、それに可憐。」
「ラバース王国への行き方分かったか?」
隼人のことは何回か見ている。
優馬と一緒に歓迎会をやったバーで働いていた。
あたしは軽く会釈をする。
歳は17歳だったはず。
なぜここにいるんだろう。
「行き方は分かった。
ただ遠くてなー。
一か月位の船旅になる。
途中で仲間を集めようと思ってな。」
智也が資料を見ながら言った。
「隼人は船の操縦係りだ。」
なるほど。
「ルテインに反感を持っている奴らを集め、聖なる宝玉を見つけ、ラバース王国の王妃を救う。
それでいいか?」
「うん!」
あたしは嬉しくなった。
これから起こるであろう悲劇を知らずに。
もう帰ったぞ。」
千里が乗ってきた船の中。
智也が勇気に声をかける。
「あぁ。」
「可憐だいぶ気にしてるみたいだなぁ。」
「、、、。」
勇気は俯く。
「俺が殺ったんだよ。
俺が悪い。」
「そう自分を責めるなよ。
ラバース王国に行きたいと言ったが、何故だ?
蓮華が支えてた王国だからか?」
「そうだ。」
「優馬が死ぬ間際に言ったことが気になる。
蓮華は勇気、お前の実の母じゃないと。
母を探したいのか?」
「まぁな。」
「聖なる宝玉はラバース王国にあるかもな。
夢見である可憐が持ってないならもう一人の申し子である勇気、お前の実の母が持っている可能性が高い。」
「そうか。」
「気になるのはルテインだ。
きっとラバース王国はルテイン王国に支配されている。
100人じゃ勝ち目が無い。
どうする?」
「、、、。」
「可憐なら突破口を開いてくれるかもな。
夢見でルテイン王国の情報が分かればいいのだが。
ラバース王国への行き方はなんとか探してみる。
お前も少し休め。」
「あぁ。
分かった。
頼む。」
勇気は船を後にする。
ため息を一つつき家に帰っていった。
*
靄がかかっている。
ここは?
軍服を着た兵士達がたくさんいる。
もしかしたらラバース王国??
町が酷い有り様だ。
「どうかお助けを、、、。
息子はまだ15です。
どうかお助けを、、、、!」
母親らしき人が兵士にすがりつく。
それを兵士は蹴り飛ばし息子らしき人を連れていく。
なんて酷いことを、、、。
ラバース王国へ行くのはやはり危険かもしれない。
母親は泣き叫んでいる。
それを周りの人たちは気の毒そうに見るが助けようとはしない。
きっと仕返しが怖いのだろう。
勇気のお母さんはどこ?
ルテイン王国かもしれない。
ラバース王国にはもういないのか。
絶対的に不利だ。
「夢見よ、、、。」
え、、、?
「ラバース王国に行け。」
天からの声。
「ラバース王国にはルテイン王国へ反感を持っている者が多い。
武力では勝る。
人狩りをするのは反乱が怖いからだ。」
「でも人質が、、、?」
「気づかれないように人を集めるのだ。
それが突破口になる。」
誰?
この声。
こんな夢見は初めてだった。
*
起きた時勇気が側にいた。
「ラバース王国へ行く。」
夢見を聞いたのだろう。
でも。
何かに導かれているみたいだ。
天からの声。
これが罠だったとしたら、、、。
あたしは半信半疑だった。
「止めても無駄だぞ。」
あたしの表情を察したのか勇気は言った。
「うん。
みんなと一緒に行こう。
智也がラバース王国への行き方を分かったら。」
「可憐。」
「何?」
「抱きしめてもいいか?」
「え、、、?」
あたしは戸惑う。
「どうしたの?
急に。」
「俺はもう失いたくないんだ。
可憐。
お前を失いたくない。」
勇気の瞳は悲しみで溢れている。
「聖なる宝玉を見つければお前は死なないよな?」
「智也から聞いたの?」
「あぁ。」
「夢見の力は失うんだよ?
あたしは勇気に何もしてあげられなくなるんだよ?」
あたしは俯く。
「それでもいい。
ラバースの王子とルテインの王妃が和解すれば戦争は終わる。
夢見の力なんか関係ない。
可憐に側にいて欲しい。」
「あたしは、、、。
あたしはラバース王国を滅ぼしここの民達を苦しめた王の娘だよ?
蓮華さんの死もあたしのせい、、、。」
「もういいんだ。
可憐が好きだ。
愛してる。」
勇気の瞳は悲しみと寂しさでいっぱいだった。
「抱きしめていいか?」
あたしは戸惑いながらうなづく。
勇気はあたしを抱きしめた。
泣いているようだった。
あたしの前で勇気は初めて泣いたのだ。
*
愛してるか、、、。
あたしは勇気の瞳を見つめ、勇気の瞳にはあたしが映っている。
涙で潤んだその瞳は寂しいと言っている。
「愛はまだ教えちゃダメだったな。」
勇気は無理矢理笑う。
愛情とは何だろう。
愛を知ることが怖い。
それは死を意味する。
聖なる宝玉を見つけ早く勇気を寂しさから救うことができたらと。
「ラバース王国へ行けばお母さんの手掛かり見つけられるよ!」
あたしはできるだけ明るく言った。
「千里の乗ってきた船へ行こう。
ラバース王国への行き方調べようよ。」
「そうだな。」
あたし達は船へ向かった。
*
「智也!」
船の中に入るやいなや智也を探す。
「へいへい。」
そこにはもう一人の男の子がいた。
「隼人?」
村の民である。
「あー。
勇気さん、それに可憐。」
「ラバース王国への行き方分かったか?」
隼人のことは何回か見ている。
優馬と一緒に歓迎会をやったバーで働いていた。
あたしは軽く会釈をする。
歳は17歳だったはず。
なぜここにいるんだろう。
「行き方は分かった。
ただ遠くてなー。
一か月位の船旅になる。
途中で仲間を集めようと思ってな。」
智也が資料を見ながら言った。
「隼人は船の操縦係りだ。」
なるほど。
「ルテインに反感を持っている奴らを集め、聖なる宝玉を見つけ、ラバース王国の王妃を救う。
それでいいか?」
「うん!」
あたしは嬉しくなった。
これから起こるであろう悲劇を知らずに。
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