狼のタルとエサのペコ

るい

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狼の本能

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「母さん、外が騒がしくなってきたな」

「ええ、そうね」

「ペコはしっかり寝たかね」

「ちょっと様子を見に行くわね」

夜も更け、満月が空に輝いていた。狼たちが駆け回る音が夜空に響き始めた頃、ペコの家にはまだ明かりがついていた。

「ペコ、起きてるかい」

「ス~…ス~…」

「よかった。おやすみ、ペコ」



「ちゃんと寝てたかい?」

「ええ、ぐっすり寝てたわよ」

「そうかい。じゃあ私達も明かりを消そう」

「そうね…ほんとに迷惑な話だわ…」

「仕方ないさ、彼らの本能だからね。さあ、我々も寝よう」

「ええ、おやすみなさい、あなた。」

「おやすみ」




「なあ!あの家まだ明るいぜ!」

「行こうぜ!最初の獲物だ!!」

狼たちは動物がいるであろう家を次々に襲って行った。
長年暴れ歩いてるせいで満月の夜に外を出歩く動物は居なくなった。そのため近年では獲物が取れなくなってしまった。狼たちはどうしようかと考えた時、明かりがついている家を襲い始めた。


「狼だ!!!」

「きゃーーー!!」

「はっはっはー!ちっちゃいうさちゃん達がこんなにいるぜ!」

「全員捕まえて食ってやる!」

「逃げろ!みんな逃げるんだ!!」

「ああ、にげまわれ!そっちのが楽しめるってもんだ!」


狼たちがうさぎを襲うと、最初はどたばたと大騒ぎして逃げ回っていたうさぎも、ものの数分で静かになってしまった。


「ふぅ~やっぱうさぎの肉はうめぇなぁ」

「でもまだ足りなくねぇか?次行こうぜ!」

「おうよ!みんな着いてこいよー!」


狼たちはうさぎの家を後にし、走り去った。


「パパ…ママ…」


狼たちが去った後の家から小さな泣き声が聞こえてきた。暖炉の裏から小さな子うさぎが出てきた。1匹だけ見逃していたようだ。

「兄ちゃん…姉ちゃん…」


うさぎは恐怖と絶望に覆われ、震えながら泣き続けた。
するとまた、別の狼の群れが来た。


「あ?ここはもう誰か来たみたいだな」

「あーほんとだ。もう済んでらぁ。次行くぞ」

「いや、ちょっとまて」


狼のうちの1匹が、うさぎの方を見た。
そしてニヤリと笑い、鋭い牙でうさぎに噛み付いた。




「あれ?バルクがいねぇぞ?」

「あーほんとだ。また1人で狩ってるんじゃないか?」

「そうか、あいつは狩りは一人でやる派だからな~」

「まあ、邪魔しないでやっとこうぜ」

「そうだな、よーし誰が1番多く狩れるか勝負だ!」






「タル、起きろ、タル」

「ん…?」

「おい、また寝るな。起きろ」

「ん…?…バルク!?」

タルが目を覚ますと、窓越しにバルクの顔があった。
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