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愛してるよ。
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それはほんの僅かな好奇心だった。
僕に恋人ができたら彼女はどんな反応をするのかって。
だって彼女は僕の事がきっと好きだから。
自意識過剰だって思われるかもしれないけど、伊達に12年間彼女の幼馴染みをやってない。
彼女の癖や行動は知り尽くしていると言っても過言では無い筈だ。
それにどちらかというと彼女は隠し事が苦手…いや、全く出来ない人だ。
何か隠していると人にすぐバレる。ましてや、12年間ずっと一緒に過ごしてきた俺がそれに気づかない筈もなく。
俺が「彼女欲しいなぁ~」と言うと、そわそわしてこちらをチラチラ見てくる。
それがまたいじらしくって、かわいくって。
そう思うくらいに、俺はずっと前から彼女に心奪われていた。
だから少しからかってやろうと思った。
好きな子を苛める小学生かよって自分でも思ったが。
俺にに恋人が出来たと言って、あわよくば嫉妬欲しいな、と。
そして1ヶ月くらい経ってからドッキリだった…、そう言って俺の方から告白するつもりだった。
そう、だった。
俺に恋人ができたと…、そう言うと彼女は顔を引きつりながらも笑顔で俺におめでとうと言った。
素直に好きな人の幸せを祝える彼女に、俺は更に心奪われた。
そして俺がニセ恋人と付き合ってから3週間ほど経ったある日。
彼女はとても暗い顔をしていた。思わず声をかける程に。
俺が「どうしたんだ…?」そう言うと、彼女は「なんでもないよ…。今までありがとう…、凛」と意味深な言葉を言った後、苦しそうに笑い、去っていった。
俺は本当にどうしたのか…、と心配しながらも彼女の去っていく姿を目で追っただけだった。
この時の彼女を追いかけていれば…とどうしようもない後悔と共に、絶望する事を…、この時の俺は知る由もなかった。
そしてその放課後、事件は起こったのだ。
帰ろうと、校舎の近くを友人と歩いていると俺の目に映ったのはなんだっただろうか。
それは…、屋上のフェンスを越えている彼女だった。
そのあまりに衝撃的な光景に頭が働かなかった。
そして直ぐに理解した。
彼女は自殺しようとしてると…。
止めようと走り出した時にはもう遅かった。
グシャリという鈍い音と共に、彼女の身体が地面へ打ち付けられ、辺りに血が飛び散った。
「香菜……!!」俺は考えるよりも体が動き、彼女の名を叫ぶと共に駆け寄る。
「香菜…。どうして…?どうして自殺なんか…」俺がそう言うと、彼女は掠れた弱々しい声で言った。
「わた…し…ずっと…り…ん…が…好きだ…った………だ、から…凛に…恋、人…ができ…る…のが……耐えられ…なか…た…の…だっ……て…り…ん…は……わた、し…の…こと…恋、愛…対象…とし…て…みて…ない…で…も、私……を…愛…して…ほしか…た……」
「そんな……、違う。違うよ香菜。俺はずっと昔から…、香菜の事が好きだよ。恋人ができたなんて嘘だ。俺はもう少ししたら香菜に告白するつもりだったんだ。ごめん…香菜…、ごめ…ん……」
「凛…が…、わ…たし…の事…を…す、き…?」
「ああ…。そうだよ…大好きだ」
俺がそう言うと香菜は嬉しそうに笑い、そしてそのまま彼女の瞳からは光が無くなっていった。
その後救急隊が来て、その場で死亡確認がされた。
その後、全校生徒に帰宅が命じられ、俺も家に帰り、自室へ入った。
いつもなら、俺が帰ると必ずそこには彼女の姿があった。
でも、その姿が無いことに気づいたことに気づく。
心の底では受け止められてないのだ。彼女の死を。理解できていないのだと…、そう気づいた。
彼女は俺が殺したようなものだ。
俺があんな愚かな事を考えなければ今日も彼女は俺の部屋で、俺の目の前で笑っていた。
あの眩しくて綺麗で、儚いあの笑顔で。
俺の大好きな香菜。
俺が殺してしまった香菜。
俺はもう…、彼女無しでは生きられない。
