8 / 8
再会・再開
しおりを挟む
あれから、10年……。
杏子のことを引きずっていたわけではないけれど……全くないわけでもないけれど……俺は、未だに独りだった。
冗談でなく仕事に忙殺されて、出会いがあっても育てている暇もなく、年月は過ぎた。
役職に付き、ようやく海外と日本を行き来するだけだった日々にゆとりが出てきた……景気の変化で、海外出張が抑制ぎみになったことも、一因ではあるけれど。
今、結婚を意識して、付き合い始めた女性がいる。付き合う、と言っても、まだお茶や食事をしたり、メールや電話で話したり、そんな恋人未満な関係。
物静かで、その分、内気な所がある、5歳年下の図書館司書。
余裕が出来て通い始めた市立図書館で出会った。
本が好き、ということ以外は、杏子とはあまり共通点はない。
内気過ぎて、男性と個人的な付き合いをしないまま、30歳の誕生日を迎えてしまった……そう話してくれた。
そんな彼女だから、なかなか先に進めないでいる。
お互い、結婚を意識しているのは何となく伝わっているんだけど……一歩がなかなか踏み出せないでいた、そんな時。
杏子に、会った。
あれ以来、同級会には全く顔を出さなかったから、実に10年ぶり。
あの時と同じ、夏の、夜。
「やだ、外山くん? スッゴい久しぶりー!」
あの日別れたコンビニの駐車場で、まさかの再会、だった。
「みな……えっと、杏子?」
何て呼べばいいのか悩んで、遠慮がちに下の名前を口にした。
「……子供?」
杏子の後ろに隠れるようにして、俺を観察している、小さなの男の子を見て、俺は尋ねた。
「そう。タク、ごあいさつなさい。お母さんの小さい時からの、お友達」
杏子に強引に前に押し出され、それでもキチンと挨拶する男の子。
「トオヤマタクヤでしゅ」
一瞬、自分の苗字に聞こえて、それから違うことに気付いた。トヤマ、じゃなくて、トオヤマ、だ。
「しゃんしゃいでしゅ」
舌ったらずな物言いが可愛らしい。
「タクヤくんか。いい名前だね」
「おじちゃんは?」
………そうだよな。もう俺だっておじさん、って言われる年だよな。
「外山、司、です」
「トオヤマ、チュカシャ? おじちゃん、おんなし、おなまえ? 」
「タク………おにいさん、って言ってあげて。あと、ト、オ、ヤ、マ、じゃなくて、ト、ヤ、マ、ツカサさん」
「はい、チュカシャおにいしゃん」
「………いいよ、おじちゃんで。そうか、名前、トオヤマだったんだ。遠いに山?」
「うん。そういえば、名前も伝えていなかったんだね、私。………恥ずかしいけど、旦那と親しくなったのも、さっきの名前の聞き違いがきっかけだったのよ。『トヤマさん』『いえ、トオヤマです』みたいに」
杏子が「トヤマキョウコ」になる未来を妄想したこともあったけど、現実には「トオヤマキョウコ」になったのか。たった一字が大きな違いだ。同じ名前の間違いがきっかけなのに、な。
「相変わらずなんだな。昔も、俺の名前、書き間違えたことあっただろ?」
「……よく覚えているね、小1の時の話じゃない?」
「まあ、その頃からの付き合いだしな。……今日は実家?」
「うん。幼稚園夏休みに入ったから、遊びに寄越せって言われて、昨日からお泊まりで実家に預かってもらったの。仕事終わって、今引き取ってきたところ。普段は旦那の親が見てくれているんだけど」
「子育てしながら、ずっと働いているんだ」
「うん。実は………看護学校に入り直して、今は看護師として働いているんだ」
「え? ………結婚したんじゃ?」
「結果的にはしたよ。でもね、実はずっとモヤモヤしていて。昔、外山くんが言われた時に、はっきりしたの」
「えっ?」
「『看護師になると思ってた』みたいなこと。同級会のあと、車で………そう、ここまで送ってきた時」
「あ、ああ、確かに、そんなこと言ったかも」
「私もね、本当は看護師になりたかったんだよ。でも、人の死や、血を見るのが怖くて、覚悟がつかなかった」
「そうなんだ」
「だけど、介護士として働きながら、利用者さんの看取りに立ち会うこともあって、もっと出来ることがあるのかな、なんて朧気に思うことがあって。その時までは、何となく、だったんだけど」
話しているうちに眠たそうに頭を揺らし始めたタクヤくんを、杏子は抱き上げた。
