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ニコラウスとダミアンと初めて会ったのは、二年前。少年に間違われ軍に買われた彼女が、初めて訓練に参加した日だった。
「彼が君の指導係のベアトリクス一等兵だ。ベアトリクス、新しく入ったヘルター二等兵だ。二人共自己紹介を」
兵長に連れられて来た訓練場で、ニコラウスはダミアンを指導係として紹介された。
ダミアンもこの時まだ下っ端だったため、指導係と言っても彼に訓練の指導を受けた訳ではない。ここでの生活の仕方などを教える係という意味合いである。
「はい!」と力強く返事をしたダミアンが、ニコラウスに向き合う。
「オレはダミアン・ベアトリクス、十七。よろしくな!」
バッと手を差し出すダミアンは、濃いグリーンの瞳がキラキラ輝く元気な少年だった。
「ぼ、僕はニコラ……ウス、ニコラウス・ヘルターです。に……いや、十七歳です。よろしくお願いします」
「なんだよ同い年じゃん、緊張すんなって! 仲良くしよーぜ!」
ダミアンはニコラウスの手をガシッと握り、白い歯を見せながら屈託なく笑った。
心の中の暗いモヤが一気に飛散し、明るく晴れ渡る。突然世界が一変し右も左も分からない不安の中、ダミアンの明るさが、ニコラウスには自分を照らし浄化する太陽のように感じられた。
ダミアンはスキンシップが多い。ガシッと突然肩を抱かれ、よく心臓が飛び出そうになる。
「なあニコラウス! って……なんかニコラウスって長くね? ニッキーって呼んでいい? それともニコラちゃんがいい?」
「う、うん」
「いや冗談だしツッコめよ! じゃあニッキーな!」
この時の彼女は、固く引き締まった身体が密着している事にプチパニック状態で、何を言われたかよく分かっていなかった。訓練後の汗に濡れた彼の肌は、とても熱かった事はよく覚えているが。
普段のダミアンはお調子者で子供みたいなのに、パッと見は細身で華奢なのかと思うのに、触れ合うたびに彼が男性なのだと実感し、ニコラウスの心がざわつくのだ。
子供が好きな下ネタはよく言うダミアンだが、彼から女の子にまつわる話を聞いた事はない。
ニコラウスは、彼が女の子を好きになったら、自分を好きになってくれたらどんな風になるのだろうと夢想しては、ありえない妄想にしかならず恥ずかしさに身悶える。
その彼が、何度も妄想の中で王子様のように振る舞っていたダミアンが、現実では股間を振り回して笑うようなお馬鹿なダミアンが、まさかニコラウスの股間の茂みを食べる日が来るなど、誰が想像出来ただろうか。
「だ、ダンっ!? 止めてよ! そこ汚いよ! 僕まだ訓練の後体洗ってないんだ!」
彼女の訴えも虚しく、秘められた場所にヌルリとした温かなものが滑り込む。
「ひああ!?」
ヒダの上を軟体動物がぬめぬめと行き来する感触に、ニコラウスは悲鳴を上げた。そんな感覚は初めてで、これが気持ちいいのか気持ち悪いのかも分からない。
ダミアンの妄想で自分を慰めた事は何度もあるニコラウスだが、自身の指とは全く違う。
「ふぁ、あ、やあ……」
「舐めんの初めて。こんな味なんだ……すげー……」
何がどうすげーのか、問い詰めて小一時間ほど正座させて説教したい気持ちに駆られるが、すぐにまた舌での愛撫を再開され、何も言えなくなってしまう。
それに今彼が言った『初めて』の言葉に、ニコラウスの子宮はキュンキュン収縮して喜びを示している。
「おわ、なんか急にいっぱい出てきた……気持ちーか?」
「そ、そんなの、分かんないよ……あ、ん……」
流石にもうそれは嘘だ。ニコラウスは気持ち良くて気持ち良くて、内側から蜜が溢れて止まらないし、膝がガクガク揺れて力が入らない。
「はぅ……ん、ぁ……はぁ……」
「とろとろ……ハァ……舐めても舐めても追いつかねぇ……」
立っているのが辛くなってきたニコラウスは、ダミアンの赤茶の癖っ毛をギュッと掴む。
「だめ、も、立てな……」
「あっ、ごめんごめん」
ダミアンは立ち上がりニコラウスの腰を支えると、顎に垂れた蜜を指で拭って舐める。
「うわっ?! そういう事するなよ!!」
「え? なんで? 今まで直に舐めてたのに??」
