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人が一人立って入れる程度の狭い個室に、細かな水滴の落ちる音が響く。
訓練の後、一日の終わりにシャワー室で汗を流すのが帝国軍兵士達の日課だ。彼女もまた、その一人である。
全ての兵士が汗を流し終わり、皆が寝静まった深夜、誰もいないシャワー室をこっそりと使うのが彼女の習慣なのだ。
男ばかりの集団の中に、女は彼女だけ。シャワー室には個別に脱衣場がついていて裸を見られる危険は少ないが、万が一を考え、念のためこの時間に利用するようにしている。
濃い金色の髪を洗い泡を流していると、個室の外から突然声をかけられた。
「あれ? 誰か使ってんの?」
彼女はハッとする。シャワーの水音で近付く足音に気が付かなかった。この時間に他の兵士と鉢合わせる事は非常に稀な事だ。皆朝が早いため、夜は早く寝てしまうのだ。
「あ、ああ、僕だよ。ニコラウス・ヘルターだ」
「なんだニッキーか。なに? お前も眠れねーの?」
ニコラウスをニッキーの愛称で呼ぶのは数人の友人に限られる。この少し高めの声からして、一番仲の良いダミアン・ベアトリクスだろうと彼女は思った。
そこに居るのが彼だと思うと、ニコラウスの背中に冷や汗が伝い、心臓が破裂しそうなほど激しく波打つ。
「うん、ちょっとね。そういう君は、ダン?」
「だよー」
彼女が平静を装いつつ問えば、軽い口調で肯定される。
「なあなあ! ニッキーちょっと見て見て!」
「え? なに?」
いつものふざけた調子で呼ばれ、戸惑う。なぜなら今、彼女は裸だからだ。
「なあ見てってー!」
「分ぁかったよ。ちょっと待ってよ」
彼女は急いでシャワーを止め、シャワー室と繋がった脱衣スペースに出る。そして身体にタオルを巻き付けて腰を屈め、ドアをほんの少し開けて顔だけを外に覗かせた。腰を屈めたのは、ドアの隙間から身体を見え難くするためだ。
「……なに?」
彼女の目に飛び込んできたのは、男の一物だった。しかも、クルクルと回り宙を舞っている。
「?!?!?!」
「うぇーい! ギガンティックトルネーード!!」
ダミアンは両腕を横に伸ばし、その場で回転して遊んでいた。彼はニコラウスより四つ年下ではあるが、じきに二十歳になるはずなのに、一体何をやっているのか。
「な、なにやって……っ」
「ははははっ!」
勢いよく回る陰茎を、ニコラウスの目は勝手に追いかけてしまう。
「うわっと!?」
目は釘付けになりながらも彼女が驚きと呆れで固まっていると、ダミアンが床の水気で足を滑らせてしまう。彼の身体は回転しながらグラリと傾く。
ぺしんっ
「!!」
「おっとっと……」
一体何が起きたのか、彼女は少しの間理解出来なかった。ダミアンの下半身が急激に近付いてきたかと思うと、柔らかい感触に頬を打たれたのだ。
柔らかい感触……そう、彼の男根だ。そこまで思い至った時、ソバカスの散った彼女の顔に、全身の血液が急速に集まる。そして声を発する事も出来ないまま、後ろに尻餅をついてしまう。
「おおー、あっぶなかったー。今当たっちゃったか? ごめんごめー……ん……」
何とか転ばず体勢を立て直したダミアンが、柔らかくカールした赤茶の髪を掻きながら友人を振り返り、固まった。
彼は深碧色の目を大きく開き、一点を見詰めている。友人ニコラウスの下半身である。
ドアが開き、タオルを身体に巻いただけの友人が後ろに倒れ、肘をついているのが見える。開いた脚の間も、ダミアンの目にハッキリと写ってしまった。
髪と同じ黄金の陰毛に包まれたそこには、ついているはずの物体が、ついていなかった。
「え、お前……」
ダミアンがやっとの事で声を出した時、ニコラウスの身体に巻かれたタオルが解け、ハラリと落ちる。
膨らみは控えめなものの男とは明らかに違う形をした胸に、ダミアンの視線が移る。
「!!」
身体がやけにスースーする事に気付いたニコラウスは、慌てて落ちたタオルを掻き集めた。
彼女は、ダミアンを下から睨みつける。
「……み、見た?」
「み、て……い、いや見てねー見てねー!!」
「ウソつき!!」
ニコラウスが目を逸らしながら、ぷるぷる震える指を前に出す。その指の指し示す先には、血管を浮き立たせ天を向く、ダミアンのダミアンが居た。