「外山くんに言われて、思い出したの。私は、ずっと看護師になりたかったんだって。家に帰って、小学校の時の卒業文集出して見直してみたの。『笑顔で患者さんを見守って、いざという時に患者さんを助けることが出来るようになりたい』って書いてあった。そうしたら、もう止まらなくなって」
「それで、結婚してから?」
「ううん。旦那には、今から看護師目指したい、迷惑かけるから婚約解消されても仕方ない、って言ったの。でも、結婚して、家族として応援させて欲しいって言われて………甘えちゃった。すぐに受験勉強始めて、幸い社会人入試で拾ってもらえて、次の春に入学して………何とか資格取れました」
「………何と言うか、杏子らしいと言えば確かにそうなんだけど………思い込んだら一直線なんだな、相変わらず」
「外山くんは、ずっと同級会には来なかったから、言いそびれちゃったね」
「いや、でも、いい旦那さんで、よかったな」
「うん。今思うと破談になっても仕方なかったと思うけど、ホントに助けられました。今は病院で働いているよ。………外山くんは?」
「それなりに忙しいかな」
「じゃなくて、結婚とか」
「まだ、独り」
「彼女とか、は?」
「一応。結婚も考えている……まだ、どうなるかわからないけどな。趣味も好みも違うし。本好きなことくらいかな、共通点は」
俺と、あるいは、お前と。
主語がどちらでもよかった。そうか。
俺達は、あまりに似すぎていたんだ。だから、惹かれあい……でも添うことは出来なかった。
同じ軌道をいく天体のように。
同じ極の、磁石のように。
決して、交わることのない、なのに憧れ続ける、お互いに。
「うちのダンナもね、正直、趣味は全然違うの。絵にも本にも興味がない。鉄道オタクで、写真が趣味」
「そうなんだ」
「……でもね、だからあの人と一緒にいるのか退屈かって言うと、そうでもないの。強引に鉄道旅行に駆り出されるのは、正直しんどいけど、夢中で写真を撮っているあの人を見るのは楽しいの……まあ、それも、しばらくはお預けだけど」
そう言って、そっとお腹を撫でる。
「二人目が出来たの。今、5ヶ月。まだ、目立たないでしょ?」
面白そうに笑う杏子は、いままで以上に、幸せそうだった。
「幸せなんだな」
「うん」
てらいもなく微笑む杏子が、眩しかった。
「旦那にはすごく助けてもらっているし、とっても大切に思っている。でもね」
すっ、と笑顔を消して、真面目な顔をして。
「10年前のあの夜、外山くんが、背中を押してくれたから、今の私があると思う」
「いや、俺は、何も」
「………何もしないでくれたんだよね? あの時」
「杏子………気付いて?」
「さすがに、ね。私にも、ちょっと………かなり、未練はあったし。だって、12年間も好きだったんだよ」
あっさりと言われて、でもそれは、悲痛なものではなく。
懐かしい、思い出の領域に入った感情になっているのだ、すでに。
お互いに。
「そうだな。なんかバカみたいだよな。二人とも12年間も好きだったのに、その倍以上の年数経ってから、こんな話するなんて、な。………今さらだけど、俺も、ずっと好きだった、よ」
「………ホント、今さらだよね。……でも、ありがとう。ツックン」
昔懐かしい呼び方をされて、何だかこそばゆい。
杏子に絵を誉められた時のような、あったかい、気持ち。
「今度は、ちゃんと伝えなよ。あんな泣きそうな顔して、笑ったりしないでね」
それも、気付いていたんだ? ていうか、俺、泣きそうな顔していたんだ……。
「大丈夫。杏子も、体大切にな」
「ありがとう。………じゃあ、ね」
10年前と同じ言葉で、別れを告げる。
あの時は、苦しくて、情けなくて。
我ながらヘタレぶりに、涙が出たけど。
その短い言葉に、杏子は沢山の想いを込めていたのだろう。それに気付いた今、同じ過ちは繰り返したくない。
もう、後悔したくない。
スマホを取り出し、彼女のアドレスを開く。
『遅くにゴメンm(__)m 話したいことがあるんだけど、予定教えて下さい^_^;』
メール送信。
不躾だと思ったけど、杏子に背を押してもらった想いを、早く伝えたかった。
好きだと言う気持ちを、キチンと伝えたかった。
『明日から書架点検で遅くなるので、今から会いませんか?』
俺は待ち合わせに、近くのファミレスを指定して、送信した。
深呼吸して、気持ちを整える。
まず、何て、話そうか。
ドキドキする。
あの時みたいに。
でも、今度は、間違えない。
勇気を持って。キチンと、進んでみせる。
今度こそ。
初恋、リベンジ!