パチクリと瞬きをするダミアンは本気で不思議そうで、ニコラウスは頭を抱えた。
「彼が君の指導係のベアトリクス一等兵だ。ベアトリクス、新しく入ったヘルター二等兵だ。二人共自己紹介を」
兵長に連れられて来た訓練場で、ニコラウスはダミアンを指導係として紹介された。
ダミアンもこの時まだ下っ端だったため、指導係と言っても彼に訓練の指導を受けた訳ではない。ここでの生活の仕方などを教える係という意味合いである。
「はい!」と力強く返事をしたダミアンが、ニコラウスに向き合う。
「オレはダミアン・ベアトリクス、十七。よろしくな!」
バッと手を差し出すダミアンは、濃いグリーンの瞳がキラキラ輝く元気な少年だった。
「ぼ、僕はニコラ……ウス、ニコラウス・ヘルターです。に……いや、十七歳です。よろしくお願いします」
「なんだよ同い年じゃん、緊張すんなって! 仲良くしよーぜ!」
ダミアンはニコラウスの手をガシッと握り、白い歯を見せながら屈託なく笑った。
心の中の暗いモヤが一気に飛散し、明るく晴れ渡る。突然世界が一変し右も左も分からない不安の中、ダミアンの明るさが、ニコラウスには自分を照らし浄化する太陽のように感じられた。
ダミアンはスキンシップが多い。ガシッと突然肩を抱かれ、よく心臓が飛び出そうになる。
「なあニコラウス! って……なんかニコラウスって長くね? ニッキーって呼んでいい? それともニコラちゃんがいい?」
「う、うん」
「いや冗談だしツッコめよ! じゃあニッキーな!」
この時の彼女は、固く引き締まった身体が密着している事にプチパニック状態で、何を言われたかよく分かっていなかった。訓練後の汗に濡れた彼の肌は、とても熱かった事はよく覚えているが。
普段のダミアンはお調子者で子供みたいなのに、パッと見は細身で華奢なのかと思うのに、触れ合うたびに彼が男性なのだと実感し、ニコラウスの心がざわつくのだ。
子供が好きな下ネタはよく言うダミアンだが、彼から女の子にまつわる話を聞いた事はない。
ニコラウスは、彼が女の子を好きになったら、自分を好きになってくれたらどんな風になるのだろうと夢想しては、ありえない妄想にしかならず恥ずかしさに身悶える。
その彼が、何度も妄想の中で王子様のように振る舞っていたダミアンが、現実では股間を振り回して笑うようなお馬鹿なダミアンが、まさかニコラウスの股間の茂みを食べる日が来るなど、誰が想像出来ただろうか。
「だ、ダンっ!? 止めてよ! そこ汚いよ! 僕まだ訓練の後体洗ってないんだ!」
彼女の訴えも虚しく、秘められた場所にヌルリとした温かなものが滑り込む。
「ひああ!?」
ヒダの上を軟体動物がぬめぬめと行き来する感触に、ニコラウスは悲鳴を上げた。そんな感覚は初めてで、これが気持ちいいのか気持ち悪いのかも分からない。
ダミアンの妄想で自分を慰めた事は何度もあるニコラウスだが、自身の指とは全く違う。
「ふぁ、あ、やあ……」
「舐めんの初めて。こんな味なんだ……すげー……」
何がどうすげーのか、問い詰めて小一時間ほど正座させて説教したい気持ちに駆られるが、すぐにまた舌での愛撫を再開され、何も言えなくなってしまう。
それに今彼が言った『初めて』の言葉に、ニコラウスの子宮はキュンキュン収縮して喜びを示している。
「おわ、なんか急にいっぱい出てきた……気持ちーか?」
「そ、そんなの、分かんないよ……あ、ん……」
流石にもうそれは嘘だ。ニコラウスは気持ち良くて気持ち良くて、内側から蜜が溢れて止まらないし、膝がガクガク揺れて力が入らない。
「はぅ……ん、ぁ……はぁ……」
「とろとろ……ハァ……舐めても舐めても追いつかねぇ……」
立っているのが辛くなってきたニコラウスは、ダミアンの赤茶の癖っ毛をギュッと掴む。
「だめ、も、立てな……」
「あっ、ごめんごめん」
ダミアンは立ち上がりニコラウスの腰を支えると、顎に垂れた蜜を指で拭って舐める。
「うわっ?! そういう事するなよ!!」
「え? なんで? 今まで直に舐めてたのに??」
パチクリと瞬きをするダミアンは本気で不思議そうで、ニコラウスは頭を抱えた。
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