訓練の後、一日の終わりにシャワー室で汗を流すのが帝国軍兵士達の日課だ。彼女もまた、その一人である。
全ての兵士が汗を流し終わり、皆が寝静まった深夜、誰もいないシャワー室をこっそりと使うのが彼女の習慣なのだ。
男ばかりの集団の中に、女は彼女だけ。シャワー室には個別に脱衣場がついていて裸を見られる危険は少ないが、万が一を考え、念のためこの時間に利用するようにしている。
濃い金色の髪を洗い泡を流していると、個室の外から突然声をかけられた。
「あれ? 誰か使ってんの?」
彼女はハッとする。シャワーの水音で近付く足音に気が付かなかった。この時間に他の兵士と鉢合わせる事は非常に稀な事だ。皆朝が早いため、夜は早く寝てしまうのだ。
「あ、ああ、僕だよ。ニコラウス・ヘルターだ」
「なんだニッキーか。なに? お前も眠れねーの?」
ニコラウスをニッキーの愛称で呼ぶのは数人の友人に限られる。この少し高めの声からして、一番仲の良いダミアン・ベアトリクスだろうと彼女は思った。
そこに居るのが彼だと思うと、ニコラウスの背中に冷や汗が伝い、心臓が破裂しそうなほど激しく波打つ。
「うん、ちょっとね。そういう君は、ダン?」
「だよー」
彼女が平静を装いつつ問えば、軽い口調で肯定される。
「なあなあ! ニッキーちょっと見て見て!」
「え? なに?」
いつものふざけた調子で呼ばれ、戸惑う。なぜなら今、彼女は裸だからだ。
「なあ見てってー!」
「分ぁかったよ。ちょっと待ってよ」
彼女は急いでシャワーを止め、シャワー室と繋がった脱衣スペースに出る。そして身体にタオルを巻き付けて腰を屈め、ドアをほんの少し開けて顔だけを外に覗かせた。腰を屈めたのは、ドアの隙間から身体を見え難くするためだ。
「……なに?」
彼女の目に飛び込んできたのは、男の一物だった。しかも、クルクルと回り宙を舞っている。
「?!?!?!」
「うぇーい! ギガンティックトルネーード!!」
ダミアンは両腕を横に伸ばし、その場で回転して遊んでいた。彼はニコラウスより四つ年下ではあるが、じきに二十歳になるはずなのに、一体何をやっているのか。
「な、なにやって……っ」
「ははははっ!」
勢いよく回る陰茎を、ニコラウスの目は勝手に追いかけてしまう。
「うわっと!?」
目は釘付けになりながらも彼女が驚きと呆れで固まっていると、ダミアンが床の水気で足を滑らせてしまう。彼の身体は回転しながらグラリと傾く。
ぺしんっ
「!!」
「おっとっと……」
一体何が起きたのか、彼女は少しの間理解出来なかった。ダミアンの下半身が急激に近付いてきたかと思うと、柔らかい感触に頬を打たれたのだ。
柔らかい感触……そう、彼の男根だ。そこまで思い至った時、ソバカスの散った彼女の顔に、全身の血液が急速に集まる。そして声を発する事も出来ないまま、後ろに尻餅をついてしまう。
「おおー、あっぶなかったー。今当たっちゃったか? ごめんごめー……ん……」
何とか転ばず体勢を立て直したダミアンが、柔らかくカールした赤茶の髪を掻きながら友人を振り返り、固まった。
彼は深碧色の目を大きく開き、一点を見詰めている。友人ニコラウスの下半身である。
ドアが開き、タオルを身体に巻いただけの友人が後ろに倒れ、肘をついているのが見える。開いた脚の間も、ダミアンの目にハッキリと写ってしまった。
髪と同じ黄金の陰毛に包まれたそこには、ついているはずの物体が、ついていなかった。
「え、お前……」
ダミアンがやっとの事で声を出した時、ニコラウスの身体に巻かれたタオルが解け、ハラリと落ちる。
膨らみは控えめなものの男とは明らかに違う形をした胸に、ダミアンの視線が移る。
「!!」
身体がやけにスースーする事に気付いたニコラウスは、慌てて落ちたタオルを掻き集めた。
彼女は、ダミアンを下から睨みつける。
「……み、見た?」
「み、て……い、いや見てねー見てねー!!」
「ウソつき!!」
ニコラウスが目を逸らしながら、ぷるぷる震える指を前に出す。その指の指し示す先には、血管を浮き立たせ天を向く、ダミアンのダミアンが居た。
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