杏子のことを引きずっていたわけではないけれど……全くないわけでもないけれど……俺は、未だに独りだった。
冗談でなく仕事に忙殺されて、出会いがあっても育てている暇もなく、年月は過ぎた。
役職に付き、ようやく海外と日本を行き来するだけだった日々にゆとりが出てきた……景気の変化で、海外出張が抑制ぎみになったことも、一因ではあるけれど。
今、結婚を意識して、付き合い始めた女性がいる。付き合う、と言っても、まだお茶や食事をしたり、メールや電話で話したり、そんな恋人未満な関係。
物静かで、その分、内気な所がある、5歳年下の図書館司書。
余裕が出来て通い始めた市立図書館で出会った。
本が好き、ということ以外は、杏子とはあまり共通点はない。
内気過ぎて、男性と個人的な付き合いをしないまま、30歳の誕生日を迎えてしまった……そう話してくれた。
そんな彼女だから、なかなか先に進めないでいる。
お互い、結婚を意識しているのは何となく伝わっているんだけど……一歩がなかなか踏み出せないでいた、そんな時。
杏子に、会った。
あれ以来、同級会には全く顔を出さなかったから、実に10年ぶり。
あの時と同じ、夏の、夜。
「やだ、外山くん? スッゴい久しぶりー!」
あの日別れたコンビニの駐車場で、まさかの再会、だった。
「みな……えっと、杏子?」
何て呼べばいいのか悩んで、遠慮がちに下の名前を口にした。
「……子供?」
杏子の後ろに隠れるようにして、俺を観察している、小さなの男の子を見て、俺は尋ねた。
「そう。タク、ごあいさつなさい。お母さんの小さい時からの、お友達」
杏子に強引に前に押し出され、それでもキチンと挨拶する男の子。
「トオヤマタクヤでしゅ」
一瞬、自分の苗字に聞こえて、それから違うことに気付いた。トヤマ、じゃなくて、トオヤマ、だ。
「しゃんしゃいでしゅ」
舌ったらずな物言いが可愛らしい。
「タクヤくんか。いい名前だね」
「おじちゃんは?」
………そうだよな。もう俺だっておじさん、って言われる年だよな。
「外山、司、です」
「トオヤマ、チュカシャ? おじちゃん、おんなし、おなまえ? 」
「タク………おにいさん、って言ってあげて。あと、ト、オ、ヤ、マ、じゃなくて、ト、ヤ、マ、ツカサさん」
「はい、チュカシャおにいしゃん」
「………いいよ、おじちゃんで。そうか、名前、トオヤマだったんだ。遠いに山?」
「うん。そういえば、名前も伝えていなかったんだね、私。………恥ずかしいけど、旦那と親しくなったのも、さっきの名前の聞き違いがきっかけだったのよ。『トヤマさん』『いえ、トオヤマです』みたいに」
杏子が「トヤマキョウコ」になる未来を妄想したこともあったけど、現実には「トオヤマキョウコ」になったのか。たった一字が大きな違いだ。同じ名前の間違いがきっかけなのに、な。
「相変わらずなんだな。昔も、俺の名前、書き間違えたことあっただろ?」
「……よく覚えているね、小1の時の話じゃない?」
「まあ、その頃からの付き合いだしな。……今日は実家?」
「うん。幼稚園夏休みに入ったから、遊びに寄越せって言われて、昨日からお泊まりで実家に預かってもらったの。仕事終わって、今引き取ってきたところ。普段は旦那の親が見てくれているんだけど」
「子育てしながら、ずっと働いているんだ」
「うん。実は………看護学校に入り直して、今は看護師として働いているんだ」
「え? ………結婚したんじゃ?」
「結果的にはしたよ。でもね、実はずっとモヤモヤしていて。昔、外山くんが言われた時に、はっきりしたの」
「えっ?」
「『看護師になると思ってた』みたいなこと。同級会のあと、車で………そう、ここまで送ってきた時」
「あ、ああ、確かに、そんなこと言ったかも」
「私もね、本当は看護師になりたかったんだよ。でも、人の死や、血を見るのが怖くて、覚悟がつかなかった」
「そうなんだ」
「だけど、介護士として働きながら、利用者さんの看取りに立ち会うこともあって、もっと出来ることがあるのかな、なんて朧気に思うことがあって。その時までは、何となく、だったんだけど」
話しているうちに眠たそうに頭を揺らし始めたタクヤくんを、杏子は抱き上げた。
「外山くんに言われて、思い出したの。私は、ずっと看護師になりたかったんだって。家に帰って、小学校の時の卒業文集出して見直してみたの。『笑顔で患者さんを見守って、いざという時に患者さんを助けることが出来るようになりたい』って書いてあった。そうしたら、もう止まらなくなって」