俺はカッターナイフを手に持って言った。
「……ごめん香菜。すぐいくよ…」
僕に恋人ができたら彼女はどんな反応をするのかって。
だって彼女は僕の事がきっと好きだから。
自意識過剰だって思われるかもしれないけど、伊達に12年間彼女の幼馴染みをやってない。
彼女の癖や行動は知り尽くしていると言っても過言では無い筈だ。
それにどちらかというと彼女は隠し事が苦手…いや、全く出来ない人だ。
何か隠していると人にすぐバレる。ましてや、12年間ずっと一緒に過ごしてきた俺がそれに気づかない筈もなく。
俺が「彼女欲しいなぁ~」と言うと、そわそわしてこちらをチラチラ見てくる。
それがまたいじらしくって、かわいくって。
そう思うくらいに、俺はずっと前から彼女に心奪われていた。
だから少しからかってやろうと思った。
好きな子を苛める小学生かよって自分でも思ったが。
俺にに恋人が出来たと言って、あわよくば嫉妬欲しいな、と。
そして1ヶ月くらい経ってからドッキリだった…、そう言って俺の方から告白するつもりだった。
そう、だった。
俺に恋人ができたと…、そう言うと彼女は顔を引きつりながらも笑顔で俺におめでとうと言った。
素直に好きな人の幸せを祝える彼女に、俺は更に心奪われた。
そして俺がニセ恋人と付き合ってから3週間ほど経ったある日。
彼女はとても暗い顔をしていた。思わず声をかける程に。
俺が「どうしたんだ…?」そう言うと、彼女は「なんでもないよ…。今までありがとう…、凛」と意味深な言葉を言った後、苦しそうに笑い、去っていった。
俺は本当にどうしたのか…、と心配しながらも彼女の去っていく姿を目で追っただけだった。
この時の彼女を追いかけていれば…とどうしようもない後悔と共に、絶望する事を…、この時の俺は知る由もなかった。
そしてその放課後、事件は起こったのだ。
帰ろうと、校舎の近くを友人と歩いていると俺の目に映ったのはなんだっただろうか。
それは…、屋上のフェンスを越えている彼女だった。
そのあまりに衝撃的な光景に頭が働かなかった。
そして直ぐに理解した。
彼女は自殺しようとしてると…。
止めようと走り出した時にはもう遅かった。
グシャリという鈍い音と共に、彼女の身体が地面へ打ち付けられ、辺りに血が飛び散った。
「香菜……!!」俺は考えるよりも体が動き、彼女の名を叫ぶと共に駆け寄る。
「香菜…。どうして…?どうして自殺なんか…」俺がそう言うと、彼女は掠れた弱々しい声で言った。
「わた…し…ずっと…り…ん…が…好きだ…った………だ、から…凛に…恋、人…ができ…る…のが……耐えられ…なか…た…の…だっ……て…り…ん…は……わた、し…の…こと…恋、愛…対象…とし…て…みて…ない…で…も、私……を…愛…して…ほしか…た……」
「そんな……、違う。違うよ香菜。俺はずっと昔から…、香菜の事が好きだよ。恋人ができたなんて嘘だ。俺はもう少ししたら香菜に告白するつもりだったんだ。ごめん…香菜…、ごめ…ん……」
「凛…が…、わ…たし…の事…を…す、き…?」
「ああ…。そうだよ…大好きだ」
俺がそう言うと香菜は嬉しそうに笑い、そしてそのまま彼女の瞳からは光が無くなっていった。
その後救急隊が来て、その場で死亡確認がされた。
その後、全校生徒に帰宅が命じられ、俺も家に帰り、自室へ入った。
いつもなら、俺が帰ると必ずそこには彼女の姿があった。
でも、その姿が無いことに気づいたことに気づく。
心の底では受け止められてないのだ。彼女の死を。理解できていないのだと…、そう気づいた。
彼女は俺が殺したようなものだ。
俺があんな愚かな事を考えなければ今日も彼女は俺の部屋で、俺の目の前で笑っていた。
あの眩しくて綺麗で、儚いあの笑顔で。
俺の大好きな香菜。
俺が殺してしまった香菜。
俺はもう…、彼女無しでは生きられない。
俺はカッターナイフを手に持って言った。
「……ごめん香菜。すぐいくよ…」
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