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チュートリアル
12話 俺の世界の常識と、大差ないな
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「あ、あの、ユウさん??何してんすか??」
シュノンは、目を細めて、ユウの奇行を見守っていた。
「ゲームの世界の常識と、こちらの世界の常識を擦り合わせているんです。」
「んで、なんで、樽を持ち上げようとしてるんすか??」
シュノンは、膝を曲げ、必死に樽を持ち上げようとするユウに向けて、目をぱちくりさせながら問う。
「ゲームの世界の常識では、樽を壊せば、たまに、食べると身体能力を、1上昇させる種が手に入るんです。」
「・・・へ?いや、その、なんで、樽を壊すと、そんな伝説級の種が手に入るんですか??」
「何故?とかではないです。そういうものなんです。」
「・・・ん?へっ??」
シュノンは、(この勇者、何処か頭のネジが飛んでいるのでは?)という疑念を抱いた。
「えいッ!!」
ユウは、樽を持ち上げ、投げた。
・・・ガタン。
樽が、転がった。
「・・・壊れない??」
「いや、まぁ、樽って、簡単には壊れないよう、結構頑丈に出来てますから。」
「ふむ・・・。成る程、では次ですね。」
そして、ユウは、シュノンを引き連れ、ゼパード大要塞を隈無く散策する。
「・・・何故、宝箱が落ちていないんです??」
「いや、ダンジョンじゃあるまいし、宝箱なんて落ちてないですよ。そちらの世界では、そこら辺に落ちてるもんなんすか?」
「ゲームの世界の常識では、落ちている。この位の建物なら、5個か6個位落ちてるんです。」
「あんたの世界の常識おかしいっすよ!?」
シュノンは、思わず本音が漏れてしまう。
「そうですか、なら・・・。」
「ちょっと待って下さいっす!そこは、女性用の更衣室っすよ!?」
ドアノブに手を伸ばしたユウを、シュノンは、大慌てで止める。
「・・・??普通、更衣室だろうと、寝室だろうと、宝物庫だろうと、勇者ならば、中に入って、タンスの中から、本棚、果てはゴミ箱に至るまで、隈無く漁るものでは??」
さも当然の事かの様に、不思議そうな顔をする、ユウの曇り無き眼は、シュノンを困惑させた。
「ってか、もしそこにあった物を持ち出したら、普通に窃盗罪っすよ!」
「勇者なのに・・・か??」
(えーっ!?この人マジで言ってんのかッ!?)
「勇者でもっすよ!」
ユウは、ドアノブから手を放し、腕を組む。
「しかし成る程、ということは、他人の家へ勝手に入ったりも駄目ということか。」
「えぇ、普通に家宅侵入罪っす。」
「ふむ・・・。」
そしてユウは、顎に人差し指をトントンと当てながら、思考を巡らせた。
「成る程、その辺は俺の世界の常識と、大差ないな。」
「大差あったでしょうがッ!!」
シュノンは思わず、大声で突っ込んでしまった。
シュノンは、目を細めて、ユウの奇行を見守っていた。
「ゲームの世界の常識と、こちらの世界の常識を擦り合わせているんです。」
「んで、なんで、樽を持ち上げようとしてるんすか??」
シュノンは、膝を曲げ、必死に樽を持ち上げようとするユウに向けて、目をぱちくりさせながら問う。
「ゲームの世界の常識では、樽を壊せば、たまに、食べると身体能力を、1上昇させる種が手に入るんです。」
「・・・へ?いや、その、なんで、樽を壊すと、そんな伝説級の種が手に入るんですか??」
「何故?とかではないです。そういうものなんです。」
「・・・ん?へっ??」
シュノンは、(この勇者、何処か頭のネジが飛んでいるのでは?)という疑念を抱いた。
「えいッ!!」
ユウは、樽を持ち上げ、投げた。
・・・ガタン。
樽が、転がった。
「・・・壊れない??」
「いや、まぁ、樽って、簡単には壊れないよう、結構頑丈に出来てますから。」
「ふむ・・・。成る程、では次ですね。」
そして、ユウは、シュノンを引き連れ、ゼパード大要塞を隈無く散策する。
「・・・何故、宝箱が落ちていないんです??」
「いや、ダンジョンじゃあるまいし、宝箱なんて落ちてないですよ。そちらの世界では、そこら辺に落ちてるもんなんすか?」
「ゲームの世界の常識では、落ちている。この位の建物なら、5個か6個位落ちてるんです。」
「あんたの世界の常識おかしいっすよ!?」
シュノンは、思わず本音が漏れてしまう。
「そうですか、なら・・・。」
「ちょっと待って下さいっす!そこは、女性用の更衣室っすよ!?」
ドアノブに手を伸ばしたユウを、シュノンは、大慌てで止める。
「・・・??普通、更衣室だろうと、寝室だろうと、宝物庫だろうと、勇者ならば、中に入って、タンスの中から、本棚、果てはゴミ箱に至るまで、隈無く漁るものでは??」
さも当然の事かの様に、不思議そうな顔をする、ユウの曇り無き眼は、シュノンを困惑させた。
「ってか、もしそこにあった物を持ち出したら、普通に窃盗罪っすよ!」
「勇者なのに・・・か??」
(えーっ!?この人マジで言ってんのかッ!?)
「勇者でもっすよ!」
ユウは、ドアノブから手を放し、腕を組む。
「しかし成る程、ということは、他人の家へ勝手に入ったりも駄目ということか。」
「えぇ、普通に家宅侵入罪っす。」
「ふむ・・・。」
そしてユウは、顎に人差し指をトントンと当てながら、思考を巡らせた。
「成る程、その辺は俺の世界の常識と、大差ないな。」
「大差あったでしょうがッ!!」
シュノンは思わず、大声で突っ込んでしまった。
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