「それで、結婚してから?」
「ううん。旦那には、今から看護師目指したい、迷惑かけるから婚約解消されても仕方ない、って言ったの。でも、結婚して、家族として応援させて欲しいって言われて………甘えちゃった。すぐに受験勉強始めて、幸い社会人入試で拾ってもらえて、次の春に入学して………何とか資格取れました」
「………何と言うか、杏子らしいと言えば確かにそうなんだけど………思い込んだら一直線なんだな、相変わらず」
「外山くんは、ずっと同級会には来なかったから、言いそびれちゃったね」
「いや、でも、いい旦那さんで、よかったな」
「うん。今思うと破談になっても仕方なかったと思うけど、ホントに助けられました。今は病院で働いているよ。………外山くんは?」
「それなりに忙しいかな」
「じゃなくて、結婚とか」
「まだ、独り」
「彼女とか、は?」
「一応。結婚も考えている……まだ、どうなるかわからないけどな。趣味も好みも違うし。本好きなことくらいかな、共通点は」
俺と、あるいは、お前と。
主語がどちらでもよかった。そうか。
俺達は、あまりに似すぎていたんだ。だから、惹かれあい……でも添うことは出来なかった。
同じ軌道をいく天体のように。
同じ極の、磁石のように。
決して、交わることのない、なのに憧れ続ける、お互いに。
「うちのダンナもね、正直、趣味は全然違うの。絵にも本にも興味がない。鉄道オタクで、写真が趣味」
「そうなんだ」
「……でもね、だからあの人と一緒にいるのか退屈かって言うと、そうでもないの。強引に鉄道旅行に駆り出されるのは、正直しんどいけど、夢中で写真を撮っているあの人を見るのは楽しいの……まあ、それも、しばらくはお預けだけど」
そう言って、そっとお腹を撫でる。
「二人目が出来たの。今、5ヶ月。まだ、目立たないでしょ?」
面白そうに笑う杏子は、いままで以上に、幸せそうだった。
「幸せなんだな」
「うん」
てらいもなく微笑む杏子が、眩しかった。
「旦那にはすごく助けてもらっているし、とっても大切に思っている。でもね」
すっ、と笑顔を消して、真面目な顔をして。
「10年前のあの夜、外山くんが、背中を押してくれたから、今の私があると思う」
「いや、俺は、何も」
「………何もしないでくれたんだよね? あの時」
「杏子………気付いて?」
「さすがに、ね。私にも、ちょっと………かなり、未練はあったし。だって、12年間も好きだったんだよ」
あっさりと言われて、でもそれは、悲痛なものではなく。
懐かしい、思い出の領域に入った感情になっているのだ、すでに。
お互いに。
「そうだな。なんかバカみたいだよな。二人とも12年間も好きだったのに、その倍以上の年数経ってから、こんな話するなんて、な。………今さらだけど、俺も、ずっと好きだった、よ」
「………ホント、今さらだよね。……でも、ありがとう。ツックン」
昔懐かしい呼び方をされて、何だかこそばゆい。
杏子に絵を誉められた時のような、あったかい、気持ち。
「今度は、ちゃんと伝えなよ。あんな泣きそうな顔して、笑ったりしないでね」
それも、気付いていたんだ? ていうか、俺、泣きそうな顔していたんだ……。
「大丈夫。杏子も、体大切にな」
「ありがとう。………じゃあ、ね」
10年前と同じ言葉で、別れを告げる。
あの時は、苦しくて、情けなくて。
我ながらヘタレぶりに、涙が出たけど。
その短い言葉に、杏子は沢山の想いを込めていたのだろう。それに気付いた今、同じ過ちは繰り返したくない。
もう、後悔したくない。
スマホを取り出し、彼女のアドレスを開く。
『遅くにゴメンm(__)m 話したいことがあるんだけど、予定教えて下さい^_^;』
メール送信。
不躾だと思ったけど、杏子に背を押してもらった想いを、早く伝えたかった。
好きだと言う気持ちを、キチンと伝えたかった。
『明日から書架点検で遅くなるので、今から会いませんか?』
俺は待ち合わせに、近くのファミレスを指定して、送信した。
深呼吸して、気持ちを整える。
まず、何て、話そうか。
ドキドキする。
あの時みたいに。
でも、今度は、間違えない。
勇気を持って。キチンと、進んでみせる。
今度こそ。
初恋、リベンジ!
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる