現影少女

kinmokusei

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アスカ王子との出会い

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人間は恐ろしいものだと聞いて育ち、人間を避けるようにして生きるユニコーン達がいた。

ミリスはユニコーン。
馬の形をし、角と羽のある妖艶な動物。

ある時ミリスは人間界へ行き、人間の罠にかかって動けなくなってしまった。

ミリスは恐ろしかった。
人間に捕まりこの先どうしたらいいのか。

そんな時だった。

1人の人間に見つかってしまった。

もう終わりだと思った。

「グルルルッ、、、!!」

ミリスは精一杯威嚇をする。

足が罠にくいこむ。

痛さと恐ろしさで一杯だった。






「これは、、、?」

1人の青年だった。
一目でどこかの王子様だと分かった。

王冠をかぶり白タイツにカボチャパンツ。

青年はあたしを見て驚いた顔だ。

無理もない。

ユニコーンなんて珍しいに決まっている。

あたしはなんとか逃げようと翼を広げた。

すると、、、。

「待て待て。足がちぎれてしまうよ。それにしても珍しい生き物が捕まったものだ。少し待ってろ。」

口調は優しいが、人間だ。

「グルルルッ、、、!!」

あたしはまた威嚇をする。

青年はその場を離れた。

もうダメだ。

他の人間を呼んでくるんだ。

あたしは恐怖で一杯だった。

しかし。

「たぬき取りのためにかけた罠だったのだが、、、。」

青年は1人で戻ってきた。

たぬき?
あたしを食べるつもり?

「グルルルッ、、、!!」

あたしは暴れた。

「おとなしくして。別に俺は何もしないから。」

そう言って青年は笑った。

「人参食べるかな?」

罠を外し、人参と言う物をあたしの口に押し込んだ。

な、なにこれ?
美味しい!!

「俺はアスカ。痛かっただろう?もう大丈夫!」

そう言って足の手当てまでしてくれた。

「もう捕まったりしないようにな!」

そう言ってあたしにキスをして去って行った。

アスカ王子、、、。

これがアスカとあたしの運命の出会いだった。





アスカ王子、、、。

どうしたんだろう。

あたしは優しいキスに顔が熱い。

「ミリス!!婚約が近いのに何故人間界なんて行ったんだ!!我らなんの貢ぎ物もできないくらいの貧しいユニコーンの所へ王族のユニコーンから求婚の申し出があったんだぞ!
少しは喜んだらどうだ?」

それが嫌だったから逃げたのよ、、、。

あたしは心の中で思う。

「しかも人間に見つかるなんて、、、。恐ろしい!」

ユニコーンの世界でも政略結婚なんてものもある。
あたしはただのユニコーン。
血筋が言い訳でもない。
なのになんであたし?

「お父さん、、、。あたしは好きな人と一緒になりたいよ。婚約なんて、、、嫌、、、。」

ふとアスカ王子の顔が浮かんだ。

「ミリス、、、。光栄なことなのよ?分かってちょうだい、、、。」

お母さんまで、、、。

「考えさせて、、、。」

そう言うしかなかった。


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