現影少女

kinmokusei

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人間になる方法

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絶対に嫌。
まだ15なのに。

あたしは逃げる事を思いついた。

岩場の洞窟に魔女が住んでいる。

人間は怖いけどアスカ王子に会いたい。

あたしは家をこっそり抜け出し魔女の元へ行った。

「おやおや。わしに何か用かい?」

魔女はあたしを見て言った。

「人間にして欲しいのです。」

「おやおや、人間に?ユニコーンが人間になれるわけないだろう?」

少しの間沈黙が流れた。

「まぁないこともないが、、、。」

「ほ、本当ですか?」

「ユニコーンの羽を3枚ばかり貰えればな。」

羽、、、?

「ただし、本当に人間になれる訳ではないよ?影を人間にするんだよ。」

「影、、、?」

「やるかい?」

あたしは強くうなづいた。





「さぁ、羽をおくれ。」

あたしはバサバサ羽をはためかせ、3枚の羽を渡す。

ユニコーンの羽は貴重だ。
何故なら命そのものだから。
羽を渡せば寿命が縮む。

飛ぶだけなら羽は落ちない。

念を込めて落とす。

「あまりいい血筋ではないようだねぇ。まーこれでもいいか。」

命をかけてアスカ王子に逢いに行く。

アスカ王子の優しいキスがあたしを人間界に駆り立てる。

「影を見せてごらん?」

あたしは言われた通り影を見せる。

「この種を振りかけると、、、」

え、、、?

影がみるみるうちに人間の形になり、ユニコーンだったあたしは人間になった。

「羽3枚で種3つと交換だ。ひとつは使ってしまったから、あとふたつあげよう。戻りたいと思ったら影に振りかければいい。」

「あの、、、?人間界に行くにはユニコーンじゃないと行けないのでは、、、?」

「そうだったねぇ。種を使うんだね。」

「え。じゃ、意味なくひとつ無駄にしたってこと?そんな、、、。」

「この世に無駄なものなんてないさね。とりあえずやり方教えないといけないからねぇ。」

あたしは少し不安になった。





種はあと二つ。

ユニコーンに戻る為に一つ使う。
人間になる為に一つ使う。

つまりあたしは人間界に行ったらこっちには戻ることができない。

アスカ王子、、、。

頼りはアスカ王子だけ。

あたしは種を使いユニコーンの姿に戻る。

「さよなら、、、。お父さん、お母さん。」

不安だけど、人間は怖いけど、、、。

あたしは人間界に向かい翼を広げた。



「よし!早く種を使い人間になろう。」

人間界に着き、自分の影に種をまく。

「この辺りだったな。」

アスカ王子と出会った場所に着き丸太に座る。

よくよく考えてみたけど、この後どうすればいいの?

アスカ王子が来なかったらあたしはどうなるの?

もう種もない。

そんなこんな3時間くらい経過してしまった。

アスカ王子も来る気配はない。

「お腹空いた。音なり草食べてくれば良かった。」

音なり草とはユニコーンが食べる草だ。

この先どうしよう。



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