巫女さんに惚れた雷神様

kinmokusei

文字の大きさ
上 下
7 / 7

全て式神のしわざ

しおりを挟む
ん、、、?

「あれ?あたし、、、?」

「やっと起きたわね?」

そう言ったのは千紗様だった。

「あなた雷神に何したの?」

初めて見る顔の女の子。

「あなたはメユね?」

何故だかあたしは分かった。

「そうよ?私はメユ。それよりも雷神がいないのよ。あなた知ってる?」

え?

「雷神様ならすぐそこに、、、?」

顔形は違うが、ドアに寄りかかった男をあたしは指指した。

「バカね!あんな醜い男が雷神な訳ないじゃない!」

千紗様は言った。

そしてメユも言った。

「あなたの目どうかしてるわ!」

あたしは起き上がり、その男の顔をまじまじと見た。


澄んだ瞳。


「俺の事好きか?」


その男が言った。


あたしは自然と言葉が出た。

「もちろん。」

「じゃあ行こう。」

その男はあたしを見つめ手を取る。

あたしはもちろんついて行く。


「なんだ~じゃあ風神雷神竜神はあたし達の物ね!また!」


千紗様とメユの声が後ろから聴こえたけど、あたしは振り返らなかった。




少しして。


「ねぇ?雷神様?」

あたしはその男に問いかけた。


「やっぱりお前はすごい。貧乏神に食われなかっただけあるな。」

雷神様は笑って言った。


「え?」

雷神様の顔がみるみる変わる。

「今頃は式神も消え、あの醜いメス達は貧乏神に食われているだろう。」

「え?どういう意味?」

「お前は聖地に何時間もいたのに食われなかった。そして俺の事を分かった。ただそれだけだ。」

「え?え?」

あたしは訳が分からない。

「お前が本当の風神だ。そして生まれて来る子が竜神。お前が見たのはただの俺の式神だよ。」

雷神様はそれだけ言って、あたしにキスをした。


     


                おわり
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...